全部上書きして
[中央寄せ]朱肉side[/中央寄せ]
朱肉「.........。」
[漢字]あの人[/漢字][ふりがな]レモン[/ふりがな]、何で[太字][漢字]あの事[/漢字][ふりがな]僕の事[/ふりがな][/太字]を.........
[太字]どうして知ってるんだ?[/太字]
朱肉「............。」
流石ジャーナリストと言うべきなのか。
でも、どうして自力でここまで.........。
分からなかった。
[水平線]
[太字]"自分"[/太字]......いや、[太字]"私"[/太字]のお母さんは、とても優しかった。
自分の思いを潰すことはなく、いつも何でも聞いてくれる優しいお母さんだった。
[太字]今思えば、そのせいで全て狂ってしまったのだけど。[/太字]
その[太字]「狂わされた」[/太字]全ての原因は、[太字]父にあった。[/太字]
当時の[漢字]幼心[/漢字][ふりがな]おさなごころ[/ふりがな]でも理解に[漢字]容易[/漢字][ふりがな]たやす[/ふりがな]いほど、母の[漢字]対[/漢字][ふりがな]つい[/ふりがな]となるような存在だった。
父はいつもうるさかった。
[太字]叩いて、蹴って、怒鳴り散らかして............[/太字]
今で言う所の[太字]「モラハラ」[/太字]とか[太字]「DV」[/太字]ってヤツだった。
[太字]それでも自分の心が折れなかったのは、母のおかげだった。[/太字]
母は.........強かった。
どれだけ叩かれても、
どれだけ蹴られても、
どれだけ怒鳴られても、
[太字]自分の前では1つも弱った姿など見せなかった。[/太字]
それくらい、母は自分にとって一番の憧れで、強い人だった。
母と自分はある時に、父を家に置いて出ていった。
"普通"で、"幸せ"な日々を送れていた。
______[太字]それでも、神様は幸せになることを許してはくれなかった。[/太字]
自分にとっての憧れで、強くて、優しかった母は。
[太字]病に倒れ、そのまま宇宙の星屑となっていったのだった。[/太字]
中1の秋のことだった。
その後は施設送りにされたけど、母のいない世界は無彩色にしか見えなくて。
そんな時に施設の人から、「里親希望の人がいる」って言われてついて行ったんだ。
その連れてくれた人が男の人だったのはなぜか覚えている。
その時ついて行ったのが、人生一番の後悔だったからこそ、余計なことを覚えているだけかもしれないが。
その時自分の前にいたのは紛れもない、
[太字]正真正銘、自分の父だった。[/太字]
前見た時と同一人物とは思えないほど優しそうな笑顔だった。
どこか母のそれを真似したような、猫を被ったようなその笑顔に、吐き気がした。
今思い出すだけでも気持ち悪いものだった。
その後は、もちろん地獄の日々だった。
笑顔で迎えてくれたことに淡い期待を寄せた自分の幼心がバカだと嘲笑うかのように。
いつものように叩かれたし、いつものように蹴られもした。
その時の自分が「これが自分に定められた"普通"」だと錯覚するほどに。
本当に地獄だったのは、中学3年の頃からのお話。
「[小文字][小文字]......そうか、お前なら.........[/小文字][/小文字]」
「......おい。」
「[太字]お前、身体貸せや。[/太字]」
拒否権なんか当たり前のようになくて、その時初めて「拒絶」という言葉を最悪のカタチで知った。
怖かった。
もう地獄なんか見たくなかった。
[太字]皆が言う"普通"になりたかった。[/太字]
だから[太字]"私"[/太字]......いや、[太字]"自分"[/太字]は、
[太字]性転換の手術を自分で望んで受けて、男になったんだ。[/太字]
周りの人がそれを受け入れてくれただけすごく気が楽だったけど、
父は今も生きている。
それだけのことで、自分の世界は蝕まれていく。
2日目のカレーは美味しい、とか人は言ってるが、自分は嫌いだった。
野菜の美味しさが染み込んでるとか、そんなんで美味しいとか言っているけど、
[太字]2日目のカレーなんて、雑菌だらけ。だからキライなんだ。[/太字]
自分の「拒絶」したかった過去も、作られてしまった[漢字]汚[/漢字][ふりがな]けが[/ふりがな]れも、
全部が自分の一部となって、染み込んでいく。
それらが全て「自分」として形作られていることが、どうしようもなく気持ち悪くて嫌なだけなんだ。
それをどうにかできるとか言ってるあの[漢字]ジャーナリスト[/漢字][ふりがな]はちみつレモン[/ふりがな]野郎は。
[太字]何を知ってるっていうんだ.........。[/太字]
朱肉「.........。」
[漢字]あの人[/漢字][ふりがな]レモン[/ふりがな]、何で[太字][漢字]あの事[/漢字][ふりがな]僕の事[/ふりがな][/太字]を.........
