「全然再生されない…」
高校生のアキは、歌い手をやっていた。
でも、ルカと同じようにそう簡単には伸びなかった。
「いつか、いつか…」
そう、夢を見て努力していた。
高校では、どのグループにも属さないような部類の人間だった。
「陰キャ～」
などと呼ばれ、いじめを受けるようになってしまった。
「もう、最悪だ…」
アキは、学校に行くのが嫌になり、不登校になった。
親は、学校に行かないのを認めてくれない。
もう、生きるのも辛いってときに、こんな言葉に出会った。
[太字]「音楽都市への行き方」[/太字]
音楽都市・リエン
疑いつつも、指示に従い、行き方を試した。
瞬きをし、次に目を開けると…
そこは音楽都市だった。
ミレドと名乗る人に案内されて、この街のしくみを知った。
ここなら、思いっきり音楽を楽しめる。認めてもらえる。
そう思って、アキは誰かとバンドを組もうと決心した。
ーーーーーーーー
「ハァ、ハァ…なんだ…夢…」
たまに、この嫌な思い出がフラッシュバックする。
昔の自分は、根暗だった。
今の、人と積極的に関わる自分のほうだ好きだ。
おかげで、仲間ができたし。
「アキ、大丈夫？」
アイナが、心配してくれた。
「…大丈夫。ちょっと思い出しただけだから」
そうだ、アイナは……