最も醜い化け物の英雄奮闘記
『わ、私は貴方達の期待に応えられるような潜在能力を持っているとは思えません……』
コーヒーカップを持つ手が小刻みに震え、カチャカチャと音を鳴らす。
『……ですが入隊が既に決まっているのなら、もう否定などはしません……不束者ですがよろしくお願いします』
彗月が下した決断はYES。
つまり、2人が求めていた答えと一致していた。
彗月は俯いていた頭を上げると、目をキラキラと輝かせているリィズと、何処か安堵の息を漏らす秋雅が視界に映る。
「じゃあ、改めてよろしくね!遂におれにも後輩が出来ちゃったか〜」
そう言うとリィズは、彗月の手を半ば強引に取り、握手する。
握手する手は上下にぶんぶんと振られている。
コミュニケーションをとっていなかった、彗月はリィズとの握手に本日何度目かの困惑に陥る。
「こら、要が困っているやろ!」
「いでっ!」
彗月の反応に気づいた秋雅は、リィズにゲンコツをお見舞いする。
あまりの痛さに頭を抱えるリィズ。
「このゴリラめッ!」
「誰がゴリラやねん!……ごめんな。コイツこんな感じでグイグイいってしまうんだよ」
『い、いえいえ、大丈夫ですよ』
リィズが主犯だが秋雅が謝る謎の構図に、彗月はついあたふたと慌ててしまう。
「だからって殴ることないじゃん!」
「お前いい加減反省しろ!」
『まぁまぁ……』
喧嘩に発展してしまった2人の言い合いを、苦笑を溢しながらも、リィズに握られた右手を左手で包み込むようにそっと握る。
そこにはまだ微かに温もりが残っていた。
(人の体温って……こんなにも温かいんだね)
新しい発見ににっこりと微笑むのだった。
コーヒーカップを持つ手が小刻みに震え、カチャカチャと音を鳴らす。
『……ですが入隊が既に決まっているのなら、もう否定などはしません……不束者ですがよろしくお願いします』
彗月が下した決断はYES。
つまり、2人が求めていた答えと一致していた。
彗月は俯いていた頭を上げると、目をキラキラと輝かせているリィズと、何処か安堵の息を漏らす秋雅が視界に映る。
「じゃあ、改めてよろしくね!遂におれにも後輩が出来ちゃったか〜」
そう言うとリィズは、彗月の手を半ば強引に取り、握手する。
握手する手は上下にぶんぶんと振られている。
コミュニケーションをとっていなかった、彗月はリィズとの握手に本日何度目かの困惑に陥る。
「こら、要が困っているやろ!」
「いでっ!」
彗月の反応に気づいた秋雅は、リィズにゲンコツをお見舞いする。
あまりの痛さに頭を抱えるリィズ。
「このゴリラめッ!」
「誰がゴリラやねん!……ごめんな。コイツこんな感じでグイグイいってしまうんだよ」
『い、いえいえ、大丈夫ですよ』
リィズが主犯だが秋雅が謝る謎の構図に、彗月はついあたふたと慌ててしまう。
「だからって殴ることないじゃん!」
「お前いい加減反省しろ!」
『まぁまぁ……』
喧嘩に発展してしまった2人の言い合いを、苦笑を溢しながらも、リィズに握られた右手を左手で包み込むようにそっと握る。
そこにはまだ微かに温もりが残っていた。
(人の体温って……こんなにも温かいんだね)
新しい発見ににっこりと微笑むのだった。
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