彗月は絶賛困惑中だった。
困惑の原因は、数日前見た記事に記載されていた青年が突然訪れ、突然おかしなことを言い始めていたからだ。

『あ、えっとど、どちら様ですか？』
「ん、あぁ、俺は真白秋雅、ミラージュの隊員だ。そんでお前をミラージュに入れる為に来た。」
『は、はぁ』

青年否、秋雅はミラージュと縁がなかった彗月を入れると言い張るが、彗月はイマイチ現状を理解できていなかった。

「立ち話もなんだし、近くの喫茶店で話をしよう、今外出れるか？」
『え、あ、はい、出れます、少し待っててください』

喫茶店へと促された彗月は、外に出る準備をする。
と言っても、外にあまり出ていなかった彗月はおしゃれな服を持っているはずもなく、パーカーにズボンと全体的にダボっとした服に着替える。

（外なんていつぶりだろう？）

そう感じながら、久しぶりの外出をすることになった。

薄暗い部屋にいた彗月は、日光の光を浴びることも久しぶりで眩しさで目を細める。

すると、ふと服屋のガラス窓に自分の姿が写し出されたのが目に入った。
そこにはクッキリとしたクマが目の下にあった地味な自分だった。

（目の下のクマ、濃ゆっ！）

薄暗い部屋にいたことでクマはあまり気にしなかったが、いざ見ると中々に酷いものだった。

そして秋雅の案内のもと、喫茶店に到着する。
喫茶店は、レトロで一昔前を振り返るようなおしゃれな店だった。