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僕が彼女の「推し」だってことに気付かれては…ならない!!

#1

PROLOGUE

 [漢字]辻占[/漢字][ふりがな]つじうら[/ふりがな]、という占いがある。

 黄昏どきに四辻に立ち、行き交う人々の話し声から、運勢を占う、という。起源は万葉時代にまで遡り、この世ならざるものが動き出す『逢魔が時』である夕方に、人に紛れて神も通るとして辻で行われてきた。
 僕がこうして、生き物の気配もない日暮れ時の十字路に佇むさまを、彼女はそう歌うように[漢字]喩[/漢字][ふりがな]たと[/ふりがな]えた。

 癖一つない黒髪を背にさらりと流し、黒目がちの大きな瞳は、僕の体を突き抜けて、その後ろの空間を眺めているかのように夢見がちに微笑む。初秋の風が皮膚をぴりりと刺激するような寒気をよそに、彼女はいつも白いロングワンピースに向日葵色のサマーニットという恰好で僕の前に現れる。
「……あなたは運命を信じる?」
 そして決まり文句のようにそう囁く。
 彼女の声は木枯らしに掬われて掻き消えそうに儚い響きをしている——それはまさに『囁き』に近い——それでも耳元で話しているのと相違ないほど、明瞭で、なめらかだ。
「信じないね」
 僕の答えも、変わらない。
「いずれ、信じるようになるわ」
 謎めいた言葉を発する彼女は幽霊のように神秘的で、僕から肯定を引きずり出す魔法でもかかっているのだろうかと思わせる。だが、僕は意地を張る子供さながら頑としてかぶりを振る。
「遠慮しとくよ」
 

 僕、二階堂理人、第十三代科学部部長、十七歳。
 彼女、[漢字]瀬楽木[/漢字][ふりがな]せせらぎ[/ふりがな]みれい、第十三代オカルト同好会会長、同じく十七歳。
 わが[漢字]神薙[/漢字][ふりがな]かんなぎ[/ふりがな]高等学校、開校以来続く文化祭での伝統行事、科学部長とオカルト同好会会長の『論破バトル』に向けて、各部員たちが動き出しつつある。
 対決の日は一か月後……十一月三日。
 僕と彼女は、その日プライドをかけて、来年の文化祭までこの学校の覇権を握るための頂上決戦に挑む。

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作者メッセージ

小説を書くのは超初心者です…!
おかしな言い回し、意味の通じない展開等あるかもしれませんがご容赦ください。よかったところや応援メッセージなど温かなコメントをいただくと励みになりますので、ぜひお願いします(≧▽≦)。
拙い作品ですが楽しんでいただければ幸いです。
次回から一気に展開していきます、乞うご期待~!!

2023/11/16 18:01

いづみ薫音 ID:≫1pkWAki7g.UaE
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