「今日は[太字]コラボ相手を探そう[/太字]～っ!!」
リビングに響き渡るアキくんのうるさ…じゃなくて、元気な声。
アイナちゃんがつまらなそうに音ゲーをしている。
キアクはキッチンで料理の試作。
「コラボ相手を探すって、どうするの？」
「え、今から路上ライブハシゴして探すよ？」

というわけで、やってきました路上ライブ～…
(う～ん、このバンド人気はあるけどうちの歌詞とかとは相性あんまりかも…)

(このバンドはきっちり立ち位置決める感じだな…自由奔放なフォアドリとはやりにくいかも…)
相性のいいバンドなんてそんな簡単には見つからない。
キアク特製、ピクニックバッグ　in　サンドイッチ＆コーヒー
「うまぁ～～～っ」
「このマスカットのフルーツサンド美味しいね!」
「え、それ食べたい～っ!!」
私が、マスカットのフルーツサンドに手を伸ばしたとき
「あ”…それ…くれませんか…」
ゾンビみたいな声が聞こえてきた。
そしたらリアルゾンビの、バンドのオリTを来た男性が倒れていた。
「え、…あ、どぞ…」
アイナちゃんが引き気味で、マスカットのフルーツサンドを渡す。
その人はすごい勢いで完食。
(よっぽどお腹空いてたんだな…)
「ありがとうございます。ここ最近バンドメンバーに追い出されてなにも食べて無くて…」
名前は、マロン・カルキノスさんと言うらしい。
コーヒーを飲むマロンさんは、とてもイケメン。さっきの四つんばいゾンビとは思えないほどだ。
(背景にバラが見える…)
「なんで追い出されたの？」
アイナちゃんが聞くと、マロンさんが泣き出した。
「あっ、無理にいわなくても…!」
ガチ喧嘩しちゃったとかかな…。安易に聞いたら駄目なやつだ…!
「メンバーに内緒でマスカット買い込んでたのばれて、追い出されちゃったんです…しかもそのマスカット全部食べられるし!!!」
(全っっ然そんなことなかった…)
まさかのマスカットガチ勢…
「謝りにいこうとしたんだけどやっぱドア開けてくれなくて…」
「あぁ……」
「一緒に謝りに来てくれない!？お客さんがいればきっといける!!」
(まじか…)
絶対アイナちゃんが「いや、絶対行かないけど」って冷ややかな目を向けるだろうと思ったら…
「いいわよ。はやく行きましょう」
「!？」
まさかの許容。どうして!？イケメンだから!？
またアイナちゃんが爆弾発言。
「そのかわり、うちのバンドとコラボしてくれない？」
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