境界線で夢を見た
[明朝体]体力テスト。
初日からそんなものがあるらしい。
しかも個性を使ってもいいタイプの体力テスト。
きつく睨んでくる爆豪さんには目を伏せたまま
何気ない体力テストにわくわくした。
でも、そんな浮ついた気持ちは
先生のひとことで吹き飛ばされることになる。
相澤「トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し」
相澤「除籍処分としよう」
さあっと血の気が引いていく。
手汗が止まない自分の手を体操服で拭いながら
どうしようかと頭をフル回転させた。
単純な身体能力じゃ底辺中の底辺。
個性が効かないだけの...言ってしまえば弱個性。
それで体力テスト最下位を回避しろと?
だらだらと冷や汗が溢れ出る私を置いて
無慈悲にもテストは始まった。
第1種目は50m走。
走るのは速いほうだと自負していた私だったが
個性を伴うとなると話が違ってくる。
武者震いとかいうやつだろうか。
スタートラインに立った途端足が震えだす。
相澤「よーい...」
パン、と空鉄砲の音が鳴り響くグラウンド。
足を踏み出し地面を蹴り上げると
誠に不本意ながら隣のレーンの子による風圧で
無事、まあまあ良い記録が出せた。
ちなみに隣の子は飯田くんというらしい。
相澤(あいつはなぜ個性を使わない...?)
それっぽい記録に安堵していた私は
先生から向けられた怪訝な目に気が付かなかった。
・・・
順位:19位
結局、除籍の話は嘘だったようだ。
ほっと息づいたのも束の間、
先生のきつい目つきと目が合った。
●●(あれなにかやらかしたの私?)
相澤「...おい」
相澤「なぜ個性を使わない」
相澤「さっきのテスト。個性使っていいって言わなかったか?」
先生がそういったとき。
クラスメイトみんなが怖いくらいに私を見つめた。
いやあの...私の個性は____
●●「私の個性、個性が効かないだけなんです」
相澤「...つまり?」
●●「えーと...簡単に言えば爆豪くんに爆破されても無傷です」
麗日「えぇ!?」
芦戸「すっごー!」
無言で見つめているだけだったみんなが
口々に驚いたような声を上げた。
それに照れくさくも嬉しくもなって
照れ隠しがてら頬を掻く。
相澤「疑うようなこと言って申し訳ないが試しに爆豪、爆破してみろ」
爆豪「は、」
そうくるだろうなとは思ったけれど
私の予想と反して爆豪くんは思いの外動揺していた。
体勢を取るどころかまったく近寄ろうとしてこない。
着々と過ぎていく時間と、心配そうに私を見る緑谷くん。
迷いが垣間見える爆豪くんの目に、私が映っていた。
[/明朝体]
初日からそんなものがあるらしい。
しかも個性を使ってもいいタイプの体力テスト。
きつく睨んでくる爆豪さんには目を伏せたまま
何気ない体力テストにわくわくした。
でも、そんな浮ついた気持ちは
先生のひとことで吹き飛ばされることになる。
相澤「トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し」
相澤「除籍処分としよう」
さあっと血の気が引いていく。
手汗が止まない自分の手を体操服で拭いながら
どうしようかと頭をフル回転させた。
単純な身体能力じゃ底辺中の底辺。
個性が効かないだけの...言ってしまえば弱個性。
それで体力テスト最下位を回避しろと?
だらだらと冷や汗が溢れ出る私を置いて
無慈悲にもテストは始まった。
第1種目は50m走。
走るのは速いほうだと自負していた私だったが
個性を伴うとなると話が違ってくる。
武者震いとかいうやつだろうか。
スタートラインに立った途端足が震えだす。
相澤「よーい...」
パン、と空鉄砲の音が鳴り響くグラウンド。
足を踏み出し地面を蹴り上げると
誠に不本意ながら隣のレーンの子による風圧で
無事、まあまあ良い記録が出せた。
ちなみに隣の子は飯田くんというらしい。
相澤(あいつはなぜ個性を使わない...?)
それっぽい記録に安堵していた私は
先生から向けられた怪訝な目に気が付かなかった。
・・・
順位:19位
結局、除籍の話は嘘だったようだ。
ほっと息づいたのも束の間、
先生のきつい目つきと目が合った。
●●(あれなにかやらかしたの私?)
相澤「...おい」
相澤「なぜ個性を使わない」
相澤「さっきのテスト。個性使っていいって言わなかったか?」
先生がそういったとき。
クラスメイトみんなが怖いくらいに私を見つめた。
いやあの...私の個性は____
●●「私の個性、個性が効かないだけなんです」
相澤「...つまり?」
●●「えーと...簡単に言えば爆豪くんに爆破されても無傷です」
麗日「えぇ!?」
芦戸「すっごー!」
無言で見つめているだけだったみんなが
口々に驚いたような声を上げた。
それに照れくさくも嬉しくもなって
照れ隠しがてら頬を掻く。
相澤「疑うようなこと言って申し訳ないが試しに爆豪、爆破してみろ」
爆豪「は、」
そうくるだろうなとは思ったけれど
私の予想と反して爆豪くんは思いの外動揺していた。
体勢を取るどころかまったく近寄ろうとしてこない。
着々と過ぎていく時間と、心配そうに私を見る緑谷くん。
迷いが垣間見える爆豪くんの目に、私が映っていた。
[/明朝体]
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