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境界線で夢を見た

#9


[明朝体]体力テスト。

初日からそんなものがあるらしい。

しかも個性を使ってもいいタイプの体力テスト。

きつく睨んでくる爆豪さんには目を伏せたまま

何気ない体力テストにわくわくした。



でも、そんな浮ついた気持ちは

先生のひとことで吹き飛ばされることになる。




相澤「トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し」



相澤「除籍処分としよう」




さあっと血の気が引いていく。

手汗が止まない自分の手を体操服で拭いながら

どうしようかと頭をフル回転させた。



単純な身体能力じゃ底辺中の底辺。

個性が効かないだけの...言ってしまえば弱個性。

それで体力テスト最下位を回避しろと?



だらだらと冷や汗が溢れ出る私を置いて

無慈悲にもテストは始まった。




第1種目は50m走。

走るのは速いほうだと自負していた私だったが

個性を伴うとなると話が違ってくる。

武者震いとかいうやつだろうか。

スタートラインに立った途端足が震えだす。




相澤「よーい...」




パン、と空鉄砲の音が鳴り響くグラウンド。

足を踏み出し地面を蹴り上げると

誠に不本意ながら隣のレーンの子による風圧で

無事、まあまあ良い記録が出せた。

ちなみに隣の子は飯田くんというらしい。




相澤(あいつはなぜ個性を使わない...?)




それっぽい記録に安堵していた私は

先生から向けられた怪訝な目に気が付かなかった。




・・・




順位:19位



結局、除籍の話は嘘だったようだ。

ほっと息づいたのも束の間、

先生のきつい目つきと目が合った。




●●(あれなにかやらかしたの私?)



相澤「...おい」



相澤「なぜ個性を使わない」



相澤「さっきのテスト。個性使っていいって言わなかったか?」




先生がそういったとき。

クラスメイトみんなが怖いくらいに私を見つめた。

いやあの...私の個性は____




●●「私の個性、個性が効かないだけなんです」



相澤「...つまり?」



●●「えーと...簡単に言えば爆豪くんに爆破されても無傷です」



麗日「えぇ!?」



芦戸「すっごー!」




無言で見つめているだけだったみんなが

口々に驚いたような声を上げた。

それに照れくさくも嬉しくもなって

照れ隠しがてら頬を掻く。




相澤「疑うようなこと言って申し訳ないが試しに爆豪、爆破してみろ」



爆豪「は、」




そうくるだろうなとは思ったけれど

私の予想と反して爆豪くんは思いの外動揺していた。

体勢を取るどころかまったく近寄ろうとしてこない。

着々と過ぎていく時間と、心配そうに私を見る緑谷くん。

迷いが垣間見える爆豪くんの目に、私が映っていた。



[/明朝体]

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作者メッセージ

爆豪、どうする!仮にも君はヒーロー志望だぞ!

更新できる話はもうこれで最後かもしれない!次の更新がいつになるか分かりません!
この話は事前に書き溜めしておいたものです。

2024/10/15 21:09

むたです ID:≫ipQfoJGWoroSQ
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