ハァ。最近、目覚めが早すぎる。枕元に置いていたはずのスマホを手探りで探し当てて、電源を入れる。
まだ朝の５時だ。おじいちゃんかよ、と思わず自分にツッコみたくなる。
試しに布団に潜ってはみるものの、眠気は一向に襲ってくる気配がない。
こりゃダメだ。もう寝れん。思い切って布団を足で突き飛ばし、大きく伸びをする。
こんな早く起きても意味無いんだけどな……
学校に行く訳でも、バイトに行くわけでもない。ボーッと一日が過ぎていくのを待つだけ。
だってそのほうが楽じゃん。誰にも何も言われない。人間関係にはいい思い出なんてない。
一人でいる方が、僕には合っている。ただそれだけなんだ。

にしても早く起きすぎたな。さて、どうする。母さんが起きるのは６時過ぎで、今ならリビングにはいない。
一旦お茶でも飲みに行くか。思い立ったら即行動とはいかず、なかなか起き上がれない。
これはまさに、「布団が僕を離してくれない」状態なのではないか。
案外、本当に離してくれないんだな、と訳のわからないことに感動しながら布団から這い出る。
今日はなんだか面白い一日が始まった気がした。