2067年12月25日
雪がハラハラと降り始めている。
どの街からも幸せな雰囲気が流れていて、とても温かい。

どこにでもある家は、今日も人を温めている。
この幸せが、誰に守られたか。誰も知らない。

[中央寄せ]例外を除いて。[/中央寄せ]

「おじいちゃん！おじいちゃん！あのお話して！」
5歳ぐらいの男の子が老人に話しかけている。

「[漢字]大輝[/漢字][ふりがな]たいき[/ふりがな]は本当にその話が好きじゃのう…」
老人は少し考えるような仕草をした。
[漢字]大輝[/漢字][ふりがな]たいき[/ふりがな]と呼ばれたその男の子はキラキラと目を輝かせながら老人の言葉を待っている。

「わかったわかった。話してやろう。」
「ほんとぉ！」
食い気味に声を重ねてきた大輝に呆れながらもに老人が語り始める。


「あれは…わしが中学生の頃…2024年の話じゃ」
もったいぶりながら話す老人の瞳は、あの頃のようにキラキラと輝いていた。

[中央寄せ][大文字]この世界の未来を守る、そんなお話[/大文字][/中央寄せ]