全部上書きして【Lier's world】【Thanks for 2000 views over!!!!】
朱肉「[太字]あっっっっっつ!?[/太字]」
たちまち辺りの空気中に叫び声が響く。
レモン「あーあーそんな急いで飲もうとするから〜......別に甘酒が逃げるわけじゃないんだから、ね?」
朱肉「うぅ......舌ヤケドした......(´;ω;`)[小文字]ヒリヒリする......[/小文字]」
『一応』無料の配られていた甘酒を飲んでいるようだ。
一人はあまりに嬉しかったのか勢いそのまま飲もうとして火傷したようだ。
レモン「私はゆっくりここ探索しつつもうちょい冷めてから飲みますかね〜......」
朱肉「(´;ω;`)アチィ」
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柊翔「.........ここ無人なのかな?[漢字]人気[/漢字][ふりがな]ひとけ[/ふりがな]が全然しないんだけど......」
捨て飯「まぁレモンさん曰く『秘境』ですし、そんなに人が来なくて廃れてしまったとか、色々あるんですかね.........」
散策している兄弟二人。
散策している辺りは人気もなく、快適と言えば快適だがそれを通り越して不気味に見える人もいるだろう。
柊翔「う〜ん.........まぁいいや!そうだ兄さん、僕くじ引きしたいんだけど___ 」
気にも留めない弟。
自由奔放だが行きたい場所に兄と行きたがるのはどこか不思議に映るのだった。
捨て飯「あ、今行きまーす.........」
弟に振り回される可哀想な兄。
その疲弊はずっと振り回されていたからか、それとも______
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神々廻「.........大丈夫?」
朱里「大丈夫も何も......元から何もないんだけどさ。」
どう見たって作り笑顔だ。
夕凪「嘘つけ。一番あの日に心抉られてたのはお前だっただろ。」
朱里「あ、先生.........」
夕凪「[太字]______『大事な何か』を失ったヤツの気持ちは、痛いほど分かる。[/太字]」
夕凪「お前だって、[太字]『一番の友達』[/太字]がいなくなったんだからつらいに決まってる。」
夕凪「[太字]アイツは一人でずっと抱えて、その末にああなったってだけだったんだ。[/太字]」
夕凪「[太字].........だから、絶対お前もそうなったらダメだからな。[/太字]」
そう言う先生の目は真剣でどこか林檎も切れそうなほど鋭くて、
............それでも暖かく優しく、それでも重みのある言葉だった。
朱里「............。」
夕凪「.........にしても、何かお前らしいと言えばそうなんだが......お前らしくもないよな、神々廻」
夕凪「[太字]落ち込んでたやつのために自分から声上げるなんて。[/太字]」
神々廻「そうですかね.........」
夕凪「前までならそんな自分から行動起こしたり、誰かのためにワガママ言うようなヤツじゃなかったろ」
夕凪「[太字]............変わったな、お前は。[/太字]」
神々廻「.........そうですかね。ただ、放っておけなかったってだけなんですよ」
謙虚そうに彼は言うが、照れくさそうだった。
夕凪「いーや、変わってる。教師の目はごまかせないぞ」
神々廻「ふふっ......教師の目ってそんなすごいですか?」
夕凪「すごいに決まってんだろ、そういうの見捨てたら責任伴うんだから研ぎ澄まされてんの」
夕凪「[太字]............でもだからこそ、アイツの事救ってやりたかったな。[/太字]」
神々廻「............」
朱里「[太字].........翠ちゃんは、誰にも頼れなかったのかな[/太字]」
朱里「[太字]私でも、頼れなかったのかな[/太字]」
神々廻「.........きっとどこかでどうしようもない事だって、分かってたんだと思うよ」
朱里「.........でも......ッ」
朱里「[太字]それでもッ.........言ってほしかったよ.........[/太字]」
朱里「[太字]『一番の友達』なんだから、どうしようもない事でも言ってほしかったよ.........[/太字]」
神々廻「............」
夕凪「.........神々廻、[太字]俺から、神々廻にだけの特別な宿題出すわ。[/太字]」
神々廻「は?」
夕凪「[太字]______傷ついた朱里のこと、変えてほしい。[/太字]」
夕凪「.........本当にそれだけ。アバウトですまんな。」
神々廻「変えて、って.........」
夕凪「.........俺にはできないから、神々廻にしかできないから、頼むんだ。」
夕凪「.........できるか?」
[小文字]神々廻「.........そう言われたら」[/小文字]
神々廻「[太字]そう言われたら、やるしかないじゃないですか......![/太字]」
夕凪「ん、その意気な。」
夕凪「できないって言っても、俺には.........」
朝露「............」
夕凪「[太字]話し相手がいるから。[/太字]」
神々廻「.........分かりました。」
朱里「............ッ」
[小文字]神々廻「.........朱里さん、聞いて。」[/小文字]
[水平線]
夕凪「............何してんだよ、待ちぼうけか?」
朝露「そんな事ないっての、何かボーっとしちゃってただけだよ」
夕凪「お前らしかないな。いつもなら能力のせいで感覚研ぎ澄まされちゃってんじゃねーの」
朝露「お前には分かんないだろうけど......、俺の場合常時強制発動型なんだからずっと少しずつモナ消費するし疲れるんだよ(´・ω・`)」
夕凪「あぁ......俺てっきりON/OFFの切り替えできるもんかと思ってたわ」
朝露「まだできない。練度上がればできるんだろうけど.........。」
夕凪「___にしても、お前張り切っといてサングラスだけは外さねーんだな」
朝露「ん?いやまぁマストだし。俺の大事よサングラスは」
夕凪「今日くらい外さねーのか?」
朝露「いやいや、無理だよ無理。」
夕凪「[太字].........何で?[/太字]」
朝露「え、いや、何で、って.........」
夕凪「.........俺にも言えない?」
朝露「............。」
夕凪「[太字]............ッ一人で抱え込むんじゃねーよ!![/太字]」
朝露「ッ......。」
夕凪「10年も経ってお前は変わったよ!!」
夕凪「今まで思ってたこと全部口に出すようなヤツだったのに変わって、『そんな事』も言えないような臆病者になって!!」
夕凪「[太字]______そんなのお前じゃない!![/太字]」
朝露「.......!」
夕凪「俺が、俺が憧れてたお前は、......!」
夕凪「[太字]そんなヤツじゃなかった!![/太字]」