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全部上書きして

#10

そんなの、『トモダチ』ではないから




朱肉「[小文字]______は?[/小文字]」







???「あれ、聞こえなかった?もう一度言うよォ?」











???「[太字]トモダチからも『道具』としか見られてないって言ったらどう思うって、言ってんの。[/太字]」











朱肉「[小文字]......それって、どういう............[/小文字]」







???「お父さんはボクのことを『道具』としか見ていなかったのと同じなんだ。」





???「『道具』としか見てないのは、トモダチも同じだって言ってるだけだよ。」







朱肉「.........どこにそれを証明するものがあるって言うんだ」







???「あるよ。ここに。」











そう言うと目の前のそれは何かを取り出す。











朱肉「[小文字]ボイスレコーダー............[/小文字]」







???「お、当たり〜♪」





???「じゃあ再生するよ〜?」











[斜体]ザザッ.........[/斜体]







《.........朝露?》











一番に聞こえたその声には、当然だと思うが聞き覚えのある声だった。











朱肉「[太字][小文字]え、先生.........[/小文字][/太字]」











僕のことを受け入れてくれた、先生の声だった。











《ん〜、どした?その感じ愚痴でも聞いてくれってか?》









《はぁ......何でこうもすぐ察せられるんだか》









《こっちだって好きで感じ取ってるわけじゃないんだって......こっちの気持ちも分かってくれよ夕凪〜》











朝露さん............彼も一度だけ会ったことはあったけど、見た目以上に優しかったのを鮮明に覚えている。





人ってやっぱり見た目で判断するものじゃない、けど.........











《はぁ.........そうだよ、愚痴聞いてくれないか?》









《もちろん。俺ら親友だろ?》









《あぁ、ありがとう。まぁ俺の生徒の話なんだが.........》









《あー、やっぱストレス溜まるもんなの?》









《まぁな。んで、その中に不登校のヤツがいるんだけど.........》











イヤだ。もうこれ以上聞きたくない............。





そう思って耳を塞ぐけど、それを許してくれる世界なんかあるわけなかった。











???「ダメだよ?耳塞いだりしちゃァ」





???「[太字]人の話はちゃんと聞かなきゃ、でしょ?[/太字]」







朱肉「[小文字]ッあ......[/小文字]」











両手をツルのようなもので結ばれ、耳元にボイスレコーダーを当てられ、







録音機越しに言の葉が"私"に刺さる。





















[大文字]《そいつ性転換してんだよ。気持ち悪くないか?》[/大文字]











朱肉「ッあ、イヤ.........」











《え、それっていわゆるジェンダーってヤツ?》









《いや、そいつ自身はそのジェンダーってヤツじゃねーって話らしい。》









《え、もっと気持ち悪いじゃん.........》









《そんなんで不登校になって被害者ぶってるんだぜ?笑えるよホント。》





《今度鬱憤晴らしに殴ってやるとかしてやろうかな.........》









《おいやめとけってw まぁそうだな〜.........少なくとも何かしらの役には立つだろ。》





《適当に[漢字]奴隷[/漢字][ふりがな]道具[/ふりがな]にでもするのはどうだ?》









《.........ありだな。》











アハハハハ.........と言って録音機の声は途切れた。





[太字]最後まで私を嘲笑っているかのように。[/太字]











???「これで信じてもらえたかな?」







朱肉「............」







???「まだ信じられないって言うなら、まだ別の人の分も録音してあるけど.........」







朱肉「............信じるって言ったら、僕には何の得があるの。」







???「別に何かがあるわけじゃないけど.........」





???「[太字]まぁ、ちょっとの協力くらいはしてあげる。[/太字]」











朱肉「______分かった。全部信じるよ」





朱肉「キミが僕だってことも、その声も。全部、全部。」











???「うん、いいお返事だね!」





???「さぁ行こう、『道具』としか見ていないトモダチを、ボクたちで正してあげるんだ!」







朱肉「......もうその人たちを『トモダチ』なんて言う必要はないよ。だって___」





















朱肉「[太字]______そんな人、僕らからしたらただの『汚物』でしかないんだ。[/太字]」







朱肉「[太字]今こそ僕たちで消毒して、正してあげなきゃなんだ。[/太字]」





このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

10話でちょうどキリが良くなるんでちゃちゃっと最新話載せました。

人の闇堕ちを書きながら食うポテコは世界一うまいですね。すごく、とても。

このお話バッドエンドにしてあげようかな。ポテコ美味しくなるし。

2024/11/29 19:11

炙られまぐろ ID:≫ipAZHid6FOeE2
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