ランク測定が終わった後は、私たちの机の周りに、クラスメイトがたくさん集まっていた。

「ねえねえ入学する前ってどんな勉強してたの？？」
「私Dランクだったー。」
「えっ、俺なんてEランクだぞw」
「魔法が上手になる方法教えて！」

ドロシー『はいはい1人ずつだよー。』

アレン『とは言っても、僕らはとある人から修行を受けただけなんだ。その人は…、名はあまり広めてほしくないらしいけれど。』

そうアレンが言って、ママから教えてもらったことを伏せる。その時だった。

エレル『どうせ大したこと聞けねえよw』

そう廊下から聞こえた。エレルと名乗っていた人だ。そしてエレルは私たちの教室のドアを力強く開けた。

エレル『お前らランク測定終わったよな？？ランク教えてみろよ。』

エレルはそう言った。エレルは後ろに３人別のクラスの生徒を連れてやってきたんだ。

「わ、私D…。」
「俺なんてEだぜww」
「なんで教えないといけないのよ！そっちはなんだったの！！」

そうクラスのみんなはエレルに向かって喋り始める。私は周りを見た。すると、教室の窓側に1人本を読んでいる子がいた。その子はエレルの話に一切興味がないのかもしれない。

そういえば、あの子は確かランクを見られたくないからって、周りに見せないようにランク測定をしていたような…。

そんなことを考えていると、エレルが話を続けた。

エレル『へっ、聞きたいか？』

エレル『俺のランクは、[太字][大文字]B＋ランク[/大文字][/太字]だぜ！！

そう、ランクは昔より細かくなっていて、

上から強い順で、
Zランク
Sランク
Aランク
B＋ランク
B−ランク
C＋ランク
C−ランク
D＋ランク
Dランク
D−ランク
Eランク
となっている。特にDランクに人が多いせいで、強さもバラバラになったため(とは言っても少し)、３つに分けたらしい。ちなみにB＋とAの差は見ればわかるほど激しいとアレンが言っていた。

ちなみにこれもママが改変した制度らしい。

エレルがそういうと、クラスのみんなが突然黙った。その空気感にエレルは勘違いした。

エレル『お前ら、もしかして俺が強いランクだったから黙ってるわけか？w、ま入学早々B＋スタートなんてなかなかいねえよなww』

そうエレルがいうと、クラスの1人が喋り始めた。

「あんた、調子乗りすぎじゃないの？」

エレル『…は？お前もしかして悔しがってんの？ww』

「違うわよ。確かに入学早々B＋はすごいとは思うけれど、このクラスに自慢したのが馬鹿だったわね。」

エレル『どういうことだよ。』

「お願いドロシーちゃん、アレンくん！」

そうクラスの女の子は私たちにバトンタッチした。そうすると、アレンが突然立ち上がり、エレルの方へ歩いた。

エレル『な、なんだよお前。』

アレン『…君がどんな子かは知らないけれど、確かにこのクラスに言ったのは失敗だったかもね。』


アレン『僕のランクは[太字]Aランク[/太字]だ。』


エレル『…w、そんな出鱈目な嘘つくなよお前w』

そうエレルに馬鹿にされるのを私は見ているのが嫌で、私も声を上げた。

ドロシー『アレンと私は本当にAランクなの！！』

エレル『は？お前もAランクって嘘つくのかよw。苗字見る限り双子っぽいけど、双子揃って嘘はやめろよww。』

そうエレルが私たちに言うと、エレルの後ろから声がした。

パパだったのだ。

ヒューイ『嘘じゃないよエレル・ファーレルン。』

エレル『！！あ、え、校長先生！ほ、本当なんですか…？』

突然エレルの態度が変わって思わず苦笑いしてしまう。

ヒューイ『ああ本当だよ。この2人は双子で、どちらともAランク。わかったらあんまりでしゃばらない方がいいよ。』

エレル『…す、すみませんでしたー！！』

アレン『あ、おい！』

エレルはそう言って、エレルたちは私たちの教室を去った。

アレン『と、ところで、えー…校長先生はなんでこちらに？』

ヒューイ『…やれやれ。新入生の中にはランクだけで自慢する子が必ずいるから見回りをしていたんだよ。』

ヒューイ『ちなみにランクが低くても、上がるチャンスはあるし、高くても下がる可能性もあるから、みんなしっかりと勉強や実技、頑張るんだよ。』

そう言って、パパは私たちの教室を去った。

私はパパのその姿がとてもかっこいいと思った。