全部上書きして【Lier's world】
朱肉「ッレモンさん............」
レモン「[太字]ほら感傷に浸ってる場合かなぁっ!?[/太字]」
[太字][大文字][斜体]グシャァッ[/斜体][/大文字][/太字]
その刃が織りなす一撃一撃は重く、[太字]コンクリートの地面がいとも容易くひしゃげていく。[/太字]
朝露「[太字]【謝肉祭】[/太字]............ッ」
[小文字]朱肉「レモンさん.........」[/小文字]
レモン「...............アンタたちは大して戦闘向きでもないその力たちで私に太刀打ちできるなんて思ってるんだね。」
佐々木「............だから何だって言うんですか。」
レモン「.........いや?[太字]あんたら本当に愚民だなーってだけだよ。考えれば無理なもんだって分かるのにそれでも今こうやって私の前にいるんだからさぁ!![/太字]」
瞬間、赤黒い鮮血のような色をした斬撃が飛ぶ。
朱肉「[太字]『揺り籠の大樹』ッ.........![/太字]」
直後、
[太字][斜体][大文字]バリッ[/大文字][/斜体][/太字]
という、何か勢いよくせんべいの割れたような音と共に、樹木の壁の破片が飛び散る。
それでもなおくっきりと形を保ったままの斬撃がこちらに真っすぐ飛んでくる。
朱肉「ッ............!」
レモン「あはっ、[漢字]あの時[/漢字][ふりがな]事変[/ふりがな]みたいに防げると思ったのかなぁ?w」
レモン「[太字]そのまま八つ裂きにされな!![/太字]」
車に轢かれる直前、固まってその場に留まってしまう猫のように、
その場で死を悟り目をつむる。
あぁ、もう助からないんだ______
夕凪「______朱肉、左に飛べ!」
朝露「______朱肉、左に飛べ!」
朱肉「え?」
夕凪「早く!」
.................あぁ、そうだ。
私には.................
大切だと思える、そんな心から支えてくれる仲間が、今、私にはいるんだ______
[水平線]
朱肉「ッ......どうにでもなれぇーーーっ!!」
刹那、紅い斬撃が背中をかすめる。
風でなびいた髪先が切れた感覚がした。
[斜体]ズサーッ[/斜体]
捨て飯「あ、朱肉さん大丈夫ですか!?」
朱肉「だ、大丈夫.........擦りむいたくらい」
捨て飯「一応能力使って治しときますんで........朱肉さん、頑張ってください」
朱肉「..............うん。捨て飯さんも無理しないでね。」
捨て飯「いえいえ............私には、[太字]"こんな事"[/太字]しかできませんから。[小文字]力になれなくて不甲斐ないです[/小文字]」
朱肉「.............いや、"そんな事"なんかじゃないよ。十分すごい事だと思う。」
朱肉「...........僕、頑張ってくるよ。」
捨て飯「分かりました。にしても.........」
レモン「はぁ、はぁ、はぁ............!」
捨て飯「やはり一撃一撃が重いのか、体力も多く使うみたいですね。」
朱肉「でも魔力的にはたくさん打てるから、僕の魔力器官だと全部相殺ってのは出来なさそうなんだよね...........」
レモン「..............っ!!」
夕凪「...........来た」
レモン「[太字]まとめて飛ばす..........![/太字]」
夕凪「至近距離でやろうたってそうは行かねぇ............
夕凪「.........あ」
横目で微かに、なびく黒色の髪が見えた気がした。
レモン「[太字]............だからまとめて飛ばすって言ったじゃん。[/太字]」
夕凪「............佐々木さん!!」
佐々木「.............夕凪さん。私は大丈夫です。」
夕凪「は?何言って______ 」
佐々木「[太字]私の力のこと、もう忘れちゃったんですか?[/太字]」
夕凪「................あ」
佐々木「.............幸福の女神よ、我が身に集い我が身にその[漢字]叡智[/漢字][ふりがな]えいち[/ふりがな]を捧げよ______ 」
佐々木「[太字]『[漢字]我が身に幸福を[/漢字][ふりがな]ラックハンド・マイン[/ふりがな]』!![/太字]」