全部上書きして【Lier's world】【Thanks for 2000 views over!!!!】
[中央寄せ]佐々木side[/中央寄せ]
会社からの帰り道。
冬頃の5時とはもう日暮れも近しいもので、辺りは薄暗くちらほらと街灯の光が建物のガラス反射越しに見える。
鉛「いや〜さっむいですね〜〜〜.........」
佐々木「そうですね〜本当.........そろそろ息が白くなってきてもいい頃じゃないですかね」
さらにこの時期となればクリスマス。私の後ろの正面、駅前はイルミネーションの光彩に溢れている。
そしてとてもじゃないけど寒い。
鉛「.........行きます?」
佐々木「え?」
鉛「いや、先輩行きたいのかな〜、って」
どうやら朝露さんのお店を横目で見てたのがバレていたらしい。目ざといなぁ。
佐々木「あぁ.........じゃあ行きましょうか?私奢りで。」
鉛「えっいいんですか!?じゃあ今日寒いしラーメン食べよ.........」
佐々木「いいですね〜。私もラーメンにしましょうかね〜.........」
そう思っていると、街灯とイルミネーションをかき消してしまいそうなほどの閃光が、ガラスの反射越しに映る。
[太字]その光彩は、赤かった。[/太字]
その光彩は一瞬放心する私たちを置いてけぼりにして、すぐに過ぎ去っていった。
[太字]遠ざかっていくごとに小さくなっていき、ドップラー効果で段々重低音となっていく、けたたましいサイレンの音と共に。[/太字]
[水平線]
朝露side
鉛「さむいさむいさむいさむい(((」
佐々木「ラーメンフタツゥゥゥゥゥッ!!!!⤴」
朝露「はいはい......できる限り早く作るわ()」
佐々木「オネガイシマス......((」
今日も来てくれた2人。寒さで縮まってるのか今日は炒飯じゃないんだなーなんて思いながら作業中。
夕凪「イルミネーションまぶしー......」
朱肉「バ◯スってあんな感じなんですかね〜.........」
夕凪「多分もっと酷いぞ」
朱肉「そっか(´・ω・`)」
確かに、ガラス越しに見えるイルミネーションは眩しかった。
朝露「はいラーメンできたぞ〜」
鉛「あーありがとうございます.........アツッ」
佐々木「鉛さんそんな焦らなくても.........アッツ」
夕凪「どっちもどっちじゃねーか((」
こうやって客足の少ない日は知り合いだけで談笑なんてことはよくある。
こうやって息抜きみたいに喋ってられるのが何より幸せだ。
佐々木「あ、そう言えばなんですけど.........」
朝露「どうした?相談事か?」
佐々木「まぁちょっと違うんですけど、気になったって言うか。」
佐々木「さっきこの辺、[太字]パトカーとか救急車通りませんでしたか?[/太字]」
朝露「パトカーとか救急車.........?」
朱肉「あ、それなら.........僕見たよ。パトカーなら2台いた。」
朝露「あ、そうだった?.........でもそれがどうかしたのか?」
佐々木「.........いや、気にかかったことが1つあって............」
[斜体]ブーッ ブーッ[/斜体]
スマホの振動音がポケットに響き渡る。
夕凪「おぉ何だなんだ.........?」
他のみんなも、外にいる見知らぬ人々も、スマホに目を通す。
きっと友達からの着信とか連絡か、とか思っているのだろう。
[太字]そんな事はなかった。[/太字]
《 連続通り魔殺人事件、また発生か 今度は渋谷のトンネルで 》
ニュースの速報、今じゃ有名なあの通り魔殺人だった。
なーんだ、友達からのメールだって期待した俺が馬鹿だったか.........なんて頭の中で呟きながらスマホをポケットに______
佐々木「............やっぱりだ」
朝露「............え?」
佐々木「.........やっぱり、やっぱりそうだ............」
その声はわずかに震えていた。
佐々木「全部、点と点が線になって繋がったんです。」
朱肉「え?......え???」
朱肉のような反応をするのが普通だろう。
なのに夕凪は朱肉を抱えたまま固まって、鉛は薄々察したみたいな顔をしている。
朝露「えっとー.........説明please」
佐々木「今するところです」
佐々木「.........一応これは仮説って前提で、もしこれが本当の事だったら驚かないでほしいです」
佐々木「[太字]______これは私にだって信じられないことなので。[/太字]」
朝露「............うん。」
夕凪と朱肉も黙って頷くばかりだ。
佐々木「私が思ったのは............」
佐々木「[太字]______レモンさん。.........彼女こそが、『連続通り魔殺人』の犯人なんじゃないかなって。[/太字]」