月白の魔法使い様
アリス・ファーレイトside
あら、ここの主人公奪っちゃいそう()
おっほん、失礼。
翌日、私はカイから渡された小さな紙を持って、ランヌの家に行った。
ランヌの家には、ウトトも住んでいるらしいが、今日はお仕事で留守。私はウトトに家事も頼まれている。不器用な私に頼んで、後悔するなよ。
とは言っても、小さい紙にはたった一言しか書かれていないのである。何度紙を見ても、全く頼りにならない。
そこにある紙の内容は、
『薬 新 粉』と書かれていた。
はあああ???なんですか、花粉ですか??新しい花粉???いやですね〜、花粉症に失礼すぎる。
ランヌの家の玄関前までついた。すでにウトトからこの家の鍵をもらっている。私は鍵で玄関のドアを開けた。
中は薄暗く、人は出入りしていなさそうな空間だった。
だが、一つだけ光が漏れている部屋があった。私はそこのドアを開けた。すると…
ランヌ『…え、アリスちゃん。』
そう、そこには不思議そうな顔をしていて、両手には本を持っているランヌがいたのだ。彼は柔らかそうなベッドで起き上がっている。
彼の容姿は、5年前とは驚くほど違った。とても太いレンズの眼鏡をかけているのにも関わらず、特徴的なコンタクトもつけている。さらには、ピアスも大きくなっていたり、ネックレスやチョーカーも着こなしていたのだ。
だが全てファッションじゃない。これは健康のための、ランヌのためのものなのだ。
私は元気よく声をかけた。
アリス『やっほランヌ!遊びに来ちゃった!』
ランヌ『はぁ、鍵を持っているということは、ウトトはこれを知っているな?』
アリス『うん、許可取ってあるよ。』
ランヌ『アリスちゃん。今日はどうしたの?』
元気がなさそうな声で私に聞く。やっぱり、調子もだんだんと悪くなってきている。そのスピードは加速し続けているのだろう。明らかな元気のなさに驚く。
私は要件を話し始めた。
アリス『カイに頼まれたの。今度Sランク昇格試験があるんだけど、そこで第2回目の審査の時の審査長をお願いできないかなって。』
そう言い切ると、ランヌは驚いた表情で話し始めた。
ランヌ『できればやりたい。だが、この状態ではできない。暴走した脳の制御ができないから、人の感情や心の中が読めてしまう。』
ランヌ『しかも試験は人がたくさんいるんだろ?膨大な知識量で、俺の状態が更に悪化する。』
アリス『…私はランヌにしかできないと思うな。』
ランヌ『なんで?』
ランヌは暗い表情で私に喋りかける。きっとこの状況でも辛いのだろう。そんな気持ちだろう。
私は気持ちが読めないけれど、わかる。いつも、一緒に行動してきた仲間だからこそ。
だから、ランヌにしかできないんだ。
アリス『第2回目の試験内容は、面接。』
ランヌ『ひとりひとりのやつだな。あれも、キツイんだよなぁ。』
アリス『…それには条件があるの。』
私はカイに言われたことをしっかりと話した。
アリス『その面接、ランヌは一言も喋らなくていいよ。』
アリス『喋らなくても判別できるんじゃない?ランヌだったら。』
ランヌ『…俺のこのぶっ壊れた脳を上手く利用したいって?』
あら、ここの主人公奪っちゃいそう()
おっほん、失礼。
翌日、私はカイから渡された小さな紙を持って、ランヌの家に行った。
ランヌの家には、ウトトも住んでいるらしいが、今日はお仕事で留守。私はウトトに家事も頼まれている。不器用な私に頼んで、後悔するなよ。
とは言っても、小さい紙にはたった一言しか書かれていないのである。何度紙を見ても、全く頼りにならない。
そこにある紙の内容は、
『薬 新 粉』と書かれていた。
はあああ???なんですか、花粉ですか??新しい花粉???いやですね〜、花粉症に失礼すぎる。
ランヌの家の玄関前までついた。すでにウトトからこの家の鍵をもらっている。私は鍵で玄関のドアを開けた。
中は薄暗く、人は出入りしていなさそうな空間だった。
だが、一つだけ光が漏れている部屋があった。私はそこのドアを開けた。すると…
ランヌ『…え、アリスちゃん。』
そう、そこには不思議そうな顔をしていて、両手には本を持っているランヌがいたのだ。彼は柔らかそうなベッドで起き上がっている。
彼の容姿は、5年前とは驚くほど違った。とても太いレンズの眼鏡をかけているのにも関わらず、特徴的なコンタクトもつけている。さらには、ピアスも大きくなっていたり、ネックレスやチョーカーも着こなしていたのだ。
だが全てファッションじゃない。これは健康のための、ランヌのためのものなのだ。
私は元気よく声をかけた。
アリス『やっほランヌ!遊びに来ちゃった!』
ランヌ『はぁ、鍵を持っているということは、ウトトはこれを知っているな?』
アリス『うん、許可取ってあるよ。』
ランヌ『アリスちゃん。今日はどうしたの?』
元気がなさそうな声で私に聞く。やっぱり、調子もだんだんと悪くなってきている。そのスピードは加速し続けているのだろう。明らかな元気のなさに驚く。
私は要件を話し始めた。
アリス『カイに頼まれたの。今度Sランク昇格試験があるんだけど、そこで第2回目の審査の時の審査長をお願いできないかなって。』
そう言い切ると、ランヌは驚いた表情で話し始めた。
ランヌ『できればやりたい。だが、この状態ではできない。暴走した脳の制御ができないから、人の感情や心の中が読めてしまう。』
ランヌ『しかも試験は人がたくさんいるんだろ?膨大な知識量で、俺の状態が更に悪化する。』
アリス『…私はランヌにしかできないと思うな。』
ランヌ『なんで?』
ランヌは暗い表情で私に喋りかける。きっとこの状況でも辛いのだろう。そんな気持ちだろう。
私は気持ちが読めないけれど、わかる。いつも、一緒に行動してきた仲間だからこそ。
だから、ランヌにしかできないんだ。
アリス『第2回目の試験内容は、面接。』
ランヌ『ひとりひとりのやつだな。あれも、キツイんだよなぁ。』
アリス『…それには条件があるの。』
私はカイに言われたことをしっかりと話した。
アリス『その面接、ランヌは一言も喋らなくていいよ。』
アリス『喋らなくても判別できるんじゃない?ランヌだったら。』
ランヌ『…俺のこのぶっ壊れた脳を上手く利用したいって?』
このボタンは廃止予定です