ヒューイ『けれど、一つ注意することがある。』

ヒューイ『この的、全身の９割は当たり判定がないから、そこは気をつけて。』


つ、つまり当たりにくいってこと…！？全て当たるように感じる…。何かに集中攻撃するのは推奨しないって感じか…。範囲攻撃すれば当たると思うけれど、どうなんだろう…。

でもせっかくだから壊してみたい！！けれどどうしたら壊せるんだろう。

辺りを見渡す。大人がたくさんいる。だが、そこには…。

ドロシー『ママ…！？』

アレン『え？』

私がそう呟くと、アレンは「え？」と声を漏らした。そう、ママがいたのだ。他の大人もそれに気づいて、口を手で押さえている。ママはこう言っている。

アリス『私の旦那さん…、ここの校長が授業してるって聞いて、見に来ちゃったんですよ〜ww』

はは、なんとか誤魔化してる。私はママの方を見ていると、パパがみんなに誰が最初にやるか質問していた。

ヒューイ『一番最初にやりたい人はいる？』

イーメン・ルミネージュ『はいはいー！！俺やりまーす！！』

イーメン・ルミネージュは、元気よくパパに返事をした。

ヒューイ『じゃあこの線から前にはでちゃだめだからね。』

そうパパが言って、イーメンはその線の前に立つ。そして魔法を撃った。

イーメン『炎属性・ファイアー！！』

イーメンが的に向けて魔法を放つ。しかし、的には当たらなかった。イーメンの魔法は、腹に直撃していた。なのに、彼の魔法はすり抜けた。

腹には当たり判定がないの…！？私は心臓あたりに撃とうとしていたので、最初にいかなくて正解だった。

イーメン『あっれー、お腹には当たり判定はないんかー。じゃあどこだー？』

イーメンが困った顔をした。ってことは、頭？足あたり？どこだろう…

そんなことを考えていると、隣にいたアレンがパパにこう言った。

アレン『僕、やってもいいですか？』

私は思わずアレンに話しかけた。

ドロシー『え、アレン。まだ２番目だよ。』

私は計画的に行うアレンなら、もっと慎重にやる思っていたからだ。

ヒューイ『いいよ。アレン・アルカネットさん。』

そう言われると、アレンは線のところに行った。アレンは一体どこを狙うんだろう…。

アレンは目を細めて、的の方を見ている。みんなは、アレンがAランクだから、期待値が高いのか、みんな注目してみている。

アレン『炎属性・ファイアーウォール』

アレンの魔法は的を飲み込むほど大きな魔法。そして、アレンの魔法は的に当たった。

[太字]…ように見えた。[/太字]

そう、的は当たっていなかったのだ。完全に的を飲み込んでいたのにも関わらず、的は当たっていなかったのだ。

アレン『えっ…！』

一体どういうこと？じゃあ的は一体どこ？あれはダミー？でも他に的のようなものがない…。

みんなが辺りをキョロキョロしたり、動揺したりする声が聞こえてきた。アレンの魔法なら当たるものだと思っていた。すると、一人のクラスメイトが声を上げた。

メルル・ファウナ『あ、あの、次は私でいいでしょうか…。』

クラスメイトのメルル・ファウナさんがパパにそう言った。

ヒューイ『…へえ、いいよ。』