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八尋「あは、あはは、[太字]あはははははははははははははははははははは!!!![/太字]」
地に叩きつけられ粉々となった[漢字]水晶[/漢字][ふりがな]兄さん[/ふりがな]を[漢字]死体蹴り[/漢字][ふりがな]オーバーキル[/ふりがな]するように何度も何度も右足で踏みつけてはその度小さく硝子が砕ける音がする。
春喰「............兄、さん......」
不遊「............」
神々廻「............」
八尋「[太字]............あはは、君の大切な『お兄さん』死んじゃったねー?w[/太字]」
八尋「[太字]もう生きる意味もどこにもないねー?[/太字]」
[小文字]不遊「...........狂ってる......」[/小文字]
本当にその通りだった。
春喰「............」
生気を失ったような顔つきの春喰は、ただ「憎らしい」という感情の滲んだ表情だった。
それを僕は見てるだけだった。
______。
[太字]「______勝手にウチの事殺さんといてくれんかな〜?」[/太字]
春喰「......!?」
突如[漢字]眩[/漢字][ふりがな]まばゆ[/ふりがな]い[漢字]躑躅[/漢字][ふりがな]つつじ[/ふりがな]色の光と共に人影が映り、消えていく。
[太字]______直後、翠色の瞳の彼女の首元には木刀が添えられていた。[/太字]
八尋「、っ」
???「おーっとそれ以上は動かんでもらおうかお嬢さん。」
???「[太字]ただ、別に傷つける訳やないから。[/太字]」
八尋「............は?」
???「確かにこの世は、脚光を浴びる人なんて最初から決まっているって思うほど理不尽で、時に残酷で、切ない。」
???「[太字].........でもそれを知って自分で脚光を浴びようとしたあんさんは、頑張ってたよ。[/太字]」
???「[太字]『ちょっとやり方が違っていた』ってだけで、別にそれに何の間違いもない。[/太字]」
[小文字]八尋「............アンタに」[/小文字]
八尋「[太字]アンタに私の何が分かるっていうの......!!分かってないくせに!![/太字]」
???「[太字]............うん、なーんも分からへんよ。[/太字]」
八尋「!?」
???「[太字]もう何も分からへんから、もうこれ以上なんて言葉かけてあげればええかも分からへん。[/太字]」
???「ウチがただ中身のないヤツってだけなのか、もう台詞も用意されとらん脇役なのかは知らんけど.........」
???「[太字].........ウチらは『真実』を知るにはまだ幼かったんやと思う。[/太字]」
八尋「............そっか」
八尋「無駄だったわけじゃないけど.........そっかぁ......無駄だったんだね.........。」
もう髪も乱れてしまい、お世辞にも三つ編みとは言えなかった彼女は、笑っていた。
[太字]今まで見たモノの中で一番自然な笑い方で。[/太字]
[水平線]
???「[太字]______これより禁忌接触、違反により『[漢字]八尋[/漢字][ふりがな]やひろ[/ふりがな] [漢字]翠[/漢字][ふりがな]すい[/ふりがな]』の楽園追放を行う[/太字]」
???「[太字]______『[漢字]気体構築・冷却[/漢字][ふりがな]クリエイト・ブリザード[/ふりがな]』[/太字]」
彼の周りの空気が1、2℃ほど冷たくなった気がした。
[水平線]
???「[太字]______『[漢字]気体構築・冷却[/漢字][ふりがな]クリエイト・ブリザード[/ふりがな]』[/太字]」
突如として緊迫感のある乾いた感じの声が聞こえる。
辺りは一気に騒然とし始めると同時に、寒空の空気がさらに低くなった気がする。
[太字]いや、『そんな気がする』ではなく、『確実に』気温が低くなっている。[/太字]
[太字][斜体][大文字]バリンッ!![/大文字][/斜体][/太字]
八尋「!?」
突如彼女の周り、氷塊が縦横無尽に、それでも獲物を逃さぬよう囲うようなカタチで地中から生える。
いや、空気を急激に氷点下に............?
八尋「何、これ......冷たい、氷.........?」
???「[太字]蒼き水の波紋、我が足元に広がれ!![/太字]」
八尋「ッ、......!?」
???「[太字]渦巻き、怨念となり、全てを覆い尽くし、やがては針と成る!![/太字]」
???「[太字]『[漢字]水針獄零[/漢字][ふりがな]シャレスティ[/ふりがな]』ッ!![/太字]」
[小文字]春喰「.........詠唱魔法?でも何で......」[/小文字]
[太字][斜体]グシャァッ[/斜体][/太字]
春喰「っ、は.........!?」
肉が裂け、えぐられるような音がする。
反射的に見た時にはもう彼女は______
██「..................」
[太字]______全身に小さく、赤黒く深淵にも見えるような穴だらけで悲惨な死体となっていた。[/太字]
刺され出来た血の通り道と水浸しになった地面は混ざり合い、そのままその場に血の湖を作り出す。
[太字][斜体]ッ.........キャァァァァァァァァァ!!!![/斜体][/太字]
生徒の誰かの悲鳴で、それまで止まっていた時間が一気に動き出す。
呑気にスマホを取り出して凄惨なその光景を撮影して笑う男子生徒、
嗚咽混じりに涙を流し仲間に慰められる女子生徒、
そして、ただ立っている事しかできない僕たち。
[太字][斜体]ピンポンパンポーン⤴[/斜体][/太字]
《 えー生徒の皆さんにお伝えします。今すぐ下校をしてください。明日からの日程ですが、決まり次第メールで皆さんにお伝えします。繰り返し、生徒の皆さんに______ 》
夕凪先生の声だった。
後ろではもう足の速い生徒が走り抜けて帰っていく。
中には近くで写真に収めようとする馬鹿の生徒もいた。
[太字][斜体]ピンポンパンポーン⤵[/斜体][/太字]
神々廻「............」
不遊「............」
神々廻「[太字]............帰ろう[/太字]」
春喰「え、でもこれ、どうすれば.........」
神々廻「いいよ。[太字].........僕には、今何かできるような気力がない[/太字]」
とにかくそっとしてほしかった。
春喰「.........兄さん、[太字]夏祭兄さん[/太字]は、どうする.......?」
夏祭「............家に帰りな。こんなに信じられない光景なんや、ゆっくり休んでからいつも通りにするのが一番や」
春喰「............分かった」
[太字]______気づけばもうあの時の三つ編みは、思い出せなくなっていた。[/太字]