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透明バリアを破ってくれた貴方は【短編】

#1




shp dis



あんたのその笑顔が大嫌いだった








『あははっ、そんなことないよ?』
『ふふっ、面白いこと言うね』
『ふはっ.....面白っ』







全部苦しそうで、作り笑顔。
見たくない、そんな笑顔。貼り付けたような、そんな笑顔






そうしたら前方から考えている人が来た








『あれ、ショッピくんだ。おはよっ』


「....寝癖ついてます」


『えっ嘘!?きゃー、恥ずかしっ......ごめんねっ?」







ほらまた、俺はあんたの本当の表情を見たことがない。少し笑って誤魔化したのは他から見れば、照れ隠しのように思える。けど、腹の中で何を考えているのか、何を思ってそんな表情をするのかが、俺には分かんないです。










なんでなん、こっちには土足で入ってきて、勝手に助けたくせに。なんで俺はあんたの中には入れへんの








『....ショッピくんどうかした?』



「....あんたが嫌いです」




『....!そっか.....仲良くできてると思ってたんだけどなぁ〜、ごめんね。近づかないようにするよ』









俺が離れろと言ったら簡単に離れる。例え俺が自○をする、と言っても「ショッピくんが決めた道だもんね」と言って引き止めてはくれない。
なんなん、ほんまに









「.....[斜体]ちゃんと話せや![/斜体]」









久しぶりにこんな[斜体]大きな声で[/斜体]喋った気がする。でもこんな大きい声でも到底先輩には届かない。






先輩は少し[斜体]目を開いて[/斜体]









『えっ.....。......[斜体]あはは[/斜体]〜、話すことなんてないよ?ショッピくんには秘密事はなしだからねぇ』








そのヘラヘラしてる笑顔。人当たりがいいんちゃうやろ、バレんように誤魔化しとるだけやろ
クソが......







[斜体]自分嫌いの貴方のことを愛する俺も[/斜体]








《私を好きな人かぁ....》









《.....どんな人なんだろうね》



[斜体]嫌いなんすか?[/斜体]



-------------------------------------------------------




[斜体]いつだってそうだ心臓の奥で 誰彼彼も[/斜体]







『わぁ、すごいね!』
『ありがとう、嬉しいなっ!』
『あはは、面白いなぁ〜』



「下手すぎ」
「こんなのいらない」
「つまんな」








[斜体]見下しては[/斜体]









「○○ちゃんすごすぎ!」
「●●さん頭いいー!」
「やばぁ、可愛い〜!」



「こんくらいできて当然」
「字汚っ....w」
「似合わなすぎ」




 


『あはは、ありがとう....』









[斜体]見下される恐ろしさに[/斜体]








みんなが褒めてくれても本当の気持ちは、と考えてしまう。
本当は私が知らないだけで、見下してるんではなく、見下されるているんじゃないかって






だから、人と関わるのが怖い。褒めても、ただの出まかせ。笑顔も作り笑顔、まるでツボに入ったかのような笑いをする。愛想笑いに見させない愛想笑い。
一線は超えない、仲良くしすぎも、しなさすぎもない。みんな平等に、面倒くさいから






だから、もしかしたらその思いは本当はバレているのかもしれない。本当は見下されている側なんじゃないか。






[斜体]苛まれて[/斜体]









そうしたら前にいるショッピくんが








「なぁ、あんたが考えてる事は分かりませんけど、俺は......









先輩のこと信じてるんです」










やから少しくらい話してください、と続ける彼。










ショッピくんは人の思考を読んでるのかなぁ......?私が、不安な時にいつもなにか言葉をかけてくるね.....?段々何かが割れていく気はしてたよ
信用しちゃいけないって分かるのに.......これ以上の関係はないはずなのに..,...






.なんで、なんで.....?人に、踏み込ませないはずなのに、大丈夫だって演技をするのにっ......壁を作るのにっ.....!







なんで君は、それを全て壊してくるのっ.....?









生暖かいものが頬をつたる









私が嘘をついてるって分かるならっ......信用が無くなるんじゃないのっ?
ショッピくんは、私になんでそこまでしてくれるの?







○○さん.....そう私の名前を名前を呼ぶ。





なんでそんな優しく名前を呼ぶの、なんでそんな表情をするの?踏み込まれたくないはずなのにっ......信用したくないのにっ....!








「なぁ、お願いやから、1人で抱え込まんといてください.....」







『.....っショッピくんのことを信じてる!』






とびきりの笑顔で言ってやった。






ショッピくんを信じたいって思っちゃったんだもん
ショッピくんなら大丈夫って思っちゃったんだもん







絶対裏切らないでよねっ!






[斜体]動けずに[/斜体]



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作者メッセージ

今回使わせてもらったのは米津玄師さんの「WOODEN DOLL」です!
新人組でも使おうか迷ったぁ!!いい曲です!

2024/09/06 13:23

nako《サブ垢》 ID:≫9820tLSVMWUTw
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