全部上書きして【Lier's world】
[太字]「..................なんで、生きてんだよ.........?」[/太字]
その問いに、母はゆっくりと口を開く。
[小文字][太字]「............お前さえ、いなければ」[/太字][/小文字]
突如その身体の付属品だった冷たい二つの手が俺の首根っこを掴んだ。
「[太字]うァああ゛っ......!?[/太字]」
絞め上げられる。地に足はつかない。
............俺の首を絞め上げる手は冷たい。
母が冷え性だったのを思い出したが、今その母は俺を絞め上げて足掻いている様を笑って見ている。
「[太字]あ゛っいい゛!!あ゛ァ゛っ[/太字]」
............苦しい。息が吸えない。
指の付け根で喉仏を押し込まれてまともに息が吸えない。
両手を力いっぱい、俺の首にぶつけられている。
『絶対に殺してやる』という狂気じみた悍ましいほどの執念の目で、[太字]母は笑っていた。[/太字]
[小文字][太字]「ほらおとうさん.........わたしがんばるからね.........がんばるからね............」[/太字][/小文字]
[小文字]「アア.........ウ゛ッ........ア゛.........」[/小文字]
母のその[漢字]大きな感情[/漢字][ふりがな]執念[/ふりがな]から起こされた行動エネルギーに、俺みたいなヒト一人が歯向かっても到底敵わない。
[太字]______だって俺は、何もできない子どもだから。[/太字]
[小文字]「ア.........フ......ゥ......」[/小文字]
もはや抵抗する気にすらもなれなくなって、ただ冷えた母の両手を掴んだままで、
[太字]俺は一つの扉を見つめるばかりだった。[/太字]
[太字]______いつまで経っても開けられない、そこら中鍵だらけの一つの扉。[/太字]
[水平線]
捨て飯「.........ここで合ってますよね?」
朝露「.........合ってる」
レモン「[太字]............行きましょ[/太字]」
鍵はかかってなかったようであっさりと開いた。
見た目とは違って、かなり軽かった。
遠くの窓、そこから陽の光が覗いて私たちの前に二つの人の影を作り出す。
朱肉「............ッ」
捨て飯「.........!!」
[小文字]レモン「はッ......?」[/小文字]
[小文字]朝露「[太字]ッ嘘だろ.........?[/太字]」[/小文字]
[太字]夕凪さんは長い髪の誰かに首を絞め上げられていた。[/太字]
『許せない』という感情が即座に頭に湧き上がる。
[太字]______大事なやつ傷つけたんだ、一発殴らないと気が済まないよね。[/太字]