最も醜い化け物の英雄奮闘記
「よし、この車に乗るぞ」
そう言って3人は、黒い車に乗り込む。
秋雅は助手席、リィズと彗月は後部座席に座る。
運転席には既に、サングラスをかけた男が座っていた。
サングラスの男は、バックミラーで彗月の姿をチラッと見る。
すると、体をぐるりと後ろに向かせサングラスを上にずらし、ターコイズブルーの瞳を覗かせる。
「君が彗月ちゃん?」
『えっ、あ、そう…です』
サングラスの男に「ちゃん」づけでそう問いかける。
急なことでびっくりして言葉が籠るが、なんとか返答をすることができた。
「あっはは、かわいいね〜。連絡先交換しない?」
「れ、連絡先ですか?」
何を言い始めたかと思うと、連絡先の交換だ。
どうすれば良いか、分からずあたふたしていると秋雅が助け舟を出す。
「おい!出会って5秒で口説こうとするな!」
秋雅にナンパを阻止されてしょげたのか、体を前に戻し車を動かし始める。
「コイツは俺の同期の[漢字]暁月叶空[/漢字][ふりがな]あかつきとあ[/ふりがな]。こんなチャラいヤツだが仲良くしてやってくれ」
「ねぇ、こんなって何!?こんなって!このイケメンB級隊員にそんな扱い方をするの!?」
「俺は準A級だがな」
「むかつく奴め!」
前の席で繰り広げられる本日何度目かの言い争いにデジャヴを感じるも、彗月の頭には一つの疑問が生まれる。
『B級?準A級?』
心の声を小さくぼそっと呟く。
その声を、隣に座ってスマホをいじっていたリィズは聞き逃さなかった。
「B級ってのは、ミラージュの隊員の実力をランク化した等級のことだよ。等級は上から順に、
S・A・準A・B・準B・C・準C・D級の8つに分かれているんだ」
「ましろんが若き天才って呼ばれているのは、ましろんの歳で準A級に上り詰める事例が今まで無かったからなんだよ!」
リィズが簡潔に、ミラージュの等級と秋雅の実力を説明する。
『な、なるほどです、一つ学ぶことができました。ありがとうございます』
そう言われたリィズは、「えへへ」とほんのり赤くした頬を人差し指でかきながら照れる。
「先輩が後輩に優しくするのは、当たり前だし。もしまた、分からないことがあったらドーンとリィズ先輩を頼りなさい!」
自信溢れる顔で先輩風をビュービュー吹かせるリィズを見た、彗月は一瞬キョトンとした顔になる。
だが、その後目を細め口に手を当てて小さく笑う。
『ふふ、頼りにしてますよ。先輩さん』
彗月とリィズの間にほんわかとした雰囲気を流れる。
その様子をバックミラーで見ていた、秋雅と叶空は、
((すっげぇリィズが子供に見える))
と、思考が一致していたのだった。
そう言って3人は、黒い車に乗り込む。
秋雅は助手席、リィズと彗月は後部座席に座る。
運転席には既に、サングラスをかけた男が座っていた。
サングラスの男は、バックミラーで彗月の姿をチラッと見る。
すると、体をぐるりと後ろに向かせサングラスを上にずらし、ターコイズブルーの瞳を覗かせる。
「君が彗月ちゃん?」
『えっ、あ、そう…です』
サングラスの男に「ちゃん」づけでそう問いかける。
急なことでびっくりして言葉が籠るが、なんとか返答をすることができた。
「あっはは、かわいいね〜。連絡先交換しない?」
「れ、連絡先ですか?」
何を言い始めたかと思うと、連絡先の交換だ。
どうすれば良いか、分からずあたふたしていると秋雅が助け舟を出す。
「おい!出会って5秒で口説こうとするな!」
秋雅にナンパを阻止されてしょげたのか、体を前に戻し車を動かし始める。
「コイツは俺の同期の[漢字]暁月叶空[/漢字][ふりがな]あかつきとあ[/ふりがな]。こんなチャラいヤツだが仲良くしてやってくれ」
「ねぇ、こんなって何!?こんなって!このイケメンB級隊員にそんな扱い方をするの!?」
「俺は準A級だがな」
「むかつく奴め!」
前の席で繰り広げられる本日何度目かの言い争いにデジャヴを感じるも、彗月の頭には一つの疑問が生まれる。
『B級?準A級?』
心の声を小さくぼそっと呟く。
その声を、隣に座ってスマホをいじっていたリィズは聞き逃さなかった。
「B級ってのは、ミラージュの隊員の実力をランク化した等級のことだよ。等級は上から順に、
S・A・準A・B・準B・C・準C・D級の8つに分かれているんだ」
「ましろんが若き天才って呼ばれているのは、ましろんの歳で準A級に上り詰める事例が今まで無かったからなんだよ!」
リィズが簡潔に、ミラージュの等級と秋雅の実力を説明する。
『な、なるほどです、一つ学ぶことができました。ありがとうございます』
そう言われたリィズは、「えへへ」とほんのり赤くした頬を人差し指でかきながら照れる。
「先輩が後輩に優しくするのは、当たり前だし。もしまた、分からないことがあったらドーンとリィズ先輩を頼りなさい!」
自信溢れる顔で先輩風をビュービュー吹かせるリィズを見た、彗月は一瞬キョトンとした顔になる。
だが、その後目を細め口に手を当てて小さく笑う。
『ふふ、頼りにしてますよ。先輩さん』
彗月とリィズの間にほんわかとした雰囲気を流れる。
その様子をバックミラーで見ていた、秋雅と叶空は、
((すっげぇリィズが子供に見える))
と、思考が一致していたのだった。
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