ワンダフル・タイムズ!
桜の絨毯が薄く広がる、暖かい春。春休みが終わり、学校が始まった。私は、新学期が始まったわくわくとクラスがどうなるかという気分で足取りが軽い。
「えっと…私の名前は…あった! 二年二組かあ…!」
自分の名前を急いで見つけた後、大親友達の名前を探す。丁度、大親友のうちの一人、ほまれとは同じクラスだ。仲がいいほまれと一緒で私は胸を撫で下ろす。だが、ちろるんことちろると一緒になれなかったのは少し残念だった。
「やったね! 私たち同じクラスだよ!」
近くにいたほまれに伝えにゆくと、いつも少しだけ小さな声を大きくして、明るく笑う。
「うん…!」
「私だけ別のクラスだなんてなんだか残念だなー。」
物陰からひょこりと出てきたのは、ちろるんだった。ちろるんはによによと微笑みながら私たちを見る。落ち込んではいないようだが、慰めようと「あー…また来年だよ!」と私は言った。
「そだねー。」
軽く私たちは挨拶を終わらせ、始業式に取り掛かった。
・・・
「(疲れた…。)」
そう思って歩いていると、背中から声がする。その声の方へと背中を向けた。
「ハンカチ…落としたけど…大丈夫かい?」
長い真っ黒な髪が私の目に映る。今、話しかけてくれたのは二年四組の[漢字]梶谷 知利[/漢字][ふりがな]かじたに ちり[/ふりがな]さん。糸目で知的な印象を受ける彼は私のハンカチをひょいと拾って、手渡した。
「ありがとうございます。」
私がそういう間もなく、梶谷さんは踵を返して去ってゆく。
「チッ、面倒だなァ…。」
微かな梶谷さんの声が私の耳に飛び込んできた。その先ほどの爽やかな印象には到底合わないであろう、乱雑で不機嫌そうな声色で、私はその場に立ち尽くしてしまった。
「えっと…私の名前は…あった! 二年二組かあ…!」
自分の名前を急いで見つけた後、大親友達の名前を探す。丁度、大親友のうちの一人、ほまれとは同じクラスだ。仲がいいほまれと一緒で私は胸を撫で下ろす。だが、ちろるんことちろると一緒になれなかったのは少し残念だった。
「やったね! 私たち同じクラスだよ!」
近くにいたほまれに伝えにゆくと、いつも少しだけ小さな声を大きくして、明るく笑う。
「うん…!」
「私だけ別のクラスだなんてなんだか残念だなー。」
物陰からひょこりと出てきたのは、ちろるんだった。ちろるんはによによと微笑みながら私たちを見る。落ち込んではいないようだが、慰めようと「あー…また来年だよ!」と私は言った。
「そだねー。」
軽く私たちは挨拶を終わらせ、始業式に取り掛かった。
・・・
「(疲れた…。)」
そう思って歩いていると、背中から声がする。その声の方へと背中を向けた。
「ハンカチ…落としたけど…大丈夫かい?」
長い真っ黒な髪が私の目に映る。今、話しかけてくれたのは二年四組の[漢字]梶谷 知利[/漢字][ふりがな]かじたに ちり[/ふりがな]さん。糸目で知的な印象を受ける彼は私のハンカチをひょいと拾って、手渡した。
「ありがとうございます。」
私がそういう間もなく、梶谷さんは踵を返して去ってゆく。
「チッ、面倒だなァ…。」
微かな梶谷さんの声が私の耳に飛び込んできた。その先ほどの爽やかな印象には到底合わないであろう、乱雑で不機嫌そうな声色で、私はその場に立ち尽くしてしまった。
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