＿＿＿＿＿＿＿朝、起きたらトーストだけ食べて学校に向かう。
私の学校は少し遠いから電車に乗らなきゃいけない。
電車に揺られながら窓の外に目を向ける。いつもと変わらない、ビルが立ち並ぶ街を見ていても意味ないのですぐに目を逸らした。目的の駅に着くと降りて、学校の方向に足を進める。
『もうちょっと、なんかないかなぁ』
そう呟いたその時だった、後ろから肩を掴まれたのだ。
振り向くといかにもチャラそうな男の人。ナンパか、違うと言ってくれ。
「姉ちゃん、今から学校？サボって俺と遊びにいかない？」
･････････私をナンパするなよ。こいつの目は節穴か？
私より顔面いいやつくらいそこら辺にいたろ。なんで私なんだよ。
なんだ？”こんなガキならすぐに着いてくるだろ”とか思ったのか。ふざけんなよ。
と言っても私は別にケンカが強いわけではない、となれば選択肢は一つだ。
逃げる。
『さいなら！』
こう見えて運動神経はいい方だ。ふと肩を掴む力が緩んだ時に振りほどいて、近くの路地裏に逃げる。
『あらま、行き止まり』
やっべ、追いつかれんな。
後ろを見ると確かにさっきのチャラ男が着いてきていた。暇なんだね、かわいそ。
少し考えて、策を思いつく。
後ろに下がり、助走距離を確保。思い切り走って･･････
「はあ⁉猿かよ‼」
両側にそびえ立つ壁をタンタンと蹴って上に上がる。
コレくらいの高さならどうってことないぜ。
下のチャラ男に手を振り、屋根の上を走って学校に向かう。
すると＿＿＿＿＿＿
ﾄﾞｵｵﾝ‼‼
爆発音みたいなのが聞こえた、気がした。
あまり遠くない、ちょっと見てすぐに全速で向かえば遅刻はしない。
私は音の方に向かって走り始めた。