全部上書きして【Lier's world】【Thanks for 2000 views over!!!!】
佐々木「[太字]『[漢字]我が身に幸福を[/漢字][ふりがな]ラックハンド・マイン[/ふりがな]』!![/太字]」
斬撃が跳ね返る。
そのままそれを繰り出した主の元へ帰っていく。
[太字]まるで外で散々はしゃいだ子どもが鐘の音を聞いて家に飛び込むようにして。[/太字]
レモン「.............幸福、......」
ただ、彼女の目の前には______
[太字]______紅い斬撃が広がるだけだった。[/太字]
[水平線]
[太字][斜体]カラーン、[小文字]カランカラン......[/小文字][/斜体][/太字]
「..............っハァーッ、げほっごほっ..............」
アスファルトに微量の血の雨が滴る。
無論、そこから雨の日に感じるコンクリートの匂いはしない。
佐々木「..............」
[斜体][太字]コツ、コツ、コツ、[/太字][/斜体]
鉛「佐々木先輩.........!?」
朝露「お、おい危ないぞ............!」
佐々木「.................」
レモン「............何?」
佐々木「............。」
彼は、佐々木は、ただ、無言で______
[太字]彼女に手を差し伸べた。[/太字]
レモン「...............」
佐々木「.........まだ、まだあなたならやり直せる。」
レモン「............どこにも、やり直せる要素なんかない。死にでもしない限りは。」
レモン「[太字].........アンタは私に死ねって言ってるの?[/太字]」
レモン「[太字]私はずっと『幸せ』なんて知りもしないまま、1人の『ヒト』なんかじゃない、ずっと『モノ』としてしか扱われなかった私に?[/太字]」
佐々木「............そんな事はないです。」
佐々木「あなたがどれほどの痛みを知ったか、『神様』でも何でもない、私にはそんなの分からない。分かるわけない。」
レモン「............」
佐々木「............失うものがないなら、それで死にたいというのなら、私は別にそれを止めるつもりはありません。」
佐々木「............でも、私は.........失うものがないなら、死にたいなら、失えるものを探して、見つけて.............[太字]作ればいいと思うんです。[/太字]」
佐々木「[太字]それを、人々は『思い出』だなんて呼びました。[/太字]」
佐々木「............1人でも構わないし、私たちといたって構わない。」
佐々木「[太字]私は..........私は、誰かを救う、誰かの『神様』でいたい。[/太字]」
佐々木「[太字]............だから私は、あなたにとっての『神様』でありたい。[/太字]」
佐々木「[太字]だから、手を差し伸べているだけです。[/太字]」
佐々木「[太字]この手を取るかどうかは、全部あなた次第です。[/太字]」
佐々木「[太字]何をするにも、あなたが決めてもらって構わないです。[/太字]」
[小文字]レモン「______全部自分次第、ねー..............」[/小文字]
[太字]レモン「.............答え、出たよ。」[/太字]
佐々木「..............。」
レモン「..........私は______ 」
レモン「[太字]______やっぱり、あんたらが憎い。[/太字]」
レモン「[太字]憎くて憎くてたまらないの。[/太字]」
レモン「欲しいものに目を向けるばかりで、それを手に入れるどころか全部失って...............」
レモン「[太字]それでも手に入れたかった『幸せ』というモノ。[/太字]」
レモン「[太字]それをただ生きているだけで手にしていられる...............[/太字]」
レモン「[太字]______[漢字]あんた[/漢字][ふりがな]佐々木[/ふりがな]が憎い。[/太字]」
[太字][斜体][大文字]グシャァッ[/大文字][/斜体][/太字]
[小文字]佐々木「っあ............」[/小文字]
朝露「佐々木さんッ!!」
[小文字]捨て飯「ッあ............」[/小文字]
[小文字]鉛「あ.........いや、先輩............」[/小文字]
形を保っていた肉が、段々と壊されるようなはち切れる嫌な音がする。
聞きたくない。
レモン「[太字]『何してもいい』って言ったのはあなたですからね〜?w[/太字]」
レモン「はは、あはははは............これが私の『幸せ』なんですよ、これが私の求めるモノなんですよ.........!」
佐々木「[太字]ああああああああああっ.............!!!![/太字]」
朱肉「............ッ、ゲホッゲホッ............」
夕凪「.........どこで歪んだんだよ、その認識..............」
レモン「歪んでる、って............どこも歪んでないっすよ。これが私にとっては『幸せ』です。」
レモン「[太字]私が『幸せ』でいられる唯一の方法なんです。[/太字]」
鉛「.............ぁ、じゃぁ通り魔、殺人も.................」
レモン「あぁ〜............よく分かったね〜。そうだよ。あの人たちを殺したのも全部私。全部私がやって、その全部が私の『幸せ』のため。」
鉛「そんなの、[小文字]どうして..............[/小文字]」
レモン「にしても.........随分と頭回るんだね?あんたの大事な先輩、こんなんなってんのに?」
鉛「.............ち、ちが
レモン「[太字]あーあー、何も違ってなぁーい、何も間違ってなぁーい。[/太字]」
レモン「[太字]大事な先輩を見捨てちゃう薄情者の後輩ちゃーん。[/太字]」
佐々木「.........ッぁあああああぁ............っ」
ぐちゃり、ぐちゃりと刺された傷口を包丁でかき回される。
血がドクドクと溢れ出ていく。
鉛「違う、違う違う違う............!」
レモン「あはははは.............何も違ってないのにねぇ〜!?何で違うなんて言ってるの〜!?」
佐々木「...............それ以上私の後輩のことを悪く.............悪く言わないでください..........!!」
レモン「ん〜さっき何か聞こえた気がしたけどなんて言ってたんだろ〜な〜w」
佐々木[太字][大文字]「______それ以上俺の後輩を悪く言うんじゃねぇって言ってんの、分かんねぇのか!!」[/大文字][/太字]
鉛「............!?」
[小文字]朝露「うえっ」[/小文字]
夕凪「............え、今佐々木さん..........え?」
朱肉「..............」
捨て飯「............ッ」
佐々木「[太字]さっきからずっと俺の後輩のこと見下して笑って............何が楽しいんだよ!![/太字]」
レモン「...............。」
レモン「[太字]..............あんた、誰なの?[/太字]」
レモン「明らかに喋り方も一人称も変わってる...........」
レモン「[太字]佐々木とか言うその幸せな人にいるあんたは、誰なの?[/太字]」
???「あ?お前みたいなクズに名乗る義務はないね。」
???「.........いや、冥土の土産って事で特別にしてやるよ。俺を怒らせた冥土の土産だ。」
???「俺の名前は[太字] " 鈴木 " [/太字]、.........そして」
鈴木「[太字]この身体を持ってる[漢字]あいつ[/漢字][ふりがな]佐々木[/ふりがな]の、もう一つの人格ってもんだ。[/太字]」