夢を
#1
みんなは小学生の時は、『野球選手になりたい!』とか『アイドルになりたい!』とか言っている。
それに比べたら、僕は夢なんて想像したこともない。叶えたこともない。
そもそも夢を持っていないんだ。毎日よく将来の夢は?って聞かれ、僕は『無い』と答えると、つまらない、何で?、ダッサwって言われる。ここに夢を持つルールなんてないのにね。
でも唯一、僕のことを否定しない人がいた。
『それなら、いっそ夢を持たずに自由に生きてみたら?きっと楽しいと思うよ!』
この言葉で僕は変わった__。
[水平線]
あの人に出会う日は4年前_____。先生に渡された進路を考えるプリントだった。
「進路……。夢はないし、別に何でも良いけどね」
そう考えて、プリントに字を適当に書く。早く宿題を終わらせたいからだ。書いていると隣の席の中性っぽい女子に話しかけられた。
「え〜!進路を考えるのめっちゃ早いね!」
「え………いや…。夢がないから、適当に書いているだけだよ」
「進路を適当に決めちゃうの〜?後悔するよ!」
別に後悔するわけないでしょ……。普通にどっかの会社で働いて普通の生活するだけなんだから。
「あ!それと、夢を持ってないの同じだ!」
「へぇーそうなんだー」
「え?!棒読み!?」
「棒読みで何が悪い」
「何にも悪くはないけど〜!そうだ!君!名前は?」
「僕は[漢字]薇琉[/漢字][ふりがな]らる[/ふりがな]。お前は?」
「ははっ。お前って酷いなぁ。私は[漢字]葉雨[/漢字][ふりがな]はう[/ふりがな]!よろしくね!」
葉雨かぁ。だけど一緒の学年なのにあまり見ない名前だな。
「よろしく」
「じゃあ薇琉は私の友達2号で!」
2号ってなんか…中途半端。どうせなら10号が良かった。
「ヤバっ!!そろそろ帰らなきゃ!……!どうせなら薇琉も一緒に帰ろうよ!」
「は?」
本当に意味が分からない。今日名前を知って一緒に帰るってどういうこと?
「ほらほら!早く帰ろ!!」
「分かった、分かったから腕を引っ張るな!?」
[水平線]
「〜♪〜今日は薇琉と一緒に帰れて嬉しいな〜!」
「それは良かったな」
と、言いながら僕は葉雨に聞きたいことを聞くにはどうしたら良いか考えていると、葉雨は僕の顔をジーッと見てきた。
「え、何?」
「ふっ、私には分かった!薇琉、私に聞きたそうな顔をしているな〜?」
な、何で分かったんだ?極力顔には出さないようにしたのに!
「もしかして図星?」
「あぁ、そうだよ」
「意外と素直に言うんだね」
「嘘は良くないからな」
「…………で、聞きたいことなんだけど葉雨はどうして、夢が無いのにそんな生き生きしているんだ?」
「えーと、それはね…それも個性だと思ってるからかな!」
そう、葉雨は自信ありげに言った。まるで、自分が誇らしく思っているかのように。
「そうなんだ。僕も夢を持ってないけどその気持ちは分からないな」
[中央寄せ]「そっかぁ、それならいっそ夢を持たずに自由に生きてみたら?きっと楽しいと思うよ!」[/中央寄せ]
そう葉雨が言ったこの言葉が僕の胸に大きく刺さった。
「………」
「薇琉?どうしたの?」
「あ…なんでもない」
「そっか。………………じゃあ私はこっちだから!バイバイ!」
「バイバイ」
だけど、僕は少し疑問に思ったことがある。葉雨が行ったところには家なんてないはずだ。なのに行ってしまった。あそこには確か……お墓ならあったような…………………。
「ッッッ!!まさかッッッッ!!!」
一生懸命に葉雨を追いかけたが、どこにもいなかった。あちこちを探し、そして少しキョロキョロしているとある墓と紙が目に入る。
「…炉梅雨家……ってああ!」
衝撃を受けたのは彼女_____葉雨の名前があったことだ。彼女は死んでしまったのだろう。すると次は紙を見た。それは数年前に起きた自殺事件のところだけ切り抜かれた新聞だ。………よく見ると、彼女の写真、名前があり、自殺原因は将来の夢についての重い辛い、いじめだった。
__________時は少し経ち、僕は頬を濡らしながら、
「また来てあげる」
そう言ってこの墓を離れ、少し歩き振り返ると葉雨が笑いながら手を振っていた。そして、僕も振り返す。すると彼女から口パクで
『が・ん・ば・って』
と伝えられ自分は微笑んだ。
『ありがとうね!』
これが彼女の最後の最後の言葉だった。
そして僕は家に帰り、進路計画に書かれた字を全て消して書き直し、夢を持てれた。それは
[中央寄せ][下線]小説作家だ。[/下線][/中央寄せ]
いつか、このことを小説に書いて出版したいと思ったからこの夢にした。
後日彼女のお墓に行き、このことを伝え、家に帰る。
その様子を1人の少女の霊が嬉しそうに彼をずっと見ていた。
