その後たわいのない会話が続いて、車が目的地へと着き停車する。
車を降りると、目の前には巨大な建物が建てられてあった。

（ここが、本部……）

その謎の威圧感に圧倒されるもの、３人に誘導されて建物の中に入る。
その時、まるで巨大な生き物の口の中へと入っていくと、何となく感じた。

中には多くのミラージュ隊員がおり、その半数の視線は彗月達の方を向いている。
おそらく、視線を向けられているのは秋雅が原因だろう。
彗月は、肩身が狭く感じてしまい、視線を足元に落とす。

秋雅は葉月達を建物の奥に続く部屋へ、案内する。

「一旦検査を受けに行く」
『検査…ですか』

彗月は、検査と聞くと少し動揺した顔をして、すぐさま顔色を悪くする。

「まぁ検査って言ってもそこまで、ガチめなヤツじゃないしね」
『そ、そうなんですね』

そう言いながら部屋が並んで続く廊下を歩く。
すると、「能力検査室」と書かれたプレートを持つドアが視界に映る。
秋雅を先頭に、そのドアノブを捻り部屋に入ろうとした瞬間、

「あれ？秋雅じゃん！」

女性の声が響く。
反射的に、秋雅はドアノブを捻る手を止め、4人は声の主の方へ向く。
そこには、淡い茶髪の若々しい女性が立っていた。

「まあ、俺よりコイツの方が用事があるぞ」

そう言いながら目配せで、彗月の方を指す。
女性は彗月を見ると、パァッと顔を明るくさせて笑顔で話しかける。

「もしかしてトップ推薦の子？アタシ、[漢字]三雲遥[/漢字][ふりがな]みくもはるか[/ふりがな]！よろしくね〜」
『は、はい、よろしくお願いします』

明るく自己紹介をする遥に、彗月は慣れないコミュニケーションを取る。
秋雅がその2人の間に割って入る。

「三雲、検査室に用があるから要の相手は後でにしてくれ」
「アタシもここに用があって来たから同行しまーす……＂彗月＂ちゃんよろしくね」
『？どうして私のなま』
「じゃあ、入るぞ」

名前知っている疑問を遥にぶつける前に、秋雅の言葉で遮られる。
捻りかけてたドアノブを捻り、一気に押して部屋の中に入る。

そこには＿＿＿＿＿＿