塗り替えられた信頼
歩いていたら誰かとぶつかった。
『わっ、ごめん!』
「[小文字]チッ[/小文字]鈍臭....ホンマ無能やな」
『あははごめんね』
舌打ちをして去って行く同僚のシャオロン。....いつからこうなっちゃったんだろ
私は部屋に入って考える
《○○!次はこっち行こや!》
《似合っとる!マジなんでも似合うな!》
《信じてんで、ずっとな》
『ずっと、か......』
あの子、〈メイ・ラスリー〉ちゃんが入ってから全ては変わってしまった。皆んな最初は警戒心マックスで、遠ざかっていたのだが、私を陥れることで信用を得た
最初の一、二回は私じゃないって信じてくれたけど、三回目になってメイちゃんのアリバイ作り、言い訳が上手かったせいか、私側に味方はいなくなった
『.....書類、届けなきゃな』
-------------------------------------------------------
コンコンコンっ
ドアを三回叩いて部屋に入る。
「誰だ」
『○○だよ。書類届けに来た』
「......入れ」
本当は入れたくないんだよね。知ってる。声色で分かる。
ごめんね
「もっと早くやれ、遅い。本当無能だな」
『ごめんごめん〜、もっと早くやるね!』
それだけを言い、総領室を出て、また自室に戻る
《○○!見ろ!全部終わったゾ!》
《またこれが食べたい!作ってくれるか!?》
《あぁ、永遠に俺の左隣はお前だけだ》
総領、前までは「グルちゃん」って呼んでたのにいつのまにか変わっちゃってる
またなんてなかった私の手作りカップケーキ
ずっと空いている貴方の左隣
永遠とか、ずっとって、なんなんだろ........
コンコンコンっ
ドアを叩く音がした
『入っていいよ』
「○○隊長、書類を届けに来ました」
『サナか、ご苦労様』
私が受け持っている「遠距離部隊I」の部下、サナ・クローズ。実力が部隊の中で高い子。私を気にかけてくれていい子だし、可愛い
「....○○隊長、この書類は届けに行かないんですか」
サナが指を指した書類は昨日もらった書類の山だった。
とっくに終わっているが、届けには行かない。ごめんね。
『あー、5日後にでも届けに行こうかなぁ』
「....っなんで、ですか?」
『うーん......気分、かな?』
気分、ですか.....そう答える部下に笑って早く寝るように、と部屋に戻らせた。
気分なんかじゃないよ。あの子が上手くヒロインになるように、この国を守る為に、間違えないように、慎重に
私はそっと首元を触った
(I believe in you guys.)
このボタンは廃止予定です