それに比べたら、僕は夢なんて想像したこともない。叶えたこともない。
そもそも夢を持っていないんだ。毎日よく将来の夢は?って聞かれ、僕は『無い』と答えると、つまらない、何で?、ダッサwって言われる。ここに夢を持つルールなんてないのにね。
でも唯一、僕のことを否定しない人がいた。
『それなら、いっそ夢を持たずに自由に生きてみたら?きっと楽しいと思うよ!』
この言葉で僕は変わった__。
[水平線]
あの人に出会う日は4年前_____。先生に渡された進路を考えるプリントだった。
「進路……。夢はないし、別に何でも良いけどね」
そう考えて、プリントに字を適当に書く。早く宿題を終わらせたいからだ。書いていると隣の席の中性っぽい女子に話しかけられた。
「え〜!進路を考えるのめっちゃ早いね!」
「え………いや…。夢がないから、適当に書いているだけだよ」
「進路を適当に決めちゃうの〜?後悔するよ!」
別に後悔するわけないでしょ……。普通にどっかの会社で働いて普通の生活するだけなんだから。
「あ!それと、夢を持ってないの同じだ!」
「へぇーそうなんだー」
「え?!棒読み!?」
「棒読みで何が悪い」
「何にも悪くはないけど〜!そうだ!君!名前は?」
「僕は[漢字]薇琉[/漢字][ふりがな]らる[/ふりがな]。お前は?」
「ははっ。お前って酷いなぁ。私は[漢字]葉雨[/漢字][ふりがな]はう[/ふりがな]!よろしくね!」
葉雨かぁ。だけど一緒の学年なのにあまり見ない名前だな。
「よろしく」
「じゃあ薇琉は私の友達2号で!」
2号ってなんか…中途半端。どうせなら10号が良かった。
「ヤバっ!!そろそろ帰らなきゃ!……!どうせなら薇琉も一緒に帰ろうよ!」
「は?」
本当に意味が分からない。今日名前を知って一緒に帰るってどういうこと?
「ほらほら!早く帰ろ!!」
「分かった、分かったから腕を引っ張るな!?」
[水平線]
「〜♪〜今日は薇琉と一緒に帰れて嬉しいな〜!」
「それは良かったな」
と、言いながら僕は葉雨に聞きたいことを聞くにはどうしたら良いか考えていると、葉雨は僕の顔をジーッと見てきた。
「え、何?」
「ふっ、私には分かった!薇琉、私に聞きたそうな顔をしているな〜?」
な、何で分かったんだ?極力顔には出さないようにしたのに!
「もしかして図星?」
「あぁ、そうだよ」
「意外と素直に言うんだね」
「嘘は良くないからな」
「…………で、聞きたいことなんだけど葉雨はどうして、夢が無いのにそんな生き生きしているんだ?」
「えーと、それはね…それも個性だと思ってるからかな!」
そう、葉雨は自信ありげに言った。まるで、自分が誇らしく思っているかのように。
「そうなんだ。僕も夢を持ってないけどその気持ちは分からないな」
[中央寄せ]「そっかぁ、それならいっそ夢を持たずに自由に生きてみたら?きっと楽しいと思うよ!」[/中央寄せ]
そう葉雨が言ったこの言葉が僕の胸に大きく刺さった。
「………」
「薇琉?どうしたの?」
「あ…なんでもない」
「そっか。………………じゃあ私はこっちだから!バイバイ!」
「バイバイ」
だけど、僕は少し疑問に思ったことがある。葉雨が行ったところには家なんてないはずだ。なのに行ってしまった。あそこには確か……お墓ならあったような…………………。
「ッッッ!!まさかッッッッ!!!」
一生懸命に葉雨を追いかけたが、どこにもいなかった。あちこちを探し、そして少しキョロキョロしているとある墓と紙が目に入る。
「…炉梅雨家……ってああ!」
衝撃を受けたのは彼女_____葉雨の名前があったことだ。彼女は死んでしまったのだろう。すると次は紙を見た。それは数年前に起きた自殺事件のところだけ切り抜かれた新聞だ。………よく見ると、彼女の写真、名前があり、自殺原因は将来の夢についての重い辛い、いじめだった。
__________時は少し経ち、僕は頬を濡らしながら、
「また来てあげる」
そう言ってこの墓を離れ、少し歩き振り返ると葉雨が笑いながら手を振っていた。そして、僕も振り返す。すると彼女から口パクで
『が・ん・ば・って』
と伝えられ自分は微笑んだ。
『ありがとうね!』
これが彼女の最後の最後の言葉だった。
そして僕は家に帰り、進路計画に書かれた字を全て消して書き直し、夢を持てれた。それは
[中央寄せ][下線]小説作家だ。[/下線][/中央寄せ]
いつか、このことを小説に書いて出版したいと思ったからこの夢にした。
後日彼女のお墓に行き、このことを伝え、家に帰る。
その様子を1人の少女の霊が嬉しそうに彼をずっと見ていた。
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