side サムライ翔

のっきたんから聞かされたんは、のっきたん自信にも関わる、重大なことだった。

「今の●●さんには、みなさんの記憶がありません。」
記憶が、ない....？
「...とか最初に言うのもあれなんで、1から話しますね。」
「.......話してくれ。」
中二病が今にも崩れるような声で言った。
「●●さんの容態が悪くなったのは、私の魔法薬の可能性が高いんです。」
....まほう、やく....。
「まぁいろいろありまして、誰かにそれを奪われてしまったんです。」
は...？それ結構まずいんじゃ...
「その薬は普通に闇サイトとかでも売れるらしくて、誰から誰へと回っていったはずなんです。」
闇サイトって...
「あぁ...薬の説明ですが、相手を死に至らせる薬です...。趣味悪いなんて思わないでくださいね。」
いやいや、ここで聞いたら思うわ。心のなかで小さくツッコミをいれて、また話に耳を傾ける。
「奪われたその魔法薬で誰かが●●さんにその薬を飲ませたんでしょうか。」
「え...？でも○○は目を覚ましていなかったんじゃ...。」
そらちゃんはそういった。
「...今現代ですよ？眠っていても薬を注射で打つことは可能なんです。」
「あっそっか。ごめん、続けて。」
「私の薬に効くのは私の魔法なんです。なので私は●●さんに魔法をかけて治そうと思いました。ですが...。」
「.....早く言え。」
かもめんが、これまでに出したことのないような低い声でのっきたんに言った。

「ですが、リスクがありました。それは、[太字]●●さんのいちばん大切な記憶を失うこと。[/太字]」
え.....それって、
「まぁ皆さんわかってますよね。単刀直入に言うと、●●さんの1番大切な記憶が私達だったから忘れてしまった、ということです。....まぁ、もちろん考えました。皆さんが自分たちの記憶を●●さんが失って生きるか、●●さんが死ぬかだったら＿＿＿＿＿」
「自分たちの記憶を忘れるだけで○○が生きてくれるなら記憶の選択をするってのっきたんは先に悟っとったんやな。」
俺は、そう言った。

「あっ......そういうことなんだ...。」
そらちゃんは今全てを理解したように言った。
「にょきを....俺、後悔はないぞ。」
かもめんが言う。
「あぁ。俺も後悔はない。だって＿＿＿＿＿」

「俺らがもう一回思い出させるもんな！」

その意見に、反対するやつはいなかった。
夕立の桜が、俺に降ってくる...