もう一度逢いたい。
のろのろと階段を下り、リビングに入る。
電気なんてついているはずがなくて、ただ無駄に広い空間が余計に静けさを増させていた。
台所に入って、冷蔵庫を開く。そこには、ご丁寧にタッパーに閉じられた漬物や作り置きされているスープ、皮を剥いて皿に盛られたりんごが並んでいた。
これ、多分だけど僕のためだよな。前までこんなことしてなかったし。
自分が仕事で家にいない間、僕が食料に困ることがないよう、作り置きしているんだろう。
別にこんなことしなくてもいいし、たのんでないのに。こんなことする余裕があるのなら、もう少し自分のこと考えてほしい。
本当は全部知っている。
母さんが父さんのこと、未だに信じれていないこと。
でも心の何処かでは分かっていて、それを認めたくなくて、認められていないだけってこと。
夜中、静かに一人布団にくるまって、涙を流していること。
僕に迷惑掛けまいと、必死に笑顔を貼っつけていること。
その笑顔が少し引きつっていること。
もうとっくに心がズタズタに引き裂かれていること。
知っている。知っているけれど、今の僕には何もできないことも知っている。
だから、何もできないでいる。
冷蔵庫から流れてくる空気は冷たくて、中の照明はギラギラと眩しく、僕をその場から離してくれない。
開けっ放しであることを知らせるドアアラームが鳴って、ふと我に返る。
麦茶の入ったボトルを取り出し、コップに注いで、一気に喉へ流し込む。
「プハーッ!」
なんだか全てを無かったことにしたくなって、麦茶をまたコップに注いで、再び喉へ流し込んだ。
「無かったことになんか出来る訳ないんだけどな(笑)」
電気なんてついているはずがなくて、ただ無駄に広い空間が余計に静けさを増させていた。
台所に入って、冷蔵庫を開く。そこには、ご丁寧にタッパーに閉じられた漬物や作り置きされているスープ、皮を剥いて皿に盛られたりんごが並んでいた。
これ、多分だけど僕のためだよな。前までこんなことしてなかったし。
自分が仕事で家にいない間、僕が食料に困ることがないよう、作り置きしているんだろう。
別にこんなことしなくてもいいし、たのんでないのに。こんなことする余裕があるのなら、もう少し自分のこと考えてほしい。
本当は全部知っている。
母さんが父さんのこと、未だに信じれていないこと。
でも心の何処かでは分かっていて、それを認めたくなくて、認められていないだけってこと。
夜中、静かに一人布団にくるまって、涙を流していること。
僕に迷惑掛けまいと、必死に笑顔を貼っつけていること。
その笑顔が少し引きつっていること。
もうとっくに心がズタズタに引き裂かれていること。
知っている。知っているけれど、今の僕には何もできないことも知っている。
だから、何もできないでいる。
冷蔵庫から流れてくる空気は冷たくて、中の照明はギラギラと眩しく、僕をその場から離してくれない。
開けっ放しであることを知らせるドアアラームが鳴って、ふと我に返る。
麦茶の入ったボトルを取り出し、コップに注いで、一気に喉へ流し込む。
「プハーッ!」
なんだか全てを無かったことにしたくなって、麦茶をまたコップに注いで、再び喉へ流し込んだ。
「無かったことになんか出来る訳ないんだけどな(笑)」
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