全部上書きして【Lier's world】
『 手伝ってほしいことあるからここに来て 』
それだけ書かれて下には何かの住所と思われる位置が共有されていた。
[水平線]
レモン「............何か、夕凪さんにしては珍しいっすね。これ場所図書室なんすか?」
朱肉「いや、さっきここの場所調べて見たんだけど、ちょっと遠いってだけの全く知らない一軒家で.........[小文字]いや一軒家なのかなこれ、小さい......[/小文字]」
捨て飯「.........じゃあ多分、夕凪さんの言っていた『用事』はそこにあるんでしょうね.........」
レモン「えぇ......? だとしても夕凪さんはその一軒家に何の用が.........」
朝露「............てか、わざわざ俺との個人チャットに連絡してるっていうのが何か変なんだよな」
朱肉「......どゆこと」
朝露「あいつの事だから、そういうのはできる限りいろんな人に情報共有したいと思うんだよな。[太字].........俺にだけそれを伝えたってのに何らかの意図がある気がする[/太字]」
朱肉「............何らかの、意図.........」
捨て飯「.........そもそも、夕凪さんが私たちに頼るってこと自体珍しいですし」
朱肉「............じゃあ先生はそれくらい、誰にも話せないくらいの何かがあるって事......?」
レモン「[太字]............じゃあ、行くしかないでしょ......。[/太字]」
レモン「[太字]うち、夕凪さんに頼られた分の期待を裏切るのは絶対嫌っす......。[/太字]」
捨て飯「私のところの車乗ります? そっちの方が絶対早いと思いますけど」
朱肉「異議なし。」
朝露「そう言えばそうか今日捨て飯車で来てるんだったな......マジ助かるわ」
捨て飯「やれることをやったまでなので。」
レモン「............夕凪さんに、一体何が.........」
[水平線]
[太字]「 おかえり、璃透。 」[/太字]
「ッ、!?」
嫌な予感だけが身体中を巡る。
聞き覚えしかないその声が頭の中で響く。
嫌な予感しかしないと分かっていても、その声を無視することはできなかった。
「[太字]..................かあ、さん.........?[/太字]」
光の灯らない虚ろな双眸。
手入れもまともにされていない様子の、ボサボサで傷んだ長い黒髪。
俺より背丈は確かに低いはずなのに、過去を勝手に重ね合わせては遥か大きい存在だと錯覚する。
「[太字]..................なんで、生きてんだよ.........?[/太字]」
[太字]その声は確かに、確かに間違いなくあの時死んだはずの母親の声だった。[/太字]