全部上書きして
[中央寄せ]夕凪side[/中央寄せ]
[斜体]ツー、ツー、ツー、.........[/斜体]
夕凪「[小文字]......『待ってる』って、何だよ............[/小文字]」
テレビの中毒的な照明に顔が照らされる。
その耳をつんざくようにそれは聞こえる。
《速報です。渋谷区スクランブル交差点にて、突如大樹が生えたとの速報が入りました。》
《『事変』のおそれもありますので、無能力者の方々は速やかに避難を、能力者の方々は無理せず、できるだけ対処の支援をお願いします。》
そこには、だだっ広い横断歩道の道の光を覆うほどの大樹が生えていた。
夕凪「[太字][小文字].........[漢字]生階[/漢字][ふりがな]きかい[/ふりがな]?[/小文字][/太字]」
もはや心当たりしかなかった。
[漢字]蕉創[/漢字][ふりがな]しょうそう[/ふりがな]高校の1年生、[太字][漢字]生階[/漢字][ふりがな]きかい[/ふりがな] [漢字]朱肉[/漢字][ふりがな]しゅにく[/ふりがな]。[/太字]
最近はずっと不登校生だったが、抱え込んでいたのか............
夕凪「.........待ってるんだったら、行かなきゃ.........!」
もっと早く気づけていれば良かったのだろうか。
.........いや、言えてないんだから気づくこともなかったか。
[水平線]
[中央寄せ]朱肉side[/中央寄せ]
人々は[漢字]無機質な目[/漢字][ふりがな]カメラ[/ふりがな]を、まるで僕の[漢字]世界樹[/漢字][ふりがな]歴史[/ふりがな]が異常と言わんばかりに見ている。
[太字]その目が、その声が、その全てが、汚らわしい。[/太字]
世界樹の中、何も見えない空間で1人明かりを灯してうずくまっていた。
まだ誰もが幸せだった、あの頃______
[太字]______僕に自我なんてなかった時のように。[/太字]
揺り籠の中で1人、温もりに包まれながら、[漢字]じもんじとう[/漢字][ふりがな]自問自答[/ふりがな]する。
おこっているのは、だれ?
かなしんでいるのは、だれ?
しあわせそうなのは、だれ?
くるしんでいるのは、だれ?
ないちゃっているのは、だれ?
いたそうにしているのは、だれ?
ぼくはちがう。おかしいのはお前らなんだ。
お前たちは、ぼくはうまれないでいることこそ.........
[太字]「普通」でいられる唯一の方法とでも言ってるんだろ。[/太字]
そう気づいたなら、この憎悪をどこにぶつければいいのかなんてとっくに分からなくなっていた。
[太字]この痛みが分からないって言うのなら無理やりにでも分からせる。[/太字]
それしか思いつかなかった。
______「ごめんなさい」なんて謝罪の言葉など、人々に言うまでもない。
[太字]僕が、楽して生きてる君たち暇人の相手してあげるんだからさ。感謝しなよ?[/太字]
朱肉「心の森に潜む欲念よ 罪深き肉体を越えその手を伸ばせ」
朱肉「[漢字]蹂躙[/漢字][ふりがな]じゅうりん[/ふりがな]の[漢字]愚見[/漢字][ふりがな]ぐけん[/ふりがな]よ 善くするがままに絡みつき、絞め殺せ」
朱肉「[太字][漢字]グリムゾーン・グリードバイド[/漢字][ふりがな]木々の目覚め[/ふりがな][/太字]」
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