境界線で夢を見た
[明朝体]死柄木(●●ちゃん、な)
俺の気味悪い見た目に引くこともなく
なんなら突っ込んでくる●●ちゃんとやらに興味が湧いた。
●●「あ!そういえばあなたの名前なあに?」
ずいっと近寄ってきて顔を覗き込まれる。
同時に、ふわりと鼻をかすめる甘い匂いで胸が高鳴った。
今の俺にわざわざここまで近づいてくれる人はいない。
俺を避けて通るやつばかりだ。
だからなのか、なんなのか。心が満たされる感覚に陥った。
この感情の理由が何なのか知り、深くため息を付く。
...正気か俺、相手はガキだぞ。なにマジになってやがる。
●●「.......どうしたの?お腹痛い?」
黙りこくったままの俺を心配したのか
●●ちゃんは俺の腹をやさしくさすった。
死柄木「別に腹いてェわけじゃない」
突っぱねて見せるけど誰かが俺を心配してくれるのが新鮮で、
それでいて嬉しくてまた脈が早くなった。
死柄木「俺は死柄木弔。好きに呼んでくれ」
すこし照れくさくなりながらも名前を教えると
●●「へぇー!死柄木ィ?かっこいいね!」
思いの外そのくすんだ目をキラキラとさせるので
先生の名字だけどな、と内心ふてくされた。
すると俺から少し距離を取った●●ちゃんが
●●「ン!」
なにやらうめきながら手を差し伸べてきた。
意図がわからずこてんと首を傾げる。
●●「手、お友達のしるし!つなごう?」
ぱあっとやわらかに笑う●●ちゃん。
手を繋ごう、なんて誰にも言われたことがない。
死柄木「手...繋いだらダメだ」
だってみんな触れれば壊れるから。俺を置いて消えるから。
●●「なに言ってるの?私は無敵だよ!ほら、手つなごう?あったかいよ!」
けど●●ちゃんは壊れる心配をしなくてもいい。
強く抱きしめてみても五指で触ってみても。
すとん、となにかが落ちる感覚がした。
それは根強く俺にしがみついて取り除くことができないモノ。
複雑にこんがらがって、きっと拗らせる。
でも、...そんな想いですら●●ちゃんは
明るく笑って受け止めてくれる気がした。
___俺はこの日、4歳年下の君に恋をした。
誕生日プレゼントは多分、●●ちゃんのとの出会いなんだと思う。
[/明朝体]
俺の気味悪い見た目に引くこともなく
なんなら突っ込んでくる●●ちゃんとやらに興味が湧いた。
●●「あ!そういえばあなたの名前なあに?」
ずいっと近寄ってきて顔を覗き込まれる。
同時に、ふわりと鼻をかすめる甘い匂いで胸が高鳴った。
今の俺にわざわざここまで近づいてくれる人はいない。
俺を避けて通るやつばかりだ。
だからなのか、なんなのか。心が満たされる感覚に陥った。
この感情の理由が何なのか知り、深くため息を付く。
...正気か俺、相手はガキだぞ。なにマジになってやがる。
●●「.......どうしたの?お腹痛い?」
黙りこくったままの俺を心配したのか
●●ちゃんは俺の腹をやさしくさすった。
死柄木「別に腹いてェわけじゃない」
突っぱねて見せるけど誰かが俺を心配してくれるのが新鮮で、
それでいて嬉しくてまた脈が早くなった。
死柄木「俺は死柄木弔。好きに呼んでくれ」
すこし照れくさくなりながらも名前を教えると
●●「へぇー!死柄木ィ?かっこいいね!」
思いの外そのくすんだ目をキラキラとさせるので
先生の名字だけどな、と内心ふてくされた。
すると俺から少し距離を取った●●ちゃんが
●●「ン!」
なにやらうめきながら手を差し伸べてきた。
意図がわからずこてんと首を傾げる。
●●「手、お友達のしるし!つなごう?」
ぱあっとやわらかに笑う●●ちゃん。
手を繋ごう、なんて誰にも言われたことがない。
死柄木「手...繋いだらダメだ」
だってみんな触れれば壊れるから。俺を置いて消えるから。
●●「なに言ってるの?私は無敵だよ!ほら、手つなごう?あったかいよ!」
けど●●ちゃんは壊れる心配をしなくてもいい。
強く抱きしめてみても五指で触ってみても。
すとん、となにかが落ちる感覚がした。
それは根強く俺にしがみついて取り除くことができないモノ。
複雑にこんがらがって、きっと拗らせる。
でも、...そんな想いですら●●ちゃんは
明るく笑って受け止めてくれる気がした。
___俺はこの日、4歳年下の君に恋をした。
誕生日プレゼントは多分、●●ちゃんのとの出会いなんだと思う。
[/明朝体]
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