全部上書きして【Lier's world】【Thanks for 2000 views over!!!!】
[小文字]夕凪「............自分から変わっていく、な」[/小文字]
その言葉が一度通り過ぎていき、それに気づいて戻ってくるようにして自分の後頭部に刺さってくる。
刺さる言葉の軌道はブーメランのようだった。
夕凪「...............」
朝露「......どした」
夕凪「......いや、何でも。」
朝露「にしてもあの夕日核が爆発してるみたいに見えんなー......世紀末見てるみたいで気味が悪いわ、キノコ雲は見えないけど」
朝露「.........お前はあの夕日どう見えてんのさ。」
夕凪「.........どう見えてるって、普通の夕焼け空だけど」
目の前に広がっていた空は何もかもが黄金色で、それがただ少し白く光を放つ夕日による染色だったのは一目瞭然だった。
夕凪「にしてもお前今までよく隠してきたな」
朝露「お前らが感じ取るの下手っぴなだけだろw」
朝露「でもまぁ......うん、[太字]正直つらかったよ、色んな意味で。[/太字]」
そう語る彼の瞳はどこを見ても広がっている黄金色の空によく似た琥珀色だった。
夕凪「.........。」
朝露「[太字]全部、『しょうがない』で済ませられればよかったんだけどね。[/太字]」
朝露「[太字]無理だったよ。[/太字]」
朝露「何でこうも、捨てきれなかったんだろうなぁ.........」
夕凪「はぁ......それこそ『しょうがない』んだろ、捨てきれなかったってのが全部悪いことじゃない」
夕凪「[太字]......諦めきれない自分を責めるのは、違うと思うな[/太字]」
[太字].........まるで自分に言い聞かせたようだった。[/太字]
またブーメランが飛んで刺さった。
夕凪「まぁ諦めるってのも大事なのかもしれないけどな」
夕凪「.........そうやってすぐすっぱり諦められるようなお前だって羨ましかったよ」
いつまでも諦められないまま引きずって結局のところ苦しんでいる自分のことが、いつしか馬鹿としか映らなくなってきていた。
朝露「......そっか、確かに夕凪が諦めてるの見たことあんまないかも」
夕凪「大体そういうのは諦められないんだよ、どうしても続ければいい事あるかもみたいな事考えちゃうから」
朝露「その考え方の方が俺みたいにすっぱり諦めるより100倍良いっての、自信持て」
自信ねーっての、なんて心で思いながら返事は返さないで夕日を見ていた。
___。
______。
柊翔「.........」
[小文字]柊翔「___変なの、[太字]隠してることなんてまだあるのにね[/太字]」[/小文字]
柊翔「.........結局本音は心の金庫にしまったまんま。黒くてドロドロになったそれを吐き出せばその関係が壊れるって知っちゃってるから。」
柊翔「[太字]そんな怖がってないで、さっさと全部吐いて壊れちゃえばいいのにねぇ......♪[/太字]」