[太字]どうして知ってるんだ?[/太字]
朱肉「............。」
流石ジャーナリストと言うべきなのか。
でも、どうして自力でここまで.........。
分からなかった。
[水平線]
[太字]"自分"[/太字]......いや、[太字]"私"[/太字]のお母さんは、とても優しかった。
自分の思いを潰すことはなく、いつも何でも聞いてくれる優しいお母さんだった。
[太字]今思えば、そのせいで全て狂ってしまったのだけど。[/太字]
その[太字]「狂わされた」[/太字]全ての原因は、[太字]父にあった。[/太字]
当時の[漢字]幼心[/漢字][ふりがな]おさなごころ[/ふりがな]でも理解に[漢字]容易[/漢字][ふりがな]たやす[/ふりがな]いほど、母の[漢字]対[/漢字][ふりがな]つい[/ふりがな]となるような存在だった。
父はいつもうるさかった。
[太字]叩いて、蹴って、怒鳴り散らかして............[/太字]
今で言う所の[太字]「モラハラ」[/太字]とか[太字]「DV」[/太字]ってヤツだった。
[太字]それでも自分の心が折れなかったのは、母のおかげだった。[/太字]
母は.........強かった。
どれだけ叩かれても、
どれだけ蹴られても、
どれだけ怒鳴られても、
[太字]自分の前では1つも弱った姿など見せなかった。[/太字]
それくらい、母は自分にとって一番の憧れで、強い人だった。
母と自分はある時に、父を家に置いて出ていった。
"普通"で、"幸せ"な日々を送れていた。
______[太字]それでも、神様は幸せになることを許してはくれなかった。[/太字]
自分にとっての憧れで、強くて、優しかった母は。
[太字]病に倒れ、そのまま宇宙の星屑となっていったのだった。[/太字]
中1の秋のことだった。
その後は施設送りにされたけど、母のいない世界は無彩色にしか見えなくて。
そんな時に施設の人から、「里親希望の人がいる」って言われてついて行ったんだ。
その連れてくれた人が男の人だったのはなぜか覚えている。
その時ついて行ったのが、人生一番の後悔だったからこそ、余計なことを覚えているだけかもしれないが。
その時自分の前にいたのは紛れもない、
[太字]正真正銘、自分の父だった。[/太字]
前見た時と同一人物とは思えないほど優しそうな笑顔だった。
どこか母のそれを真似したような、猫を被ったようなその笑顔に、吐き気がした。
今思い出すだけでも気持ち悪いものだった。
その後は、もちろん地獄の日々だった。
笑顔で迎えてくれたことに淡い期待を寄せた自分の幼心がバカだと嘲笑うかのように。
いつものように叩かれたし、いつものように蹴られもした。
その時の自分が「これが自分に定められた"普通"」だと錯覚するほどに。
本当に地獄だったのは、中学3年の頃からのお話。
「[小文字][小文字]......そうか、お前なら.........[/小文字][/小文字]」
「......おい。」
「[太字]お前、身体貸せや。[/太字]」
拒否権なんか当たり前のようになくて、その時初めて「拒絶」という言葉を最悪のカタチで知った。
怖かった。
もう地獄なんか見たくなかった。
[太字]皆が言う"普通"になりたかった。[/太字]
だから[太字]"私"[/太字]......いや、[太字]"自分"[/太字]は、
[太字]性転換の手術を自分で望んで受けて、男になったんだ。[/太字]
周りの人がそれを受け入れてくれただけすごく気が楽だったけど、
父は今も生きている。
それだけのことで、自分の世界は蝕まれていく。
2日目のカレーは美味しい、とか人は言ってるが、自分は嫌いだった。
野菜の美味しさが染み込んでるとか、そんなんで美味しいとか言っているけど、
[太字]2日目のカレーなんて、雑菌だらけ。だからキライなんだ。[/太字]
自分の「拒絶」したかった過去も、作られてしまった[漢字]汚[/漢字][ふりがな]けが[/ふりがな]れも、
全部が自分の一部となって、染み込んでいく。
それらが全て「自分」として形作られていることが、どうしようもなく気持ち悪くて嫌なだけなんだ。
それをどうにかできるとか言ってるあの[漢字]ジャーナリスト[/漢字][ふりがな]はちみつレモン[/ふりがな]野郎は。
[太字]何を知ってるっていうんだ.........。[/太字]
このボタンは廃止予定です