死にたがりの君は
#1
また___か
[太字]また___か[/太字]
私の前に一体の鬼がいる。こんなの刀を持って首を切ればすぐに終わる。
けど私はしない。私は死にたいから
「ゔぁあぁ!」
そう言って、乱暴に爪を向けてくる鬼
あぁ、弱い。
『すぐ、そっちに行くから』
目の前の鬼が私のことを殺そうとした瞬間、
「霞の呼吸」
あぁ...また君かっ....!
「肆ノ型 移流斬り(いりゅうぎり)」
そう言って目の前の少年は鬼の首をいとも簡単に落とした。
「君、本当にバカだよね、何死のうとしてるの」
『隊士が1人死んだところで何も変わりません。それどころか足手まといが1人減って嬉しいんじゃないですかね?』
目の前のやつは少し不機嫌になったような顔を見せて
「誰が足手まといって言ったの」
『誰も言ってないですよ、でもきっと皆さん心の中で思ってるでしょう』
どうせ、人間なんてそんなものだ
「はぁ...君が死のうとしてること自体が1番足手まといだよ」
『じゃあさっさと死なせたらいいじゃないですか。その後に鬼の首でもなんでも切ったらいいじゃないですか』
生きてることも迷惑、死のうとしても迷惑、じゃあどうしたらいいんだよ
「ていうか、君はなんでそんな死のうとしてるの?」
『この説明何回目ですか、もう嫌なんですけど。ていうか記憶障害なら私のことも忘れてくれませんか』
「忘れられないからいつもこうやって来てるんだけど、分かんない?」
つくづく嫌な言い方をするな、こいつは
『別に霞柱様が私のために出向く必要などないでしょう。それだったら十二鬼月を倒した方が効率がいい』
「効率とか関係ないでしょ、僕は君を助けたいから来てるんだけど」
はあ?こいつ効率とか気にするだろ。なのになんて言った?矛盾してるだろ
『じゃあ私は助けられたくないと言ったら?』
「そんなの承知の上だけど」
なんなのこいつ、嫌な言い方しかできないわけ?
「というかさ、君さっさと柱になったら?君レベルだったらなれると思うけど」
『条件を満たしていないので』
満たすつもりもない
「満たしてないんじゃなくて、満たすつもりがないの間違いでしょ」
『....柱という最高の立ち位置に立ってしまったら、死ねないでしょう。
私は十二鬼月にやられるつもりはない。雑魚鬼にやられるつもりです。
なのに、「柱が雑魚鬼にやられた」なんて噂が流れたら柱の評価が下がる。
それが嫌だから柱になるつもりはないんです』
どうせ明日には忘れてるんだから
「じゃあ死のうとしなかったらいいでしょ」
あぁ、ダメだこいつ、話通じねぇ
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