ガラガラッ！

勢いよく開いたドアから登場したのは、ツインテールをした茶髪の女の子。顔も私と真逆で可愛かった。これは、私は関われなさそうだ。

先生『じゃあみんなの前で自己紹介してくれ。』


[漢字]張[/漢字][ふりがな]チョウ[/ふりがな][漢字]花琳[/漢字][ふりがな]ファリン[/ふりがな]『初めまして！張花琳です！よろしくね！』


…中国の方か？名前を見てすぐにそう判断した。それにしてもとても可愛い名前だ。容姿も可愛いのに、いろいろこの人には可愛い要素がたくさん詰まっている。

私なんて、全然可愛くないのに…。

先生『えっと、じゃあ張さんはあの空いてる席の方へ。』

先生はそう言って、空いている席の方を指差した。窓側の一番端の席で、まあまあ外も見れるしいい席だ。私は目が悪いため、2列目の前の方にいる。

張花琳さんは指さされた方をじっと見つめて、こう言った。

花琳『う〜ん、私あの席嫌です。』

花琳『私、ここの席がいいです。』

花琳さんはそう言って、私の隣の席を指さした。

私の隣の席は、学校にほとんど来ない所謂不登校の子の席だ。その子が前に学校に来たのはいつだっただろうか。少なくとも、ヘアンナと入れ替わっていた前に来ていたのは、春のことだっただろう。

それにしても、なんでよりによって私の隣の席なの…！？

『委員長と隣いいじゃーん。』
『先生OKしてあげて！』

後ろの方から、女子からの後押しがされている。どうやら、花琳と隣になりたくないのだろう。このクラスの大抵の女子は何故か、可愛さで勝負しているのか、突然入ってくる転校生のことをライバル視しているのだろう。

先生『まあ…、じゃあいいか。』

そう言って、先生は不登校の子をさっきの空いていた席の方へ持って行った。花琳さんは私の方を見てこう言った。

花琳『こんにちは！』

花琳さんはそう笑顔で言った。やっぱり可愛い。けれどその可愛さに辿り着けない私に何故か自分は嫉妬したように感じた。

文美『こ、こんにちは。』

恐る恐る私は返事をした。先生が机を持ってきてくれたため、花琳は隣に座った。

すると、突然花琳は私に近づいて、耳元でこう囁いた。




花琳『[太字]初めまして。[大文字][下線]へアンナ[/下線][/大文字]さん。[/太字]』





え、なんで。

なんで、へアンナのこと知って…！？