＿＿＿＿＿＿＿屋敷の外にて。
「おい、あれがブライド財閥の一人息子”ヴィルス”だ」
「誘拐したら身代金はいくらになるだろうなァ」
窓から食事をしているヴィルスを覗く男ら。その数は30人程だ。
「おい、近くに居た背の高いメイドはどこ行った？」
一人の男がそう言う。見るとヴィルスの近くに居た長身のメイドの姿がいつの間にかなくなっていた。
だが男らは「あんなメイド一人で何が出来る」と笑う。
すると、窓から離れた所で小さいが「ぎゃっ！」と声が聞こえた。
見ると先程姿がなくなっていたはずのメイドがこちらに歩いてきていた。
その手には見張りをしていた男らの仲間が気絶した状態で掴まれている。
ｱﾙﾒﾘｱ「失礼、視線と気配を感じたので駆けつけてみればこの方が攻撃をしてきたので少々手荒なことをしてしまいました」
「なんだよこのメイドっ‼」
ｱﾙﾒﾘｱ「私、ブライド財閥の息子であるヴィルス様のメイドをしております、アルメリアと申します。以後、お見知りおきを」
アルメリアがそういった途端、男らが彼女に攻撃を仕掛けた。
ナイフなどの凶器を持ち、アルメリアに迫る男ら。
だが＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ｱﾙﾒﾘｱ「あら、話し合いもせずに失礼な殿方ですね」
瞬きの間で男ら全員に手刀を打った。
ｱﾙﾒﾘｱ「女性一人に対して大勢、武器を使うというのは恥ずかしくないんでしょうか」

ｳﾞｨﾙｽ「･････････結局なんだったんだ？」
ｱﾙﾒﾘｱ「坊っちゃんはお気になさらないで大丈夫です。あと、先程お渡しした首飾りはずっと付けておいてくださいませ。でないとすぐに駆けつけられませんので」
帰ってきたアルメリアを見てヴィルスがそう聞いたがアルメリアは誤魔化す。
ヴィルスは諦め席を立った。
ｳﾞｨﾙｽ「今日は少し街に出る」
ｱﾙﾒﾘｱ「かしこまりました、準備をしておきます」
そう言ってアルメリアはまたあの丁寧な礼をしたのだった。