最も醜い化け物の英雄奮闘記
『お、大きなナニカ……ですか』
ミラに言われた一部を復唱すると、足元に視線を落とす。
そんな彗月と対極的に、秋雅を除く3人は、またはしゃいでいた。
「もしかして、すごい後輩の先輩になっちゃった!?」
「かわいいのに強いなんて反則だよ、彗月ちゃん」
「ミラさん!その大きなナニカってなんですか!?」
一気に喋る3人に、ミラは少し困惑の色を見せるが、物腰柔らかい口調を変わらせず話しかける。
「そこまで分からなかったわ。そのナニカは黒色で塗り潰されたように、サーチできなかったのよ」
秋雅ははしゃぐ3人にゲンコツをお見舞いし、黙らせる。
3人は口々に「ゴリラかよ」と秋雅の力を茶化すように言う。
「じゃあ、要さんの検査結果はこっちで提出しておくから、みんなは本部内でも案内してきたら?」
ミラの提案に秋雅のゲンコツによって、しょげていた3人は息を吹き返したように、明るくなる。
「先輩が案内してあげる!」
「アタシもいくー!」
「オレがかわいい子を案内してやるよ」
そう言ってリィズは彗月の手を掴み、そのまま検査室の外に出る。
『え?えぇ』
何が何だか分からずに外に連れ出された彗月は困惑気味。
助けを求めるように、秋雅の方を向くと
「俺は用があるから、先に案内しておいてくれ」
「りょーかい、ましろんの分まで案内してくる!」
彗月の助けを求める視線をスルーして、4人を見送る。
そして嵐のように消えていった4人を優しい笑顔で見送ったミラは、秋雅と2人になる。
「で、真白さん私に用って何かしら?」
「アイツの能力のこと、まだ何かあるんだろう?」
カルテを手に取り、舐めるように見た秋雅は、ミラにそう問いかける。
ミラは、一瞬キョトンとした顔になるが、すぐさま何か諦めたかのように小さく息を吐く。
「真白さん、貴方は騙せませんね」
「そりゃこれだけではないよな。アイツの能力。」
「えぇ、詳しくはよく分からなかったけどね。あの子何者なのかしら…」
少しの沈黙が流れる。
先に沈黙を破ったのは、ミラだった。
「あの子何か、隠してる気がするのよね」
「……俺は知ったこっちゃない」
ミラの疑問に素っ気なく返す秋雅。
騒がしい3人とその3人に連れ出された彗月がいなくなったことで、先程とは比べられないほどの静かさがその間に流れる。
「あらあら、冷たいことね。もう少し関心持ったらどう?」
ミラの提案を無言で流し、壁にもたれかかった体を起こしてから、ドアノブに手をかける。
「アイツはただの隊員だ。アイツの能力がどうとか、何を隠しているのかとかは、正直興味なんてない」
そう吐き捨てると、ドアノブを捻りそのまま外に出る。
秋雅が検査室を後に出ると、ミラは一人取り残される。
「真白さんはあの子に無関心なんだから……まぁあの人らしいけどね」
そう言って飲みかけのコーヒーを飲み干す。
マグカップを置いて、カルテの結果を見る。
「不思議な子……きっと大物になるわね」
ミラに言われた一部を復唱すると、足元に視線を落とす。
そんな彗月と対極的に、秋雅を除く3人は、またはしゃいでいた。
「もしかして、すごい後輩の先輩になっちゃった!?」
「かわいいのに強いなんて反則だよ、彗月ちゃん」
「ミラさん!その大きなナニカってなんですか!?」
一気に喋る3人に、ミラは少し困惑の色を見せるが、物腰柔らかい口調を変わらせず話しかける。
「そこまで分からなかったわ。そのナニカは黒色で塗り潰されたように、サーチできなかったのよ」
秋雅ははしゃぐ3人にゲンコツをお見舞いし、黙らせる。
3人は口々に「ゴリラかよ」と秋雅の力を茶化すように言う。
「じゃあ、要さんの検査結果はこっちで提出しておくから、みんなは本部内でも案内してきたら?」
ミラの提案に秋雅のゲンコツによって、しょげていた3人は息を吹き返したように、明るくなる。
「先輩が案内してあげる!」
「アタシもいくー!」
「オレがかわいい子を案内してやるよ」
そう言ってリィズは彗月の手を掴み、そのまま検査室の外に出る。
『え?えぇ』
何が何だか分からずに外に連れ出された彗月は困惑気味。
助けを求めるように、秋雅の方を向くと
「俺は用があるから、先に案内しておいてくれ」
「りょーかい、ましろんの分まで案内してくる!」
彗月の助けを求める視線をスルーして、4人を見送る。
そして嵐のように消えていった4人を優しい笑顔で見送ったミラは、秋雅と2人になる。
「で、真白さん私に用って何かしら?」
「アイツの能力のこと、まだ何かあるんだろう?」
カルテを手に取り、舐めるように見た秋雅は、ミラにそう問いかける。
ミラは、一瞬キョトンとした顔になるが、すぐさま何か諦めたかのように小さく息を吐く。
「真白さん、貴方は騙せませんね」
「そりゃこれだけではないよな。アイツの能力。」
「えぇ、詳しくはよく分からなかったけどね。あの子何者なのかしら…」
少しの沈黙が流れる。
先に沈黙を破ったのは、ミラだった。
「あの子何か、隠してる気がするのよね」
「……俺は知ったこっちゃない」
ミラの疑問に素っ気なく返す秋雅。
騒がしい3人とその3人に連れ出された彗月がいなくなったことで、先程とは比べられないほどの静かさがその間に流れる。
「あらあら、冷たいことね。もう少し関心持ったらどう?」
ミラの提案を無言で流し、壁にもたれかかった体を起こしてから、ドアノブに手をかける。
「アイツはただの隊員だ。アイツの能力がどうとか、何を隠しているのかとかは、正直興味なんてない」
そう吐き捨てると、ドアノブを捻りそのまま外に出る。
秋雅が検査室を後に出ると、ミラは一人取り残される。
「真白さんはあの子に無関心なんだから……まぁあの人らしいけどね」
そう言って飲みかけのコーヒーを飲み干す。
マグカップを置いて、カルテの結果を見る。
「不思議な子……きっと大物になるわね」
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