「伸びないなぁ」
エナドリの缶をプシュッと開けて、一気飲み。
私はルカ。夢見る歌い手だ。
でも中々登録者が伸びなくて悩んでいる。
配信同接は、200人前後。
どうしようかなぁ…。
モヤモヤするのは嫌だし、マイペースなのが私の長所。
石橋はとりあえず渡る！なんでもやってみるのが私のモットーだ。
とりあえず、ラノベ読もう～っ
大好きな三月さんのラノベを開いて、読み始める。

「ん…朝？」
目を開けると、すごく眩しい。
「え、眩しっ…ていうか、私寝落ちして…。」
眠い目をこすって、周りを見渡すと、見慣れない街。
いろんなところで路上ライブをしている人達。
「ここ…どこ！？」
大きな声を出してしまった。
「君、迷子かな？」
足まである長い髪は、赤にオレンジメッシュ。
カラフルな音符の髪飾りもたくさんついている男の人。
なぜか小麦と、クッキーの袋を持っている。
「あ、えっと…迷子です。ここどこですか？」
「あぁ、あっしはこの街の案内人の、ミレド　よろしくね」
「私はルカです。よろしくお願いします、ミレドさん」
「あははっ　硬いよ、ルカちゃんね」
なんというか、フレンドリーな人だな。
「ここは、音楽都市、リエン。音楽を大切にする街なんだ」
(リエン…。読んでた三月さんの小説に似てる…。)
「君、歌える？」
「まぁ、人並みには…。」
「歌ってみてよ。なんでもいいからさ！」
(なんという、無茶ぶり！)
でも、とりあえずやってみよう！
「～～～～♪」
大好きな曲を、口ずさむ。
「わぁぁぁっ!ルカちゃん、歌上手いね。1番、目指してみたらどう？」
「1番？」
「うん。この街ではね。年に1度、音楽祭が行われて、観客の投票で、歌姫や、この街1番のバンドが決められるんだ」
(歌姫…。)
目指してみたら、頑張ったら、元の世界でも役立つかもしれない。
「目指してみよう、1番！」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー