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【参加型】零の夢

#10

opening

[漢字]藤原 陽鐘。[/漢字][ふりがな]ふじはら ひかね[/ふりがな]
24歳、女性。
ブスでもないが美人でもない、恋愛経験の無い女子。
新人銀行員で経理事務に勤めている。
そして社畜OL。
趣味は裁縫、猫を飼っている。
それは、そんな"普通"の女の話…

「ああああああああああ!!!!疲れたよおおおおおもおおおおおお!!!!」
6:35、終業時刻。
私は制服から私服に着替え、鞄を持つと、ロッカーを閉じた。
すると、隣でスマホやら筆箱やらカバンに色々入れていた[漢字]真央[/漢字][ふりがな]まお[/ふりがな]が私を見て笑った。
「もう疲れたの〜?[漢字]陽鐘[/漢字][ふりがな]ひかね[/ふりがな]。そんなんじゃ明日持たないよー?」
「明日…お盆だっけ?人多そうだなぁ。」
「多いよ〜!多分一年で一番お客さん来る日じゃないかな」
「マジか〜…過労死するかも〜」
「頑張れ〜!私は今年おとーさん死んだから仕事休んで線香あげなきゃなんねーの。ごめん!」
「いやいや…[漢字]真央[/漢字][ふりがな]まお[/ふりがな]が謝る事じゃないよ…あぁーだるー…」
私はそう言いながら更衣室を出た。
少し歩き、銀行を出る。
空はアクアグリーン色に染まっていた。まだ真っ暗では無い。
私は絶望的に夜目が効かない。
うっっっっすら周りは見えるが、元々目が悪いのも相まって、眼鏡がなければ夜はほぼ何も出来ない。
幸い、町には街灯という存在があるので、周囲は見える。
疲れながら家までの帰路を歩く。
銀行から私の家まではちょっと遠いが、脚力だけは良い私にはなんとも感じない距離だ。
学校の前を通る。
今は学校は夏休み、なのか…
教師も全員帰ったのか、光っている窓はなかった。
私も元々教師を勤めていたが、度重なる苦労の連続で教師を辞め、ここ、東京都に上京した。
もちろん銀行員生活は大変だが、お金には困ってないし、教師の頃と比べて十分楽しい。
私は学校から目を逸らし、右足を前に出した。
…その時だった。
「[漢字]藤原、陽鐘[/漢字][ふりがな]ふじはら ひかね[/ふりがな]…」
幼い様な、大人びている様な声が私の名を呼んだ。
私はふと学校の方を向いた。
そこには、校門に腰掛けている少女がいた。
しかし、月明かりに照らされて少女の体が影になっていて、よく見えなかった。
ただ、瞳だけは赤く光り、よく見えた。
赤い二つの眼球が、私を見つめていた。
「あ、あなたは?」
私が少女に話しかけると、少女は瞬きし、赤い瞳は輝きを失い、真っ黒な瞳になった。
「私のことはどうでも良いの」
と少女は曖昧な返事を返した。
「私の取引に応じてくれるなら、教えるわ」
「取引?」
少女は校門から飛び降りた。
その少女は、おかしかった。
セーラー服を着て、片手に黒手袋をはめていた。
黒手袋からチラチラ見える手首や顔は、人間の物とは思えないぐらい白かった。
「[漢字]陽鐘[/漢字][ふりがな]ひかね[/ふりがな]、よね。貴方の名前。」
少女はそう言うと、どこからか紙を取り出した。
「お願いがあるの。[漢字]古龍神[/漢字][ふりがな]こりゅうじん[/ふりがな]様からのご依頼よ」
「こ、こりゅう…?」
「[漢字]古龍神[/漢字][ふりがな]こりゅうじん[/ふりがな]、妖怪の王様と捉えてくれて構わないわ。」
「妖怪の…」
「学校に来て。詳しい説明はそこでする。」
いつのまにか空いた門の中に少女は入っていった。
やがて近くの教室に入った。
教室には長方形の机が置かれていた。
私は咄嗟に近くの椅子に座り、少女は私の向かい側に座った。
「お願いがあるの。
さっきも言った通り、[漢字]古龍神[/漢字][ふりがな]こりゅうじん[/ふりがな]様から私に依頼された事がある。」
「…どういう?」
「現在、人間の妖怪化が増えてる。」
「…それがどうしたの?」
「通常、人間が妖怪となる事はあり得ない事なの。大きな感情や気持ちが妖怪に向かう事で、人の体は妖怪になろうとする。それで妖怪化する人が多くなっているの。」
「…それ、私関係なくない?」
「ええ。ぶっちゃけどんな人間でも良いわ。だからそこらにいた貴方を選んだ。」
「なら、どうすれば良いの?」
「要するに、妖怪が人間と関わるのを防いで貰えば良いの。叩きのめしたら懲りると思うわ」
「なるほど…えっ!じゃあ妖怪と戦うって事?」
「そうよ。妖怪が出来ることにも限界があるからね。是非人間の貴方に手伝ってもらいたいの」
「…断れないの?」
「断っても良いわよ。でも、妖怪の奥深くを知ってしまったからには殺すわ」
…殺される…
最初から拒否権は無いみたいだ。
「分かったわ。嫌だけど、やる。」
「ええ。どうもありがとう。じゃあこの契約書に名前とサインをして」
私は契約書に自分の名前とサインを書いた。
「ありがとう[漢字]陽鐘[/漢字][ふりがな]ひかね[/ふりがな]。私の名前は[漢字]物怪 零[/漢字][ふりがな]もののけ れい[/ふりがな]。変なあだ名つけなければどんな名前でも良いわ。早速行くわよ」
「えっ?いや、お札とかそういうの、要らないの?」
「幽霊じゃあるまいし、いらないわ」
そう言うと、零は教室を出た。
私も教室を出ると、そこには零はいなく、代わりに一匹の狼がいた。
「あれっ?零?零ー?」
「ここよ」
狼が喋り出した。
少しギョッとしたが、零に会ってから色んな非現実的な事が起きている。ここは零を信じよう。
「乗って。一人目に行くわ」
「え?乗って良いの?うわぁーたのしそう!」
私ははしゃぎながら零の背中に座った。
「言っとくけど、楽しく無いわよ」
「えっ?」
そう言うと、零は走り出した。
「速っ!車みたいなスピード出してるんだけど!」
「掴まってて。落ちたら死ぬわよ」
零はそのまま校舎の壁を突っ切り、空に出た。
街が下に見える。
明かりがイルミネーションの様に付いている。
「夏だけど、上空はなんだか涼しいね〜!」
「そうかしら」
「そうじゃない?」
「よくわからない」
「そぉ…」
曖昧な返事を返し続ける会話を適当に終わらせ、下を見た。
自分の家、会社、神社、真央の家…
上空から見る景色は新鮮だった。
私は零の向いている方向を遠目に見ながら、風に身を任せた。

※ダブルクリック(2回タップ)してください

作者メッセージ

openingできました!
修正部分などがあればご報告ください〜!
まだまだキャラクターは募集していますからね!ね!

2024/08/31 12:13

レンジでチン ID:≫8tLFDz0BK708c
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