あぁ............。





どうして「一緒に」なんて言ってしまったんだろうか。







一緒になんて言わなければよかった。











.........結局そうやってまた信じて独りで勝手に傷つくのを繰り返す。





『二度あることは三度ある』などと言うが、そんな言葉では済まされないほど繰り返してきた。















＿＿＿＿＿＿だからずっと、ずっと前から心の傷は癒えない。





例えそれは私の力でもの話。







ただ物理的に作られた傷しか癒やすことはできない。







私にはそれしかできない。















.........私のそれ以外に存在価値などない。







それ以外で求められれば私はこの世界で生きていけない。











心についてしまった傷に、私はどうする事もできない。











定められたハードルも違ったのに







『天才』だと調子に乗っては助けもしてくれなかった貴方は





















柊翔「＿＿＿あ、兄さん！」







「............ｯ」







柊翔「[漢字]おはよう兄さん[/漢字][ふりがな][太字]まだ生きてるんだ[/太字][/ふりがな]！ そう言えば、[漢字]昨日は何で僕に用事あるか聞いたの[/漢字][ふりがな][太字]失敗作の分際で何勝手に質問してるの[/太字][/ふりがな]？」











「.........あ、あぁ......明日、いつもよくいる皆さんで『初詣』に行こうって話になって......柊翔も行くか聞いておこうかと思って」







柊翔「え、初詣......！？[漢字]行きたい......けど、初詣にしては大分遅くない？[/漢字][ふりがな][太字]失敗作が考えることって馬鹿馬鹿しい[/太字][/ふりがな]」







「みんな忙しいですから、きっとそんな事している余裕もなかったんですよ......」







柊翔「あぁそっか.........[漢字]せっかく誘ってくれたし、僕も初詣行こうかな！[/漢字][ふりがな][太字]馬鹿が馬鹿らしくしてるのを嘲笑っててあげる[/太字][/ふりがな]」







「ｯ.........そうですか、じゃあ皆さんにも連絡しとかないと......」







柊翔「で、何だっけ......[漢字]初詣？って言っても、どこ行くの？[/漢字][ふりがな][太字]あぁ、失敗作には分からないよね[/太字][/ふりがな]」







「えーっと......[小文字]何だったかな、[/小文字]レモンさんなら分かるはず......」





「.........あ、[太字]『[漢字]月桂樹神社[/漢字][ふりがな]げっけいじゅじんじゃ[/ふりがな]』[/太字]って言うみたいです。レモンさんが勧めてくれたんですよ。[小文字]にしてもレモンさん既読して返信するまで早い......[/小文字]」







柊翔「へぇ......[漢字]レモンさん色んなところ知ってるんだね[/漢字][ふりがな][太字]失敗作は何も知らないんだね[/太字][/ふりがな]」







「ｯそ、そう、ですね.........」





「でもやっぱりジャーナリストやってるから色んなところ知ってるんだと思いますよ、秘境らしいですし、私もここの存在今の今まで知りもしなかったので」







柊翔「へぇ......[漢字]じゃあ秘境で初詣するんだ、秘密基地で遊んでるみたいで面白そうじゃない[/漢字][ふりがな][太字]他人を盾にして言い訳するの[/太字][/ふりがな]？」





柊翔「あ、ごめんね！？ [漢字]こんな質問攻めになっちゃって[/漢字][ふりがな][太字]失敗作には分からないか[/太字][/ふりがな].........w」







「いえ、大丈夫ですよ.........ｯ」















あぁ、だから信じるのをやめると自分で言っているはずなのに。





結局はその[漢字]表向きの言葉[/漢字][ふりがな]偽った善心[/ふりがな]を真に受けて、







そうしてまた『信じてみよう』なんて思って、また傷ついての繰り返し。











柊翔「明日かぁ、楽しみだなぁ......」







頭の中ではどうあがいても分かる。











[太字]なのに負の連鎖が終わらない。[/太字]







蓄積した痛みはじわり、じわりと心を蝕んで重傷になっていく。





私には治せない心の傷。











「あ、あはは.........」











[漢字]貴方と私[/漢字][ふりがな]U&I[/ふりがな]、ただ一方的に言葉のナイフを突きつけられているだけの関係。











深く広い地平を眺めて、果てしなくそこに逃げようとしてもその度ナイフを首に当てられて逃げられない。





関係が途絶える事はきっと永遠にない。















[太字]＿＿＿＿＿＿だから、永遠にいえない。







言えなくて、癒えなくて。[/太字]















せめてこの憎悪がなくなればどれだけ楽だろう。







............明日祓ってもらうくらいの事をすれば、楽にはなれないだろうか。











柊翔「[漢字]じゃあ明日一緒に行きましょ[/漢字][ふりがな][太字]私と貴方はずっと一緒[/太字][/ふりがな]、[漢字]個別で行く意味もないですし[/漢字][ふりがな][太字]離れ離れなんて永遠にない[/太字][/ふりがな]！」















.........『神様』がこんなちゃっちい負の連載、終わらせてくれるわけないか............