reunion
「えっと…赤いテープの木だから…こっちだね」
班長の前田くんが地図を見ながら、先頭を進んで行く。もう少しで、中間地点。
ここまでは順調に進んでいた。
「わー、紬、見てみて!この葉っぱの形、かわい〜!ハートみたいだ〜!写真撮っちゃおうかな〜」
「もう、彩芽ったら、さっきから写真ばっかり撮ってるじゃん」
「だってだって〜。せっかく来たんだし、思い出を形に残さないとー!あ、そうだ!紬も一緒に映る?」
「私はいいよ、恥ずかしいし。葉っぱを撮りたいんでしょ?」
「まぁ、そうだけどー…。じゃあ、後で2人で一緒に撮ろうね?」
「うん、分かった」
ゴツゴツした岩が重なったところを登って行くと、奥に、滝が見えた。
大きな音を立てながら、大量の水が流れ落ちている。
すると、遠慮気味に後ろから声をかけられた。
「ね、ねぇ、高橋さん。高橋さんって、桜木さんと仲良いよね。」
同じ班の池田君だった。彼は、いつも静かなイメージで、班で話し合うときも、あまり話さない人だったが、そんな彼がどうしたのだろうか。
「え、うん。親友だからね、結構仲は良いと思うよ。でも、それがどうかしたの?」
彩芽とは、小学校の頃からの親友だった。母を亡くしてから心から笑うことも、自分の本当の感情を表に出すことも無くなったけど、でも彩芽といるときだけは、少しだけ自分の素を出せる気がした。
「あ、えっと、あの、僕、桜木さんとあんまり話したことないんだけど、その、笑顔が可愛いなって思ってて…。えっと、だからその、せっかく同じ班になれたから、話したくて、その、高橋さん桜木さんと仲良いから、なんかいろいろ知ってるんじゃないかって…。」
と、池田君がおどおどしながらも早口にまくしたてた。
「えっとつまり、彩芽のことが気になってるから、彩芽と仲の良い私に協力して欲しい、ってこと?」
「う、うん。…協力、してくれない、かな?」
まさか、池田君が彩芽のことを好きだったとは驚いた。でも、池田君は人見知りみたいだけど、良い人だし、何より彩芽が可愛いっていうのはすごく分かるから、できる限り協力したい。
「うん、もちろん。私にできることがあったら、なんでも言って。」
私がそう微笑みながら言うと、池田君の顔に笑顔が広がった。
班長の前田くんが地図を見ながら、先頭を進んで行く。もう少しで、中間地点。
ここまでは順調に進んでいた。
「わー、紬、見てみて!この葉っぱの形、かわい〜!ハートみたいだ〜!写真撮っちゃおうかな〜」
「もう、彩芽ったら、さっきから写真ばっかり撮ってるじゃん」
「だってだって〜。せっかく来たんだし、思い出を形に残さないとー!あ、そうだ!紬も一緒に映る?」
「私はいいよ、恥ずかしいし。葉っぱを撮りたいんでしょ?」
「まぁ、そうだけどー…。じゃあ、後で2人で一緒に撮ろうね?」
「うん、分かった」
ゴツゴツした岩が重なったところを登って行くと、奥に、滝が見えた。
大きな音を立てながら、大量の水が流れ落ちている。
すると、遠慮気味に後ろから声をかけられた。
「ね、ねぇ、高橋さん。高橋さんって、桜木さんと仲良いよね。」
同じ班の池田君だった。彼は、いつも静かなイメージで、班で話し合うときも、あまり話さない人だったが、そんな彼がどうしたのだろうか。
「え、うん。親友だからね、結構仲は良いと思うよ。でも、それがどうかしたの?」
彩芽とは、小学校の頃からの親友だった。母を亡くしてから心から笑うことも、自分の本当の感情を表に出すことも無くなったけど、でも彩芽といるときだけは、少しだけ自分の素を出せる気がした。
「あ、えっと、あの、僕、桜木さんとあんまり話したことないんだけど、その、笑顔が可愛いなって思ってて…。えっと、だからその、せっかく同じ班になれたから、話したくて、その、高橋さん桜木さんと仲良いから、なんかいろいろ知ってるんじゃないかって…。」
と、池田君がおどおどしながらも早口にまくしたてた。
「えっとつまり、彩芽のことが気になってるから、彩芽と仲の良い私に協力して欲しい、ってこと?」
「う、うん。…協力、してくれない、かな?」
まさか、池田君が彩芽のことを好きだったとは驚いた。でも、池田君は人見知りみたいだけど、良い人だし、何より彩芽が可愛いっていうのはすごく分かるから、できる限り協力したい。
「うん、もちろん。私にできることがあったら、なんでも言って。」
私がそう微笑みながら言うと、池田君の顔に笑顔が広がった。