全部上書きして【Lier's world】【Thanks for 2000 views over!!!!】
《 続いてのニュースです。昨日夕方頃、都内高校より事変が発生しました。[太字]『水晶体事変』[/太字]と呼ばれる一連の現象に居合わせた生徒たちは______ 》
「............」
散々ネタにしていた男子生徒が映った瞬間に見るのをやめた。
______例の『水晶体事変』から2日が経過した。
明日も祝日で休みなのに気楽とも言えない、天気も心なしか薄曇りで沈んだ感じのする日曜日。
今日に『学校』なんてモノはない。
あの日『明日からの日程は、』なんて言っていた先生を思い出す。
その日が金曜日で、みんなが上履きを袋に入れていた事すら先生は忘れていたのかと考えると乾いた笑いが喉を通って出てくる。
[斜体]ピロン♪[/斜体]
突如通知の音が鳴る。
「............」
[水平線]
春喰『〇〇公園に来てほしい』
春喰『できればでいいから 用事あるなら来なくていいよ』
春喰『ただ来たら面白いモノ見れるよ』
[右寄せ]不遊『何時に来ればいい』[/右寄せ]
春喰『大体1時』
[右寄せ]不遊『......分かった』[/右寄せ]
[水平線]
時計は12時21分。
〇〇公園はそう遠くもない距離だったからまだのんびりできたけど。
[太字]今はのんびりできるような気分なんかじゃない。それに............[/太字]
[水平線]
[斜体]春喰「っ、は.........!?」[/斜体]
[水平線]
[小文字]不遊「......ッチ、マジ意味分かんねェ.........」[/小文字]
[太字]一番傷ついてたのはお前じゃねぇのかよ、春喰............[/太字]
[水平線]
不遊「............来たぞ」
春喰「......来てくれてありがとう。ごめんね、こんな時に呼んで」
不遊「感謝したいのか謝りたいのかハッキリしろよ.........」
あの時は返事もなかったが、一応神々廻もいたようだ。
それと______
不遊「[太字].........お兄さん?[/太字]」
夏祭「___あ、柊也のお友達?」
不遊「あ、まぁ.........友達じゃなくて『親友』ですけど」
夏祭「ふふ、そうかそうか。随分と仲ええんやなぁ。」
不遊「.........お兄さんは何でここに?」
夏祭「ん?柊也にここ来てって言われたんやけど.........親友くんは何か知っとるんか?」
不遊「いや俺も普通に.........柊也にそう言われたんで。来なくてもいいとは言ってましたけど」
夏祭「そうかぁ.........[太字]ウチの方は拒否権なかった気がするんやけどな[/太字]」
不遊「え、本当ですか?」
夏祭「ほい、これスマホでのやり取りなんやけどな......」
確かに、文面からして拒否権のなさそうな様子だった。
不遊「でも何でだ......?」
夏祭「そう、それが分からへんのよなぁ.........」
神々廻「......2人とも揃いに揃って何してるの.........()」
不遊「いや考察大会って言うかさァ?」
神々廻「は、はぁ.........[小文字]考察大会?[/小文字]」
春喰「あーそれなら大丈夫、そろそろ答え合わせするからね。」
夏祭「............ッ」
春喰「[太字]______ほらね。[/太字]」
夏祭さんの、吸い込まれるような群青色の瞳の先は公園の出入り口だった。
そこにいるのは______
[小文字]不遊「............誰、だ?」[/小文字]
[太字]俺の知らない人。[/太字]
[太字]雨など降っていないのに両手には少し大きなビニール傘を持っていて、雨が降っているわけでもないのにレインコートを着ている奇妙な人.........女性だった。[/太字]
夏祭さんは目を見開いて固まっている。
神々廻「.........あの人、兄さんの知り合い?」
夏祭「ぇ......ぁ.........」
さっきから母音しか発さず、神々廻の問いにも答えない。
[太字]時間が止まっている感覚がしたのは、一昨日ぶりだった。[/太字]
???「[太字]______久しぶり、風ちゃん。[/太字]」
その声を聞いた瞬間、時がまた動く。
夏祭「つゆ、き.........露帰、なんか......?」
???「[太字]______うん。[/太字]」
夏祭「ッ.........!」
夏祭「ッずっと......ずっと探してた.........」
夏祭「[太字]やっと会えた............ッ[/太字]」
雨傘「もう泣かんといてよ風ちゃん......お友達の前なんやからさ」
夏祭「でも......それでも............ッ」
雨傘「何でそんな泣きじゃくるんよも〜.........w」
感動の再会............
