明鏡止水、虹は光る。
レイラ「大丈夫か?」
レイラが少女を心配するような仕草を見せる。
「あ…えっと…だッ、大丈夫です…!それより…あの人は…」
ガレン「レイラが追っ払った。」
「嘘!私行く当てないのに…」
どうしよう、と頭を抱える彼女は美しい銀髪を持っていた。
「…あのッ!冒険者の方ですよね?」
ガレン「うん」
レイラ「あたしが隊長!こいつ部下。」
ガレン「…ども」
「その…パーティーに入れてもらえませんか!!!!!」
レイラ「え…別にいいけど…なんで…?」
ガレン「義務教育中はは親の許可取らなきゃいけないんだけど…」
「…親、いないんです。」
レイラ「そうか、ごめんな。悪いが何も知らない奴をパーティーに入れるほどあたしは優しかない。」
「…!…ッ…」
レイラ「ま、そういうことだから。なんで大男に殴られてたのか教えてほしい。」
「教えれば、入れてもらえるんですか?」
ガレン「うん」
そういうことだと頷くと、少女は顔を輝かせた。
「えっと…まず、私はルーラです。14歳で…[漢字]魔法使い[/漢字][ふりがな]メイジ[/ふりがな]…です。一応。」
ガレン「一応?」
ルーラ「はい…この年なのにたったのLv.4なんです…」
レイラ「…!」
ルーラ「魔法学園に捨てられて、物心ついた時には学園の寮にいました。」
「小さい頃はよくできて、神童って言われてたんです。」
「でも…初等部5年の時、魔力が急に小さくなったんです。魔法が使えなくなって…」
初等部、とは普通の学校でいう小学校だ。
魔法学園は大抵小中高一貫校なので区別するためにそういう呼び方をしている。
レイラ「で、その時のレベルで止まっていると。」
ルーラ「そうなんです…学校も、ずっと前に退学になっちゃって…」
「グズだし、運動音痴だし、魔法は使えないしで生活できなかったんです。」
「さっきの人のところで、荷物持ちしてたんですけど…クビになっちゃって…」
ガレン「なかなか壮絶だな…」
レイラ「…よし、合格だ!うちのパーティーに入れてやる。」
ルーラ「いいんですか!ありがとうございます!!!」
キラキラと顔を輝かせるルーラに、ガレンは既視感を覚えた。