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強い風が辺りを吹き抜ける。
思わず誰もが目をつむる。
______。
目を開き、数回瞬きしたあと、前を向き直す。
「............」
赤い光に照らし出され、そこまではなかったはずの黒い人影が見えた。
春喰「.........!」
辺りの床一面には水晶が割れていて、その破片が異常なまでに散らばり落ちている。
八尋「.........結局ここまで誰にも言わなかったの?本当にバカらしいね。」
春喰「.........時間も知らせてない癖して先に動いたのはどこのどいつでしょうね」
八尋「別にいつ動いてもこっちの勝手だよ。だからね.........」
八尋「[太字]【[漢字]水晶監獄[/漢字][ふりがな]プリズム・プリズン[/ふりがな]】『[漢字]乱反射[/漢字][ふりがな]リフレクション[/ふりがな]』[/太字]」
途端周りにあった空白の空間を埋めるように無数のナイフが飛びかかる。
春喰「[太字]【[漢字]死垂[/漢字][ふりがな]しだ[/ふりがな]れ[漢字]桜[/漢字][ふりがな]ざくら[/ふりがな]】『[漢字]桜吹雪[/漢字][ふりがな]ハーミット・ブレス[/ふりがな]』!![/太字]」
ほぼ同時の詠唱。
途端にこちら側からは強い風、追い風が後ろを通っていく。
[太字]僕の前には季節外れの桜の花弁が飛んでいった。[/太字]
花弁はナイフを自身と相殺していき、やがてナイフも桜もその場から消えていく。
八尋「【[漢字]水晶監獄[/漢字][ふりがな]プリズム・プリズン[/ふりがな]】『[漢字]成長の芽[/漢字][ふりがな]グロウアップ[/ふりがな]』」
間髪入れずに攻撃が飛んでくる______
神々廻「.........?」
あれ、攻撃してこな
八尋「あはっ......!!」
[太字][斜体]グシャッ[/斜体][/太字]
神々廻「っ.........!?」
油断したところを不意打ち。割れた水晶の破片が急速に成長して地面がひしゃげる。
反応に遅れてズボンの裾が切れてしまったがどうでもよかった。
不遊「[太字]【[漢字]六面体の言う通り[/漢字][ふりがな]ダイスロール[/ふりがな]】『直葬』!![/太字]」
不遊「[太字]全部吹っ飛べ!![/太字]」
宙に浮いたまま[漢字]六面体[/漢字][ふりがな]サイコロ[/ふりがな]が三つ編みの彼女に向けて一直線に放たれる。
[小文字]八尋「.........効かないのにね」[/小文字]
不遊「は?お前何言って.........
八尋「[太字]『[漢字]水晶の煽惑[/漢字][ふりがな]ビィドローン[/ふりがな]』[/太字]」
瞬きした時にはすでに、彼女に向かっていた六面体は消えてなくなっていた。
彼女はこちらを向いている。
不遊「は!?」
八尋「[太字]『[漢字]全反射[/漢字][ふりがな]プリズムリフレクト[/ふりがな]』[/太字]」
背後に影が増えたのが見えた。
神々廻「ッ!!」
振り返った時にはもう遅くて、宙に舞っていた僕らはそのまま音速で地に返された。
八尋「ふふ......それで本気出してるつもりなの?私ここから一歩も動いてないのに?」
不遊「......それは.........」
八尋「それで本気出してるなんて言われたら私おかしすぎて死んじゃうかもなぁ。」
春喰「勝手に死んでどうぞ。停戦交渉だけなら受付しますけど」
八尋「あ、そうなの?じゃあ.........」
「停戦交渉」と聞いた彼女はすぐさま声色を変えてこちらを向き直す。
正直猫なで声っぽくて感触悪かった。
八尋「物語に出ている君と、そんな事も知らされていない私。」
八尋「[太字]その立場を交換してあげるっていうんだったら、私はこれ以上手を出さないよ。[/太字]」
八尋「笑顔なんて何回も練習した。ほら。」
そう言って僕たちに見せる笑顔は自然なものなんかではなく、ただ取ってつけたような偽物の笑顔。
八尋「.........どうするの?」
春喰「............もし仮に、僕らに拒否権があったとして」
春喰「[太字]そしたら君はどうするの。[/太字]」
八尋「............」
八尋「[太字]もちろん、粉々にしてあげるだけ。[/太字]」
春喰「分かった。それが君の答えね.........うん、分かった。答えも出た。」
[小文字]春喰「............やっぱ」[/小文字]
春喰「[太字]やっぱ答えはNoだよ!![/太字]」
その叫び声に呼応して一等強い風が吹き抜けた。