全部上書きして【Lier's world】
朱肉「............まぁ、この話もこの辺にしといて。柊翔さんの言ってた『手伝い』って何なの?」
朱肉「[太字].........さっきからずっと気にしてるっぽいけど。[/太字]」
柊翔「.........さっきの、ドッペルゲンガーと関係があるかは分からないですけど.........[太字]兄さんが、さっきからずっと部屋を出なくて、鍵もかけられてて.........[/太字]」
柊翔「.........ちょっと可哀想ってのはあるんですけど、兄さんに何かあったら嫌なので。」
柊翔「[太字]兄さんを部屋から出す手伝いを、してほしいんです............[/太字]」
朝露「.............マジ?」
柊翔「.........マジです」
朱肉「.........何があったんだろ、捨て飯さん」
夕凪「それに怖いのが、さっきのドッペルの話と関係がないとも言えないところなんだよな.........」
朝露「.........とにかく、何かしら手遅れにならないように急ごうぜ。.........善は急げってやつだ」
[小文字]夕凪「はぁ.........手遅れって、そんなこと言うなよな.........」[/小文字]
『手遅れ』
きっとそう聞いて誰もが一瞬は最悪の可能性を浮かべただろう。
[太字]______愚かにも、それが『[漢字]人間[/漢字][ふりがな]ヒト[/ふりがな]』というものだった。[/太字]
[水平線]
柊翔「.............兄さん」
______。
おそらく相変わらず、その先から返事が返ってくることはない。
柊翔「......兄さん、朝露さんとか夕凪さんとか、あと..........[小文字]えっと[/小文字]」
[小文字]朱肉「あ、僕生階 朱肉って言います」[/小文字]
柊翔「朱肉さんも、.........みんな話聞いたら心配してたよ」
柊翔「だから兄さん.........[小文字]扉を開けて[/小文字]」
______。
無情となっているのか、残酷にも返事をしない。
朝露「捨て飯ー!! 俺らも出てくんの待ってんぞー!!」
[斜体]コンコンコン[/斜体]
朱肉「すーてーめーしーさーーーん!!」
朱肉「ドーアー開ーけーてーくーだーさーいーーー!!」
............この光景、なぜか見たことがある気がする。
どうしてだろう。
[太字]記憶にはないのに、俺には見たことがあるような______[/太字]
朝露「夕凪も何か言ってやれよー!!」
朱肉「そうですよそうですよ、先生も何か言ってください」
夕凪「え、あー.........」
夕凪「...............捨て飯出てこーい」
[太字]______あぁ、思い出した。
自分が扉に向かって呼びかけたから。[/太字]
朝露「何だよ気合足りてないn
柊翔[大文字]「[太字]...............返事してよ[漢字]蓮翔[/漢字][ふりがな]れんと[/ふりがな]兄さん!![/太字]」[/大文字]
突如自分の声で緩んでいた空気がその声で冷ややかな世界に変わる。
まるで一面白銀の雪国に誘われたように。
[太字]______というか今、柊翔はなんて............[/太字]
柊翔「[太字]何で、なんで勝手に籠もったんですか蓮翔兄さん!![/太字]」
柊翔「[太字]教えてくださいよ!![/太字]」
[太字]『蓮翔』
それがきっと彼に刻まれた本当の名前なんだろう。[/太字]
そりゃあ実の弟がそう叫んでるんだから嫌でもわかるよ。
______。
[太字]______でもやっぱり、閉じきった心に届くわけない............[/太字]
[小文字][太字]『...............柊翔さん、私言ったはずですよ』[/太字]
朝露「ッえ......!?」
朱肉「えっ反応した.........」[/小文字]
[太字]______『 " [漢字]その名前で[/漢字][ふりがな]蓮翔なんて名で[/ふりがな]呼ばないで " って』[/太字]