「～♪ぐるぐるぐぐるるどっかーん！　上げ下げ　上げ下げ
　なんだかんだ僕らサイキョー！どんなもんじゃ！全部乗りこなして！
　どんな料理も作って！いただきますしよ！
　オキニも悪夢も混ぜちゃって！
　ヤミナベ！闇鍋！伝説！作っちゃお！」
(楽しい…!)
あっという間の1時間だった。
「ふぅ～…、緊張したわ…」
「ははっ、ラナさん自己紹介噛んでたもんね～！」
「うっ、ばれてないと思ってたのに…!」
[太字]コンコンっ[/太字]
ドアがノックされた。
「はーい？」
セリカさんかな…
「みんな、お疲れさま～っ！」
「マシロちゃん！ライくんも！」
私は、マシロちゃんに飛びつく。
「ラナさんと、マロンさんだったよね？それぞれの個性が出ててよかったよ。」
「うんうん！みんな仲良くて、混ざりたくなっちゃった～！」
「また、みんなでコラボライブしようよ！デビルザモンキーのみんなも一緒にさ！」
「うん！」
最高のライブだった。
ラナさんもマロンさんも楽しめたみたいで、それからたまに見かける2人の路上ライブは、お客さんがいっぱいで、2人もお客さんもみんな楽しそうだ。
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(キアク様、今日も美しい…!な・の・に!!)
私は、ザムト・レキント　キアク様の大大大大ファンだ。
だいぶ前に引き抜こうとしたけれど、見事に失敗。
フォアドリなんていう、あの忌々しいルカがいるバンドでボーカルして、ダンジョーナカヨクとかデビルザモンキーとかともコラボして、どんどん有名になって！そしたら次は無名のバンド!？
「ふざけるんじゃないわよ!!」
(私だってキアク様とコラボしたい!!私の演奏で歌ってほしい…!)
「そうなったら、フォアドリと仲良くならなきゃいけない…のよね」
うちのバンド、クレイジーエナジーはあまり他のバンドとの絡みがない。
音楽祭で優勝するために、ライバルとのコミュニケーションはとらない方針だからだ。仲良くなって、一緒にライブなんてしたら敵に塩を送ることになる。
リーダーが、本気で優勝を狙っている。
「でも、私はそうじゃないんだよね…」
音楽が好き。ギターが好き。歌が好き。ただ、楽しみたくて、バンドに入ったのに。
(優勝しか見てなくて、最近は全然楽しめてない…)
こんなんで、いいのかなぁ…
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