全部上書きして
朱肉「[小文字]______は?[/小文字]」
???「あれ、聞こえなかった?もう一度言うよォ?」
???「[太字]トモダチからも『道具』としか見られてないって言ったらどう思うって、言ってんの。[/太字]」
朱肉「[小文字]......それって、どういう............[/小文字]」
???「お父さんはボクのことを『道具』としか見ていなかったのと同じなんだ。」
???「『道具』としか見てないのは、トモダチも同じだって言ってるだけだよ。」
朱肉「.........どこにそれを証明するものがあるって言うんだ」
???「あるよ。ここに。」
そう言うと目の前のそれは何かを取り出す。
朱肉「[小文字]ボイスレコーダー............[/小文字]」
???「お、当たり〜♪」
???「じゃあ再生するよ〜?」
[斜体]ザザッ.........[/斜体]
《.........朝露?》
一番に聞こえたその声には、当然だと思うが聞き覚えのある声だった。
朱肉「[太字][小文字]え、先生.........[/小文字][/太字]」
僕のことを受け入れてくれた、先生の声だった。
《ん〜、どした?その感じ愚痴でも聞いてくれってか?》
《はぁ......何でこうもすぐ察せられるんだか》
《こっちだって好きで感じ取ってるわけじゃないんだって......こっちの気持ちも分かってくれよ夕凪〜》
朝露さん............彼も一度だけ会ったことはあったけど、見た目以上に優しかったのを鮮明に覚えている。
人ってやっぱり見た目で判断するものじゃない、けど.........
《はぁ.........そうだよ、愚痴聞いてくれないか?》
《もちろん。俺ら親友だろ?》
《あぁ、ありがとう。まぁ俺の生徒の話なんだが.........》
《あー、やっぱストレス溜まるもんなの?》
《まぁな。んで、その中に不登校のヤツがいるんだけど.........》
イヤだ。もうこれ以上聞きたくない............。
そう思って耳を塞ぐけど、それを許してくれる世界なんかあるわけなかった。
???「ダメだよ?耳塞いだりしちゃァ」
???「[太字]人の話はちゃんと聞かなきゃ、でしょ?[/太字]」
朱肉「[小文字]ッあ......[/小文字]」
両手をツルのようなもので結ばれ、耳元にボイスレコーダーを当てられ、
録音機越しに言の葉が"私"に刺さる。
[大文字]《そいつ性転換してんだよ。気持ち悪くないか?》[/大文字]
朱肉「ッあ、イヤ.........」
《え、それっていわゆるジェンダーってヤツ?》
《いや、そいつ自身はそのジェンダーってヤツじゃねーって話らしい。》
《え、もっと気持ち悪いじゃん.........》
《そんなんで不登校になって被害者ぶってるんだぜ?笑えるよホント。》
《今度鬱憤晴らしに殴ってやるとかしてやろうかな.........》
《おいやめとけってw まぁそうだな〜.........少なくとも何かしらの役には立つだろ。》
《適当に[漢字]奴隷[/漢字][ふりがな]道具[/ふりがな]にでもするのはどうだ?》
《.........ありだな。》
アハハハハ.........と言って録音機の声は途切れた。
[太字]最後まで私を嘲笑っているかのように。[/太字]
???「これで信じてもらえたかな?」
朱肉「............」
???「まだ信じられないって言うなら、まだ別の人の分も録音してあるけど.........」
朱肉「............信じるって言ったら、僕には何の得があるの。」
???「別に何かがあるわけじゃないけど.........」
???「[太字]まぁ、ちょっとの協力くらいはしてあげる。[/太字]」
朱肉「______分かった。全部信じるよ」
朱肉「キミが僕だってことも、その声も。全部、全部。」
???「うん、いいお返事だね!」
???「さぁ行こう、『道具』としか見ていないトモダチを、ボクたちで正してあげるんだ!」
朱肉「......もうその人たちを『トモダチ』なんて言う必要はないよ。だって___」
朱肉「[太字]______そんな人、僕らからしたらただの『汚物』でしかないんだ。[/太字]」
朱肉「[太字]今こそ僕たちで消毒して、正してあげなきゃなんだ。[/太字]」
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