不遊「.........なのか?これ......」
春喰「.........うん、そうだよ。」
春喰「[太字]あれが兄さんの『ずっと探してた人』だからね。[/太字]」
不遊「.........あの日記の?ずっとどっか行ってたんじゃないのかよ」
春喰「行ってたよ。けどこの前急に電話がかかってね。」
[水平線]
『.........これを聞いてるのは、柊也であってる?』
「、!? ......おねぇ、ちゃん、?」
『........うん。久しぶりやね、柊也。』
「.........ッ何で、なんで急にいなくなって......!!」
『.........柊也、13日って何の日やったか覚えとうか?』
「.........成人の日?」
『そう。んでウチも風ちゃんも20やろ?』
「.........あ」
『.........だから会いに行くよ。』
『あいにく、こっちは一昨日のニュースであんたらが映ってんの分かってるんやからね?w』
「............よく遊んでたあそこでいい?」
『.........せやね、そこにしよか。12日の1時で。』
「............分かった。友達も誘うね。」
『ははっ、.........それはそれは楽しみやな。』
[水平線]
不遊「あ、じゃあ明日.........」
春喰「うん。[太字]人生の節目の晴れ舞台に2人で行くんだよ。[/太字]」
不遊「.........あの姉ちゃん、随分面白い事考えんな......」
[小文字]夏祭「じゃあ明日2人で行くんか?」
雨傘「そやで、2人で行くんや!」
夏祭「じゃあウチ来たってや、着付けしたるからさ」
雨傘「ええんか!?ウチなんかが風ちゃん家入ってええんか!?」
夏祭「露帰やからええんやってw」[/小文字]
春喰「___そうかな? ......そうかもねw」
神々廻「.........明日せっかくだしついてこうよ」
不遊「おっ賛成。何でも屋のとこにいたカメラ持ってるお姉ちゃんとか写真撮れそうだしついでに呼んでかね?」
神々廻「中華屋さんね.........[小文字]あとついでって言わないであげて[/小文字]」
春喰「この後でもいいならそこ行こうよ。ちなみにお金はある?」
不遊「俺はある」
神々廻「僕も」
春喰「.........じゃあそこでついでにお昼ごはんでも食べよ。兄さんたちも行く?」
雨傘「え、ウチ行きたい!」
春喰「じゃあ行くって事ね、了解」
夏祭「ウチに拒否権ないんか!?」
不遊「www」
???「...............中華料理店.........今度行ってみようかなぁ、元々興味あったし。」
???「接触の際の一番の懸念点は、あの人にバレる事.........」
???「まぁ夏目辺りなら学年も違って顔も知られてないですし大学生だと言われても大丈夫そうですし任せてみましょうか。[小文字]まぁあの人高3なんですけど[/小文字]」
[太字]片魚「運のいい事に私とあの人は『先生』同士.........接触自体は簡単なんでしょうけど警戒されそうですからね.........」[/太字]
片魚「あの3人に至っては帰宅部ですし、部活での接触も図れない。」
片魚「[太字]それでもこの計画、そろそろ一気に動く事になりそうですね......♪[/太字]」
[中央寄せ][太字]第3章「夏に降る君の声」 完[/太字][/中央寄せ]