全部上書きして【Lier's world】
見せかけの大人にはなっていたけど、そうなるずっと前から『心の扉』も『今目の前の扉』も開けられないままだった。
[太字]______でも今なら、開けられるよ。[/太字]
[太字]______迎えに行くからね。[/太字]
[水平線]
夕凪「............。」
扉を少し見上げる。
今でもその扉に付属している鍵穴の数はおびただしいものだった。
レモン「............本当に、いいんすか」
レモン「別に、今無理してまでやろうとしなくてもいいんすよ......?」
夕凪「............いや」
夕凪「今やらなきゃいけないんだ」
夕凪「今やらなかったら、もうキッカケなんて来ないと思う。.........そしたらきっとずっとこのままだと思うから」
夕凪「[太字]............今までの苦しみ全部に、けじめつけるって決めたから[/太字]」
レモン「[太字]............そうっすか。[/太字]」
[小文字]レモン「............すごいっすね、夕凪さんは」[/小文字]
深海色の瞳が一瞬濁ったように見えた。
朝露「てか、開けるって言ってもこの鍵穴の数の暴力どうするつもりなんだよ?」
朱肉「鍵を片っ端から全部集める.........」
朝露「パワープレイすぎて時間かかるどころの話じゃないと思うぞそれ」
朱肉「(´・ω・`)ソッカ...」
レモン「[太字]............いや、パワープレイでいいと思いますよ?[/太字]」
朝露「え、お前マジで言ってんの?」
レモン「じゃなかったら口出してないっす」
レモン「.........まぁ言いたいのは、[太字]うちの能力使えばどうにかなると思うんすよね[/太字]」
夕凪「.........それか」
右手に鋭利な刃物を握っている。
レモン「でも力技するためにはお肉が必要なわけで。」
レモン「そこで一つ提案があるってわけっすね」
朱肉「猗◯座?(((」
レモン「違います。(真顔)」
レモン「.........まずうちの能力は精肉を必要とするのは周知のことだと思うんすけど。」
朱肉「うん、知ってる」
レモン「[太字].........実は、そこに豚肉だの牛肉だのわざわざ厳選する必要はないんですよね。[/太字]」
レモン「[太字]『新鮮な生肉であること』それさえ満たしていればうちの能力は発動できるんです。[/太字]」
そう言うと頭を打って気絶していた俺の母親の方を見る。
レモン「[太字]______だからいっそのこと、あのお母さんを生贄みたいなモノとして能力発動できたらいいなって思いません?w[/太字]」
............ちょっとそんなこと言うと思ったわ。
夕凪「.........お前マジで」
レモン「どうっすか、我ながらいい提案だと思いません?( ・´ー・`)」
夕凪「その顔やめろ。」
夕凪「______まぁ、いいよ別に。決着つけたいって思ってたし [小文字]ちょっと気に食わないのはそうだけど[/小文字]」
レモン「んじゃ、遠慮なくやっちゃっていい感じっすかね。」
レモン「............失礼しますね。」
[太字][斜体]ザフッ[/斜体][/太字]
その刃先を、俺の生みの親の身体に突き立てて、左90度捻る。
そうして赤い光と共に大鉈が顕現する。
レモン「............どいてくださいね、危ないっすから」
そう言うと辺りの空気が赤く染まる。
レモン「[明朝体][太字]............重厚なる刃よ、我が身我が魔力を糧とし今眼前の敵を薙ぎ払う勇猛なる力を 七つの牙狙うは我が宿敵の命なり、恐ろしくも華麗なる狩人となれ[/太字][/明朝体]」
レモン「______『[漢字]凶暴なる一撃[/漢字][ふりがな]クレセント・アクト[/ふりがな]』!!」
大鉈の刃先は真っすぐに鍵穴を一刀両断した。
直後2、3秒に訪れる静寂はまるで凪のようだった。
レモン「............後はもう、夕凪さん次第っすよ。」
レモン「うちはもうこれ以上何も手は出せないんで。」
夕凪「............」
朱肉「............外で待ってますか」
捨て飯「......そうですね。後はもう、夕凪さんの問題ですから」
朱肉と捨て飯は俺のことを優しい目で、謎に淡い希望を抱いたような目でこちらを見ていた。
朝露「.........てかレモンそれ戻んないの」
レモン「あーこれっすか? これね、一回発動すると一定時間はこのままで........w」
レモンはさっき振り回した大鉈を地面に引きずって歩いていて、朝露はそれを見て困惑している。もはやいつもの調子だった。
[太字]...............後はもう、俺が全部乗り越えられるかだ。[/太字]