都市伝説のサガシカタ
家から徒歩13分の場所にある、古い家屋やビルが建ち並ぶ中で、少しだけ飛び出ている商業ビル。
[明朝体][斜体]目的地に到着しました[/斜体][/明朝体]
無機質な音声が、シンとした町中に響き渡る。人通りは無く、人が住んでいるかすら分からない。最も、土地勘的なものが無いから、わからないけど。
事前に下調べをして、このビルの中に入ってる店は全て営業していない、と言う事は確認済み。
「……よし」
私は、埃が積もる商業ビルに立ち入る。閉店した店を横目にしつつ、前へと進んで行く。エレベーターを見て、心が弾む。だけど、ここからが本番。油断は禁物だ。
あたりに誰もいない事を確かめて、エレベーターに乗り込む。
『4階』と書かれたボタンを押す。心配してたけど、動かないなんて事は無かった。
4階につき、ドアが開く。だけど降りずに、2階のボタンを押す。
[明朝体][斜体]ドアが閉まります[/斜体][/明朝体]
ドアが閉まり、下へ降りていく。
2階に着く。長いなぁ。と思いつつ、6、2、10、と階に着くたびにボタンを押していく。
[明朝体][斜体]10階です[/斜体][/明朝体]
よし、次だ。私は5階のボタンを押す。
下へ降りる。ここで女性が乗ってくれば───
[明朝体][斜体]5階です[/斜体][/明朝体]
ドアが開く。すると、若い女性が乗ってきた。
もうすぐだ。と思うと、ウキウキした。ようやく、この世界から出られる。
1階のボタンを押す。
やめないよね、と自問自答をしたら、やめるわけないって返ってきた。だよね、とも思う。
エレベーターは1階ではなく10階に上がっていく。どういう事?とも思うけど、そこを含めての都市伝説だよね。
途中で落ちていく感覚と大きな音、激しい衝撃があった気がしたけど……気にしない。
ま、まぁビルの9階を通り過ぎる。これで、実質成功だから……!これで、私は異世界に───!
[明朝体][斜体]10階です[/斜体][/明朝体]
ドアが開く。その先にあるのは───
「よ〜こそ異世界へっ!都市伝説探し隊へのお客様〜!」
部屋だった。
「……は?」
なんか、違う?いや、異世界なの?でも異世界って言ってたよね?
苦し紛れに後ろを向けば、ドアが閉まるところだった。よく見れば、女性が居なくなっている気もする。
「ここは?」
「異世界だよっ!」
やっぱ、異世界だ。この怪談は、本当だったんだ。でも、ねぇ……
「第一何なの?都市伝説探し隊って」
「え?都市伝説を検証していく集団。まだあたし含めて2人しか居ないけどね〜!」
うん、陽キャ。とか思いつつ、私は辺りを見回す。
割とちゃんとした作りだ。ソファやテーブルや、テレビまである。
[小文字]「……新入り?」[/小文字]
か細い声が、奥から聞こえた。
[明朝体][斜体]目的地に到着しました[/斜体][/明朝体]
無機質な音声が、シンとした町中に響き渡る。人通りは無く、人が住んでいるかすら分からない。最も、土地勘的なものが無いから、わからないけど。
事前に下調べをして、このビルの中に入ってる店は全て営業していない、と言う事は確認済み。
「……よし」
私は、埃が積もる商業ビルに立ち入る。閉店した店を横目にしつつ、前へと進んで行く。エレベーターを見て、心が弾む。だけど、ここからが本番。油断は禁物だ。
あたりに誰もいない事を確かめて、エレベーターに乗り込む。
『4階』と書かれたボタンを押す。心配してたけど、動かないなんて事は無かった。
4階につき、ドアが開く。だけど降りずに、2階のボタンを押す。
[明朝体][斜体]ドアが閉まります[/斜体][/明朝体]
ドアが閉まり、下へ降りていく。
2階に着く。長いなぁ。と思いつつ、6、2、10、と階に着くたびにボタンを押していく。
[明朝体][斜体]10階です[/斜体][/明朝体]
よし、次だ。私は5階のボタンを押す。
下へ降りる。ここで女性が乗ってくれば───
[明朝体][斜体]5階です[/斜体][/明朝体]
ドアが開く。すると、若い女性が乗ってきた。
もうすぐだ。と思うと、ウキウキした。ようやく、この世界から出られる。
1階のボタンを押す。
やめないよね、と自問自答をしたら、やめるわけないって返ってきた。だよね、とも思う。
エレベーターは1階ではなく10階に上がっていく。どういう事?とも思うけど、そこを含めての都市伝説だよね。
途中で落ちていく感覚と大きな音、激しい衝撃があった気がしたけど……気にしない。
ま、まぁビルの9階を通り過ぎる。これで、実質成功だから……!これで、私は異世界に───!
[明朝体][斜体]10階です[/斜体][/明朝体]
ドアが開く。その先にあるのは───
「よ〜こそ異世界へっ!都市伝説探し隊へのお客様〜!」
部屋だった。
「……は?」
なんか、違う?いや、異世界なの?でも異世界って言ってたよね?
苦し紛れに後ろを向けば、ドアが閉まるところだった。よく見れば、女性が居なくなっている気もする。
「ここは?」
「異世界だよっ!」
やっぱ、異世界だ。この怪談は、本当だったんだ。でも、ねぇ……
「第一何なの?都市伝説探し隊って」
「え?都市伝説を検証していく集団。まだあたし含めて2人しか居ないけどね〜!」
うん、陽キャ。とか思いつつ、私は辺りを見回す。
割とちゃんとした作りだ。ソファやテーブルや、テレビまである。
[小文字]「……新入り?」[/小文字]
か細い声が、奥から聞こえた。
※ダブルクリック(2回タップ)してください