プロ殺し屋の私でも殺せません!!
(き、来てしまった…黒薮くんの家…)
一応、彼氏とはいったって、利害の一致の契約交際だし…
「適当に座ってて」
ぱたんー…
黒薮くんが部屋から出て行く。
教科書や参考書がいっぱい棚に並んでいる。
(流石、学年二位キープ…)
「お待たせ」
そういって、黒薮くんが飲み物を持ってきてくれた。
「…ありがとう」
「それで、本題だけど、どうしたの?」
「…あのね、ボスからの連絡が入ったときに、黒薮くんのことを聞かれたの」
「…」
黒薮くんは、何も言わない。
「私は、手こずっているとかって答えたら、ボスが、黒薮くんが私の組織のメンバーを100人倒した、と言って……それは、本当か確かめようと…」
(…なにも、言ってくれない!!やっぱり尾行とか殺し屋だとしても気持ち悪いわよね!?ストーカー行為だもの…!!!)
「そうか…でも、ごめん。今は話せない」
申し訳なさそうな顔をする。嘘をついてるようには見えない。
「どうして…?」
「全部、片付いたら話す…ごめん」
それで、うつむいてしまった。
(本当に、だめなやつだったかしら…?強制依頼とか、私の組織だからとかで気にしてる…?)
「私こそ、ごめんなさい…尾行とかしてしまって…」
「いや、それは気にしてないよ。殺し屋あるあるだしね」
(…そうなのかしら…?)
「お邪魔して、ごめんなさい。帰るわね」
「送るよ。危ないし」
「…ありがとう」
外に出る。
すっかり暗くなってしまっている。
「そういえば、今度ランとの共同任務があるんだ」
「ソロなのに、受けるんですか?」
「そりゃね。ただでさえ、そっちの組織に狙われてるのに、これ以上敵作ったら死んじゃうよ」
「たしかにそうね…相手は強いの?」
「うん。わりと」
(大丈夫かしら…)
「…あからさまに心配そうな顔するね」
「そりゃ心配よ。仮にも恋人じゃない」
「…そっか、でも大丈夫。すぐ終わる。…でも、」
「…?」
「もし、本当に危なかったら助けに来て」
そういって、黒薮くんに抱きしめられる。
(道端で、なんてことを…!!)
私の家は、もうすぐそこ。
「…黒薮くん…」
何秒たっても、離してくれない。
「名前。2人でも、呼んで」
今は、クラスメイトの前でだけ「墨くん」と呼んでいる。
「…墨、くん…」
いたたまれなくなって、無理やり離れて、家に入る。
いつまでたっても、心臓がバクバクしていた。
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一応、彼氏とはいったって、利害の一致の契約交際だし…
「適当に座ってて」
ぱたんー…
黒薮くんが部屋から出て行く。
教科書や参考書がいっぱい棚に並んでいる。
(流石、学年二位キープ…)
「お待たせ」
そういって、黒薮くんが飲み物を持ってきてくれた。
「…ありがとう」
「それで、本題だけど、どうしたの?」
「…あのね、ボスからの連絡が入ったときに、黒薮くんのことを聞かれたの」
「…」
黒薮くんは、何も言わない。
「私は、手こずっているとかって答えたら、ボスが、黒薮くんが私の組織のメンバーを100人倒した、と言って……それは、本当か確かめようと…」
(…なにも、言ってくれない!!やっぱり尾行とか殺し屋だとしても気持ち悪いわよね!?ストーカー行為だもの…!!!)
「そうか…でも、ごめん。今は話せない」
申し訳なさそうな顔をする。嘘をついてるようには見えない。
「どうして…?」
「全部、片付いたら話す…ごめん」
それで、うつむいてしまった。
(本当に、だめなやつだったかしら…?強制依頼とか、私の組織だからとかで気にしてる…?)
「私こそ、ごめんなさい…尾行とかしてしまって…」
「いや、それは気にしてないよ。殺し屋あるあるだしね」
(…そうなのかしら…?)
「お邪魔して、ごめんなさい。帰るわね」
「送るよ。危ないし」
「…ありがとう」
外に出る。
すっかり暗くなってしまっている。
「そういえば、今度ランとの共同任務があるんだ」
「ソロなのに、受けるんですか?」
「そりゃね。ただでさえ、そっちの組織に狙われてるのに、これ以上敵作ったら死んじゃうよ」
「たしかにそうね…相手は強いの?」
「うん。わりと」
(大丈夫かしら…)
「…あからさまに心配そうな顔するね」
「そりゃ心配よ。仮にも恋人じゃない」
「…そっか、でも大丈夫。すぐ終わる。…でも、」
「…?」
「もし、本当に危なかったら助けに来て」
そういって、黒薮くんに抱きしめられる。
(道端で、なんてことを…!!)
私の家は、もうすぐそこ。
「…黒薮くん…」
何秒たっても、離してくれない。
「名前。2人でも、呼んで」
今は、クラスメイトの前でだけ「墨くん」と呼んでいる。
「…墨、くん…」
いたたまれなくなって、無理やり離れて、家に入る。
いつまでたっても、心臓がバクバクしていた。
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