見習い女神とのクエスト体験記
あっち向いてホイの修練場は谷を越えた先にあるってことだったが……。
「はあ、はあ……」
結構バテてきたな。日頃の運動不足がここで響いたか~。
「大丈夫ですか? 唐傘さん」
ミルーカ様はケロリとした表情で息一つ切れていない。くるりと振り向いて俺の様子を観察している。情けナッシング。
「はい! 大丈夫です!」
俺は、背筋をピンと立てて、ついでに手も上げる。意思表示は大事だ。
「そうですか? ならいいですけど……」
ミルーカ様はほいほいっと凸凹した足場をリズム良く進んでいる。俺は躓かないようにえっちらおっちらって感じだ。
「あとどれぐらいで着きそうですか?」
「もうすぐですよ~」
そういえば、と俺はカミレラ様に貰った転移札なるものをポケットから取り出す。
「この転移札って、ミルーカ様も持っているんですか?」
「ええ。持っています。といっても使用することは滅多にありません」
「そうなんですか?」
「はい。テレポートがあるので、自分ではあまり使いませんね」
「カミレラ様は……」
「仕事から逃げる時によく使われています」
おやおや。俺は転移札からカミレラ様が使え、使えと叫んでいるように感じた。
「そうですか」
「唐傘さん。今は使ってはいけませんよ」
「へ?」
「カミレラ様は今ひーこらひーこら書類仕事をされている最中ですので」
ニッコリと圧をかけてくるミルーカ様。ドンマイですカミレラ様。
「分かるんですね」
俺がちょっと冷や汗をタラリしながら言うと、ミルーカ様はええ、と頷く。
「通信がひっきりなしに届いていますので」
「そ、そうですか……」
俺はカミレラ様がひーひー言いながら書類仕事に追われている様子を頭に思い浮かべた。
「はあ、はあ……」
結構バテてきたな。日頃の運動不足がここで響いたか~。
「大丈夫ですか? 唐傘さん」
ミルーカ様はケロリとした表情で息一つ切れていない。くるりと振り向いて俺の様子を観察している。情けナッシング。
「はい! 大丈夫です!」
俺は、背筋をピンと立てて、ついでに手も上げる。意思表示は大事だ。
「そうですか? ならいいですけど……」
ミルーカ様はほいほいっと凸凹した足場をリズム良く進んでいる。俺は躓かないようにえっちらおっちらって感じだ。
「あとどれぐらいで着きそうですか?」
「もうすぐですよ~」
そういえば、と俺はカミレラ様に貰った転移札なるものをポケットから取り出す。
「この転移札って、ミルーカ様も持っているんですか?」
「ええ。持っています。といっても使用することは滅多にありません」
「そうなんですか?」
「はい。テレポートがあるので、自分ではあまり使いませんね」
「カミレラ様は……」
「仕事から逃げる時によく使われています」
おやおや。俺は転移札からカミレラ様が使え、使えと叫んでいるように感じた。
「そうですか」
「唐傘さん。今は使ってはいけませんよ」
「へ?」
「カミレラ様は今ひーこらひーこら書類仕事をされている最中ですので」
ニッコリと圧をかけてくるミルーカ様。ドンマイですカミレラ様。
「分かるんですね」
俺がちょっと冷や汗をタラリしながら言うと、ミルーカ様はええ、と頷く。
「通信がひっきりなしに届いていますので」
「そ、そうですか……」
俺はカミレラ様がひーひー言いながら書類仕事に追われている様子を頭に思い浮かべた。