記憶と声
俺は寺に行き、お坊さんにお祓いをしてもらったあと、お守りを渡され帰宅した。その後しばらくは平穏であったが、ある日に思いもよらぬ出来事があり、何とかお守りの効果で抜け出すことが出来たが、代わりにお坊さんが犠牲となってしまった。
俺は混乱し、親友に全てを話した。親友は「ワロタ、お疲れさん。俺は葬式の予約だけ取っといてやるよ」と言った。シャレにならないと反論しようとした時に、「そんな事よりも、俺なりに市役所とか図書館やらに行って調べたんだよ。んで、有益な情報が市役所から届きましてね」と言った。こんな時にも冗談を言ってくる所を除けば、改めて親友で良かったと思う。そして親友が得た情報によると、「両親がその村に住んでいた」という人が隣町に住んでいるというものだ。親友の有能さに感激しながら俺はその住所へ向かった。
書いてある住所に着き、「ごめん下さい」と言うと「はいはい、ちょっと待ってねぇ」と、老婆の声がした。老婆はドアを開け、「奥へどうぞ」といい、俺を家の中へ招き入れた。そのまま奥へ進み、上座に座った後、老婆は下座に座った。仕事柄、こういうものにはどんな時でも意識してしまうんだなと思っていると、老婆が「早速、村について話そうか」と言ってきた。
どうやらやはり村はあったそうだその村では老婆、老婆の両親、そして、老婆の娘が暮らしていたそうだ。自然が豊かで、ド田舎の割には子供が遊べる場所もあり、ご近所との関係も良く、今思えば、人生で一番心地が良い時間だったと言う。俺はその話を聞き、「確かに、私の記憶でもそんな感じだったと思います」と返した。子供はド田舎は遊べるものが限られててあまり楽しくないと聞いていたが、あの村は公園やらなんやらが充実していたからだ。
老婆はその後はスイッチが入ってしまったのか、昔の話をずっと話していた。その中に気になる話があった。それは「あの時はねぇ春夏秋冬、4ヶ月に1回その時に取れた一番貴重なものを神様に捧げて、平穏を祈ってたのよぉ、あ!そういえば私が産まれる10数年前まで、人間を捧げてたんだって!怖いわよねぇ、子供の頃なんてなーんも覚えちゃないが、この話だけは妙に覚えておるのよねぇ。生贄に選ばれた人が神の元へ1人で行き、捧げられて。でもね、その人間を生贄にする習慣が終わるきっかけがあったんだって、それがね、生贄に選ばれた人が走って戻ってきたんだって、そんでなんて言ったと思う?「あれは神なんかじゃない!」と言ったのよ、で、その勢いに負けて皆が神様の所へ行ったら、この世のものとは思えないやつが、いて、恐怖で反射的に攻撃したんだと、だけど偶然それがいい所に入ったおかげで、アイツを瀕死にして、その時の村長さんが封印したんだってさ、殺しちゃえばよかったのにね。で、村長さんは「今は封印が解けるその日までこのことは広めてはならぬ」と言ったから皆黙ってるんだと、今思えば両親はなんで私に話したんだろうね。」
…思いもよらぬ事だった。俺は知らず知らずのうちに虎のしっぽを踏んだんだと。あの時殺してくれればこんなことにはならなかったのに、とも思ったが、過去の人間の行動を責めてる暇は無い。俺はアイツの正体を知った。それ意外に考えることは無い。
だが、何度考えてもおかしい。なんで俺が100年前の事を知っているんだ。何か理由があるはずなのに、どうやっても説明がつかない。とりあえず俺はその日のうちに帰る事にした。車に乗り、バックミラーを見た時の老婆の申し訳なさそう顔が、余計に俺を不安にさせた
俺は混乱し、親友に全てを話した。親友は「ワロタ、お疲れさん。俺は葬式の予約だけ取っといてやるよ」と言った。シャレにならないと反論しようとした時に、「そんな事よりも、俺なりに市役所とか図書館やらに行って調べたんだよ。んで、有益な情報が市役所から届きましてね」と言った。こんな時にも冗談を言ってくる所を除けば、改めて親友で良かったと思う。そして親友が得た情報によると、「両親がその村に住んでいた」という人が隣町に住んでいるというものだ。親友の有能さに感激しながら俺はその住所へ向かった。
書いてある住所に着き、「ごめん下さい」と言うと「はいはい、ちょっと待ってねぇ」と、老婆の声がした。老婆はドアを開け、「奥へどうぞ」といい、俺を家の中へ招き入れた。そのまま奥へ進み、上座に座った後、老婆は下座に座った。仕事柄、こういうものにはどんな時でも意識してしまうんだなと思っていると、老婆が「早速、村について話そうか」と言ってきた。
どうやらやはり村はあったそうだその村では老婆、老婆の両親、そして、老婆の娘が暮らしていたそうだ。自然が豊かで、ド田舎の割には子供が遊べる場所もあり、ご近所との関係も良く、今思えば、人生で一番心地が良い時間だったと言う。俺はその話を聞き、「確かに、私の記憶でもそんな感じだったと思います」と返した。子供はド田舎は遊べるものが限られててあまり楽しくないと聞いていたが、あの村は公園やらなんやらが充実していたからだ。
老婆はその後はスイッチが入ってしまったのか、昔の話をずっと話していた。その中に気になる話があった。それは「あの時はねぇ春夏秋冬、4ヶ月に1回その時に取れた一番貴重なものを神様に捧げて、平穏を祈ってたのよぉ、あ!そういえば私が産まれる10数年前まで、人間を捧げてたんだって!怖いわよねぇ、子供の頃なんてなーんも覚えちゃないが、この話だけは妙に覚えておるのよねぇ。生贄に選ばれた人が神の元へ1人で行き、捧げられて。でもね、その人間を生贄にする習慣が終わるきっかけがあったんだって、それがね、生贄に選ばれた人が走って戻ってきたんだって、そんでなんて言ったと思う?「あれは神なんかじゃない!」と言ったのよ、で、その勢いに負けて皆が神様の所へ行ったら、この世のものとは思えないやつが、いて、恐怖で反射的に攻撃したんだと、だけど偶然それがいい所に入ったおかげで、アイツを瀕死にして、その時の村長さんが封印したんだってさ、殺しちゃえばよかったのにね。で、村長さんは「今は封印が解けるその日までこのことは広めてはならぬ」と言ったから皆黙ってるんだと、今思えば両親はなんで私に話したんだろうね。」
…思いもよらぬ事だった。俺は知らず知らずのうちに虎のしっぽを踏んだんだと。あの時殺してくれればこんなことにはならなかったのに、とも思ったが、過去の人間の行動を責めてる暇は無い。俺はアイツの正体を知った。それ意外に考えることは無い。
だが、何度考えてもおかしい。なんで俺が100年前の事を知っているんだ。何か理由があるはずなのに、どうやっても説明がつかない。とりあえず俺はその日のうちに帰る事にした。車に乗り、バックミラーを見た時の老婆の申し訳なさそう顔が、余計に俺を不安にさせた
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